ベルリンで開催中のIFA 2026に合わせて、Lenovoが14型ノートPC「ThinkBook 14x Gen 2」を発表しました。厚さ12.9mm、重量990gという薄型軽量の筐体はそのままに、中身のプロセッサをIntelの新しい普及帯シリーズへ差し替えたのが今回の変更点です。欧州では2026年9月から1,079ユーロ(約19万5,000円)で、米国では2027年第1四半期に999.99ドル(約15万5,000円)から販売されます。

前モデルからわずか数か月での世代交代

ThinkBook 14xの初代が登場したのは2026年6月末のことで、そのときの搭載プロセッサはIntelのLunar Lakeでした。今回のGen 2はそこから3か月足らずでの投入になります。金属仕上げの外装や薄型軽量という性格は初代を引き継いでおり、外形だけを見れば正常進化のマイナーチェンジに見えます。

ただ、プロセッサの入れ替え方が少し変わっています。Lenovoが今回選んだのはIntel Core 7プロセッサー(シリーズ3)、開発コードネームでいうWildcat Lakeです。これは2026年4月に投入された普及帯向けのラインで、上位のLunar LakeやPanther Lakeとは狙う場所が違います。

Wildcat Lakeはどういうプロセッサか

Wildcat Lakeは、エントリークラスのノートPCや業務用端末、エッジ機器を主戦場とするシリーズです。最上位のCore 7でも6コア構成で、内訳は高性能コアが2基、低消費電力の効率コアが4基。内蔵グラフィックスはXe3世代の2コア、NPUは17 TOPS前後という水準です。基本消費電力は15Wで、ターボ時でも35Wに収まります。

数字だけを並べると控えめですが、この構成が意味するのは発熱と消費電力の小ささです。厚さ12.9mmという筐体に高性能プロセッサを詰め込めば、冷却が追いつかずに性能が頭打ちになるか、ファンの音が気になるかのどちらかになりがちです。990gという重量を成立させるうえで、そもそも熱を出さないプロセッサを選ぶという判断には筋が通っています。

一方で、割り切りも生まれます。動画編集や3Dレンダリングのような重い処理を前提にすると、6コア・15W級の枠では厳しい場面が出てきます。Lenovo自身も、この機種の想定用途をブラウジングや共同作業、会議や移動先での日常業務と説明しており、制作用途を掲げていません。

画面は2種類、OLEDはHDRで1,100ニト

14型ディスプレイは120Hz駆動で、パネルは2種類から選べます。

ひとつは1200p解像度のIPSで、輝度400ニト、sRGBカバー率100パーセント。こちらはタッチ対応も選択できます。もうひとつは1800p解像度のOLEDで、SDR時500ニト、HDR時1,100ニト、DCI-P3カバー率100パーセントという仕様です。

普及帯のプロセッサを積む機種に、HDRで1,100ニトまで伸びるOLEDを組み合わせるという構成は、けっこう珍しい部類に入ります。処理性能で上を狙うのではなく、日常的に目に触れる部分へ予算を寄せた作りといえます。画面上部にはフルHDのウェブカメラがあり、赤外線センサーによる顔認証ログインに対応します。

メモリは固定、ストレージは後から足せる

メモリは最大32GBのLPDDR5x-7467で、これは基板直付けのため購入後に増設できません。ストレージは最大2TBです。

面白いのはSSDスロットの構成で、M.2 2242が1基(出荷時に使用済み)とM.2 2280が1基の合計2基が用意されています。つまり空いている2280スロットに後からSSDを追加でき、容量が足りなくなっても本体ごと買い替える必要がありません。薄型ノートPCではストレージまで交換不可という設計が増えているだけに、ここを残したのは実用面で効いてきます。

無線はWi-Fi 6E/7に対応し、バッテリーは54.7Whまたは65Whの2種類。65WのUSB Type-C充電器が同梱されます。

端子は素直、SDカードスロットはなし

搭載端子は、USB 3.2 Gen 2のType-Cが2基、USB 3.2 Gen 1のType-Aが2基、HDMI 2.1出力、3.5mmオーディオジャックという構成です。薄型機ながらType-Aを2基残しているのは、業務用の周辺機器をそのまま挿せるという点で扱いやすいところです。

SDカードスロットはありません。写真や動画を頻繁に取り込む用途を想定していない機種なので、この割り切りは製品の性格と一致しています。

本体色はCelestial White、Luna Grey、Veil Blue、Mystic Violetの4色展開です。ThinkBookシリーズは業務用途を主眼に置いたブランドですが、色の選択肢を用意している点は個人利用も意識した構成といえます。

価格をどう見るか

欧州での想定価格は1,079ユーロ(約19万5,000円)からで、2026年9月に販売が始まります。米国では2027年第1四半期に999.99ドル(約15万5,000円)からとされており、地域によって時期に差があります。※為替レート(2026年9月4日時点):1米ドル=155円、1ユーロ=181円

普及帯のプロセッサを積んだ機種としては、決して安い価格帯ではありません。この金額を出すなら、より上位のプロセッサを積んだ1.2kg前後の機種も視野に入ります。それでもThinkBook 14x Gen 2が選ばれるとすれば、理由は990gという重量と、1,100ニトのOLEDという2点に絞られるでしょう。

毎日持ち歩く道具として考えたとき、200gの差は思っているより効きます。処理性能を上げても体感が変わらない用途——資料を読み、メールを書き、会議に出る——であれば、軽さと画面の見やすさに予算を振り分けるという選択には合理性があります。逆に、手元でモデルを動かしたり動画を書き出したりする使い方が中心なら、この機種は最初から対象外です。

実機の評価が出てくるのは、欧州での販売が始まってからになります。特に、15W級のプロセッサで長時間の作業がどこまで快適かという点と、OLEDを選んだ場合のバッテリー駆動時間は、仕様表だけでは判断できない部分です。日本での展開時期と価格は、現時点で公表されていません。

まとめ

LenovoはIFA 2026に合わせて14型ノートPC「ThinkBook 14x Gen 2」を発表しました。厚さ12.9mm、重量990gの筐体に、普及帯向けのIntel Core 7プロセッサー(シリーズ3、Wildcat Lake)を搭載し、最大32GBメモリと2TBストレージに対応します。画面は120Hz駆動のIPSまたはOLEDから選べ、OLEDはHDR時1,100ニトに達します。欧州は2026年9月から1,079ユーロ、米国は2027年第1四半期に999.99ドルからで、処理性能ではなく軽さと画面に振り切った構成が特徴です。