Lenovoが、携帯型ゲーミングPC「Legion Go 2」に、ValveのSteamOSを最初から組み込んだ「Powered by SteamOS」版を用意し、2026年6月に発売します。価格は1,199ドル(約19万円)からで、Windows版より一段高い設定です。同社はかつてLegion Go 2へのSteamOS搭載を繰り返し否定していただけに、今回の方針転換そのものが大きな話題になっています。8.8インチの有機ELや着脱式コントローラといったハード面はWindows版を踏襲しつつ、起動するOSだけを差し替えた格好です。

一度は「非対応」と明言していたSteamOS版

今回のニュースで多くの人が驚いたのは、製品そのものよりも「SteamOS版が出た」という事実のほうでしょう。Lenovoは2025年初頭にLegion Go 2を初公開した時点では、この端末にSteamOSを載せる考えはないと説明していました。続いて2025年9月にWindows版を正式発表した際も、SteamOS版の予定はないと改めて明言しています。実際、Windows版は2025年後半に先行して販売が始まっていました。

その方針が、わずか数か月で覆りました。SteamOS版の投入は、消費者の根強い要望に応えた形と言えます。Lenovoは前年に「Legion Go S」で、Valve以外のメーカーとして初めてSteamOSを正式採用した実績があり、今回のLegion Go 2でもその流れを大型の主力機に広げてきました。Windowsの携帯ゲーム機が抱えがちな、起動の遅さやタッチ操作のしづらさといった使い勝手の課題を、ゲーム機に最適化されたSteamOSで解消する狙いがうかがえます。

ハードの中身はWindows版と共通

SteamOS版の技術仕様は、基本的にWindows版と同じです。ディスプレイは8.8インチの有機ELパネルで、解像度は1,920×1,200ドット、画面比率は16対10です。リフレッシュレートは最大144Hz、輝度は最大500ニトに対応し、携帯機としては大きく見やすい画面に仕上がっています。

頭脳には、AMDのプロセッサを採用します。構成は上位でRyzen Z2 Extremeまで選べ、メモリは最大32GBのLPDDR5X、ストレージは最大2TBのM.2 2242対応PCIe 4.0 SSDを搭載できます。さらにmicroSDカードスロットを備え、最大2TBの容量を後から足せます。

通信はWi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応し、音声端子(イヤホンジャック)も残されています。スピーカーは2Wのデュアル構成、マイクはデュアルアレイ仕様です。映像出力や給電を兼ねるUSB Type-C端子は2基あり、いずれもUSB 4.0、DisplayPort 1.4、Power Delivery 3.0に対応します。バッテリーは74Whで、付属品として65Wの充電器が同梱されます。本体色は、Windows版と同じく落ち着いた「Eclipse Black」です。

着脱式コントローラと自立スタンド、FPSモードも継承

Legion Go 2の特徴である変形ギミックも、そのまま引き継いでいます。左右のコントローラは本体から取り外して使え、背面には自立用のキックスタンドを内蔵します。画面だけを立てて、外したコントローラで離れて遊ぶといった使い方ができます。

加えて、右側のコントローラは付属のパック状パーツに装着すると、マウスのように動かせる「FPSモード」に切り替わります。照準合わせがシビアな対戦シューティングを、スティックではなくマウス感覚で操作したい人に向けた仕組みです。こうしたハードの作り込みはWindows版で評価されてきた部分であり、OSが変わっても魅力が損なわれないのは安心材料です。

価格は約19万円から、Windows版より一段高い

気になる価格は、1,199ドル(約19万円)からとなります。比較対象となるWindows版は、Ryzen Z2・16GBメモリ・1TBストレージの基本構成が1,099.99ドル(約18万円)からなので、SteamOS版は約100ドル(約1万6000円)高い計算です。OSのライセンス料が不要なはずのSteamOS版が、むしろ高く設定された点には違和感を覚える人もいるでしょう。

ValveのSteam Deckが同じSteamOSをより手の届きやすい価格で提供していることを思うと、この価格帯をどう受け止めるかは評価が分かれそうです。とはいえ、Steam Deckを上回る画面の大きさや処理性能、変形機構を考えれば、性能と使い勝手にお金をかけたい層には選択肢になり得ます。なお、日本国内での発売時期や価格については、現時点で公式な案内は確認できていません。

※1ドル161円換算(2026年6月時点)

まとめ

Lenovo Legion Go 2のSteamOS版は、ハードの中身を据え置いたまま、長く否定してきたSteamOSをついに採用した1台です。Windowsの携帯ゲーム機に付きまとう操作性の不満を、ゲーム機向けOSで解きほぐす意味は小さくありません。一方で、Windows版より高い1,199ドル(約19万円)からという価格設定は、Steam Deckの存在を踏まえると割高感が拭えないのも事実です。大画面と高い性能、変形機構に価値を見いだせるかが、購入を考えるうえでの分かれ目になりそうです。