Appleは2026年6月25日(日本時間)、Mac、iPad、Apple Vision Proを中心とした幅広い製品の販売価格を改定し、値上げを実施しました。本体価格だけでなく、注文時にメモリやストレージ(SSD)の容量を増やすカスタマイズ(CTO)の料金も上昇しています。背景にあるのは、生成AI需要の拡大による半導体(メモリ・ストレージ)の世界的な供給不足です。今回の値上げは日本国内にとどまらず、世界規模で実施されました。

値上げの対象はMac・iPad・Vision Pro、iPhoneは据え置き

今回価格が改定されたのは、Mac、iPad、Apple Vision Proの主要3カテゴリーに加え、HomePod、HomePod mini、Apple TV 4Kなどです。一方で、iPhone、Apple Watch、AirPodsは今回の対象から外れ、価格が据え置かれました。

Appleが日本国内でこれだけ広範囲の価格改定を行うのは、2022年7月以来です。当時は円安を主な理由とした見直しでしたが、今回はメモリとストレージの部材コスト上昇が主な要因となっています。

Macの新価格──MacBook Proは60,000円の上昇

Macは全モデルで値上げが実施されました。主要モデルの値上げ前後の価格(税込・最小構成の「〜から」表記)は次のとおりです。

  • MacBook Neo:99,800円 → 119,800円(20,000円増)
  • MacBook Air(13インチ):184,800円 → 224,800円(40,000円増)
  • MacBook Pro(14インチ):279,800円 → 339,800円(60,000円増)
  • iMac:198,800円 → 249,800円(51,000円増)
  • Mac mini:124,800円 → 134,800円(10,000円増)

値上げ幅はモデルによって差があり、Mac miniが10,000円にとどまる一方、Mac Studioは328,800円から419,800円へと91,000円上昇し、Mac製品で最も大きな上げ幅となりました。

10万円を切る価格設定だったMacbook neo も119,800円からの価格へ変更に。学割も10万円を超える価格に。

iPad・Vision Pro・HomePodも改定

iPadも幅広いモデルで値上げされました。エントリーモデルのiPad(128GB)は58,800円から74,800円へ16,000円上昇。iPad mini(128GB)は78,800円から99,800円へ、iPad Air(128GB)は98,800円から129,800円へ、iPad Pro(256GB)は168,800円から209,800円へと、上位モデルほど上げ幅が大きくなる傾向が見られます。

Apple Vision Proは599,800円から649,800円へと50,000円の値上げです。このほか、HomePod miniが14,800円から22,800円へ、Apple TV 4K(Wi-Fiモデル)が19,800円から34,800円へと、小型の周辺機器でも大きな上げ幅となりました。

本体だけでなく「メモリ・SSD増設」も値上がり

今回の改定では、本体の販売価格に加えて、注文時にメモリ(ユニファイドメモリ)やストレージ(SSD)の容量を増やすカスタマイズ料金も引き上げられました。

現行のMacは購入後にメモリやSSDを増設できない設計のため、容量を増やしたいユーザーは注文時に上位構成を選ぶ必要があります。基本構成の価格上昇に加えてカスタマイズ料金も上がったことで、メモリやストレージを多く積む構成ほど負担が大きくなる仕組みです。

例えば、MacBook Pro16インチを標準の24GBから48GBに増設するには+108,000円、さらに48GB→64GBは+72,000円と、大きな差になっています。

背景にあるのはAI需要と半導体不足

値上げの背景には、生成AIの普及によるメモリ(DRAM)とストレージ(NAND)の世界的な供給不足があります。AIサーバーやデータセンター向けに大量のメモリチップが消費され、SAMSUNGやSK hynixといった大手メーカーが一般向けの生産ラインをAI向けに振り向けた結果、PCやタブレット用の部材が不足し、調達価格が上昇しています。

調査会社IDCは、2026年にPCやスマートフォンの平均販売価格が最大8%上昇する可能性があると分析しています。

また、調査会社Omdiaは、メモリ価格の上昇がApple製品で約150ドルの価格上昇要因になりうるとの見方を示しています。

AppleのティムクックCEOは2026年6月17日のインタビューで、部品コストの上昇を理由に製品の値上げは避けられないとの考えを示しており、今回の改定はその発言に沿った形となりました。値上げは日本国内にとどまらず、中国や韓国など世界各国でも実施されています。

iPhoneが対象外の理由と今後の見通し

iPhoneやApple Watch、AirPodsが今回据え置かれた背景には、2026年秋に予定される新型iPhone(iPhone 18系)の発表があるとみられています。新モデルの発表に合わせて価格が設定される見通しで、上位のストレージモデルでは100〜200ドル程度の値上げが予想されています。

部材価格の高騰が短期間で解消する見込みは立っておらず、当面はこの新価格が購入時の基準になりそうです。

まとめ

2026年6月25日に実施されたApple製品の値上げは、Mac・iPad・Vision Proを中心に、本体価格とカスタマイズ料金の両方に及びました。背景にあるのはAI需要の拡大による半導体不足で、値上げは世界規模で行われています。iPhoneなどは今回据え置かれましたが、今後の動向には引き続き注意が必要です。

※本記事の価格はApple公式ストアおよび各報道に基づく2026年6月25日時点のものです。構成やキャンペーンにより実際の金額は変わる場合があります。購入前にApple公式ストアの最新情報をご確認ください。