折りたたみスマートフォンの弱点とされてきた電池持ちと耐久性に、真っ向から挑む1台です。HONORのブック型折りたたみ旗艦「Magic V6」が、2026年7月1日にドイツで、翌2日に英国・フランス・スペイン・イタリアで発売されました。すでに中国では3月に登場していたモデルで、6660mAhの大容量電池、折りたたみ機として初のSnapdragon 8 Elite Gen 5、7年間のOS更新など、盛りだくさんの内容です。注目したいポイントを整理します。
折りたたみ機とは思えない6660mAh電池
Magic V6の最大の見どころは、ブック型折りたたみ機としては群を抜く6660mAhのバッテリーです。前世代の「Magic V5」は5820mAh、競合のSamsung「Galaxy Z Fold 7」は4400mAhですから、電池容量では頭ひとつ抜けています。第5世代のシリコンカーボン電池を採用し、シリコン含有率は25パーセント、エネルギー密度は921Wh/Lに達します。HONORによれば、開いた状態の内側ディスプレイでTUV Rheinlandの24時間連続動作テストをクリアしたとのことです。
容量を増やしながらも、本体は厚みに跳ね返っていません。開いた状態の厚さは4.0mm、最軽量の仕上げで重さは219gに収まります。充電は有線80W、ワイヤレス66Wに対応し、大容量電池を素早く満たせる設計です。折りたたみ機では電池持ちを妥協しがちでしたが、その常識に挑む構成といえます。
折りたたみ機で初のSnapdragon 8 Elite Gen 5
心臓部には、折りたたみ機として初となるQualcommの「Snapdragon 8 Elite Gen 5」(3nmプロセス)を搭載します。折りたたみだからと処理性能で妥協せず、通常のハイエンドスマートフォンと張り合える位置づけです。OSはAndroid 16をベースにした「MagicOS 10」で、半透明を取り入れた新しいデザインや、iPhone・Macとの連携強化が図られています。
2枚の画面はいずれもLTPO2パネルで、開いても閉じても使い勝手が変わらないよう配慮されています。内側は約7.95インチで最大120Hz表示、ピーク輝度は5000ニトに達します。外側のカバー画面は約6.52インチで、こちらも120Hz対応、ピーク輝度は6000ニトです。欧州での構成は、メモリー16GB、ストレージ512GBの1種類に絞られています。
カメラと、折りたたみ機では異例の防水性能
カメラは、約5030万画素(F1.6)のメインにOIS(光学式手ブレ補正)を備え、約5030万画素の超広角、約6400万画素のペリスコープ望遠(光学3倍、1/2インチセンサー、CIPA6.5段の手ブレ補正)を組み合わせた3眼構成です。内側・外側それぞれに約2000万画素のインカメラも配置します。折りたたみ機にありがちな控えめなカメラではなく、通常の旗艦機に近い布陣です。
堅牢性も見どころで、防塵・防水はIP68とIP69の両方に対応します。高圧・高温の水流にも耐える等級で、ブック型折りたたみ機でこの2つをそろえるのは異例です。画面には引っかき傷に強い「NanoCrystal shield」を採用し、ヒンジは50万回の開閉に耐える設計とされています。さらに、EU・英国で販売されるMagicシリーズには、7年間のOSアップグレードとセキュリティー更新が約束されています。長く使う前提の製品であることが伝わる内容です。
価格と発売情報
欧州での希望小売価格は、ユーロ圏が2,299.99ユーロ(約42万円)、英国が1,999.99ポンド(約43万円)です。ただし発売直後は、実際に支払う額はこれより大きく下がります。HONORは600ユーロ分の割引クーポンを用意しており、これを使うとユーロ圏の価格は1,699.90ユーロ(約31万円)まで下がります。クーポンは7月末までの期間限定です。ドイツではこの導入価格に加えてタブレット「HONOR Pad 10」と24カ月分の画面保証が付き、英国やそのほかの地域でもイヤホンやタブレットなどの特典が用意されています。
なお、HONORは北米では正式に販売しておらず、米国での正規価格は設定されていません。日本での発売も、現時点では公式な案内が出ていません。
※為替レート(2026年7月3日時点):1ユーロ=184円、1英ポンド=215円
まとめ
Magic V6は、6660mAhの大容量電池とIP68/IP69の防水性能という、折りたたみ機の弱点だった部分を強みに変えてきた1台です。折りたたみ機で初のSnapdragon 8 Elite Gen 5や7年間のOS更新も備え、通常の旗艦機に近い完成度を目指しています。欧州での価格はユーロ圏で2,299.99ユーロ(約42万円)からですが、7月末までは割引クーポンで約31万円まで下がります。日本での展開は未定ですが、折りたたみ市場の水準を引き上げる意欲的なモデルといえます。
