xAIは2026年9月21日、AIモデルの最新版「Grok 4.7」を公開しました。コーディングや専門的な知識作業、数時間かかるような複雑な推論タスクへの対応力を高めた新モデルで、トークン単価は前バージョンから据え置かれています。開発環境や自社アプリなど幅広いサービスへ即日展開されており、競合モデルとのベンチマーク比較でも着実な伸びを見せています。

基盤モデルを大規模化、学習データも拡充

Grok 4.7は基盤モデルのパラメータ数を大幅に拡大し、数時間にわたる難易度の高い問題を用いた強化学習を長期間かけて実施したとされています。あわせて、自己検証の精度や長い文脈を扱う能力の向上にも重点が置かれました。学習データには、自社の宇宙開発事業で得られた工学系の記録も組み込まれており、物理的な仕組みが絡む問題への対応力強化に役立てられているといいます。

料金体系は前バージョンから変更されておらず、入力100万トークンあたり2ドル(約320円)、出力100万トークンあたり6ドル(約950円)に据え置かれました。より高速に応答する上位プランも用意されており、こちらは出力速度が2倍になる一方、料金も2倍に設定されています。

コーディング・専門分野のベンチマークで着実に前進

性能面では、コーディング能力を測る複数のベンチマークで前バージョンからの明確な伸びが確認されています。ソフトウェア開発タスクを評価する指標では、前バージョンから大きく数値を伸ばし、競合の一部モデルを上回る結果を記録しました。電気工学分野の評価や、法律分野のAIエージェント評価でも数値が改善しています。

企業向けのエージェント評価においても得点を伸ばしており、大幅なスコア向上が確認できました。もっとも、一部の評価軸では他社の最上位モデルにわずかに及ばない結果も出ており、フロンティアモデル同士の競争は依然として僅差の争いが続いている状況です。開発元は今後投入予定の後継モデルで、さらなる性能向上を目指す方針を示しています。

安全対策を刷新、開発ツールや車載アシスタントにも展開

今回のアップデートでは、安全性に関わる仕組みも刷新されました。生物学的リスクに関する評価では高い水準のスコアを記録したほか、サイバーセキュリティ関連の内部評価でも、正当なセキュリティ研究用途の利用を妨げずに危険な用途のプロンプトの大部分を防いだとされています。一部のセキュリティ関連パートナーには、防御研究向けのレッドチームツールが招待制で提供される予定です。

提供範囲も広く、待機リストなしで開発支援ツールやAPI経由での利用が可能になったほか、専用アプリやSNSサービス、車載音声アシスタントといった既存のサービスにも組み込まれています。

まとめ

xAIが公開した「Grok 4.7」は、基盤モデルの大規模化と学習データの拡充により、コーディングや専門的な知識作業への対応力を高めた新モデルです。料金は前バージョンと同水準に据え置かれつつ、複数のベンチマークで性能向上が確認されており、開発支援ツールから車載アシスタントまで幅広い場面での活用が見込まれます。今後投入が予定されている後継モデルで、AI開発競争がどのように進んでいくのか注目されます。

※1ドル159円換算(2026年9月25日時点)