DJIが、手のひらサイズのジンバルカメラ「Osmo Pocket 4P」を発表し、まず中国で予約受付を始めました。最大の進化点は、1型センサーの広角カメラに60mm相当の中望遠カメラをもう1基組み合わせた、シリーズ初のデュアルメインカメラ構成です。これにより光学3倍ズームに対応し、明暗差に強い広角と寄れる望遠を1台で使い分けられるようになりました。標準セットの価格は3799元(約9万円)です。

広角と中望遠の2眼で「寄れる」ジンバルへ

Osmo Pocket 4P最大の特徴は、独立した中望遠カメラを搭載した点です。これまでのポケットジンバルは広角1眼が基本で、遠くの被写体を大きく写すにはデジタルズームに頼るしかありませんでした。今回は専用の望遠レンズを積むことで、画質の劣化を抑えたまま被写体に寄れます。

ズームは光学3倍に加え、画素を活かした6倍のロスレスズーム、さらにデジタル併用で最大12倍まで対応します。レンズ構成は、広角が20mm相当でF2.0、中望遠が1/1.28型センサーの60mm相当でF1.8。広角で風景や自撮りを広く収めつつ、望遠でステージや街並みの一部を切り取るといった撮り分けが、本体だけで完結します。

最大17段のダイナミックレンジとD-Log 2記録

広角メインカメラにはLOFICを採用しました。LOFICは、画素から溢れた電荷を別の容量にためて扱う仕組みで、明るい部分の白飛びを抑えやすくする技術です。これにより最大17段という広いダイナミックレンジを実現し、逆光や明暗差の激しいビル街でも、ハイライトとシャドウの両方の階調を残しやすくなっています。

色の記録面では、広角側がD-Log 2と10bitに対応します。D-Log 2は編集を前提に階調情報を多く残す記録形式で、10億色を超える色数を扱えます。中望遠側も10bitのD-Log記録に対応しており、2眼それぞれで本格的な色調整がしやすい設計です。

4K/240fpsスローと進化した被写体追尾

動画は通常撮影で最大4K/60fpsに対応します。スローモーションは広角側が最大4K/240fps、中望遠側が最大4K/200fpsまで撮影でき、なめらかな超スロー表現を高解像度のまま残せます。静止画は最大3700万画素です。

手ブレ補正は3軸メカニカルジンバルが担い、被写体追尾機能はActiveTrack 8.0へと進化しました。歩きながらの撮影でも被写体を画面内に保ちやすく、12倍ズーム時でも追従が効くとされています。背面には2型の回転式タッチスクリーンを備え、最大1000nitの輝度で屋外でも構図を確認しやすい仕様です。

ストレージや充電まわりの基本仕様

内蔵ストレージは103GBを確保し、microSDカードで最大1TBまで拡張できます。データ転送はUSB 3.1に対応し、最大800MB/sの高速転送が可能なため、撮影後の吸い出し待ちが少なく済みそうです。

電池は1545mAhで、動作時間は最大210分。別売りの65W充電器を使えば、18分で80パーセントまで回復できるとしています。通信はWi-Fi 6とBluetooth LE 5.4に対応し、本体重量は230gに収まっています。ポケットに収まるサイズ感を保ちつつ、2眼化と高速転送まで詰め込んだ構成です。

価格と発売

価格は、標準セットが3799元(約9万円)、Vlog向けのアクセサリーを含むVlogセットが4299元(約10万2000円)です。現時点では中国で予約受付が始まった段階で、日本国内での価格や発売時期は明らかにされていません。

※1元=約23.7円換算(2026年6月17日時点)

まとめ

Osmo Pocket 4Pは、ポケットジンバルの弱点だった望遠を、専用の中望遠カメラとして正面から補ったモデルです。光学3倍ズーム、最大17段のダイナミックレンジ、4K/240fpsのスロー、ActiveTrack 8.0による追従と、撮影の幅を広げる要素がそろっています。日本での展開はまだ未定ですが、1台で広角から望遠までこなせる小型カメラを探している人にとって、有力な候補になりそうです。