Google が2026年8月27日、検索の AI モードに旅行まわりの機能を3つ追加しました。チャットの流れのまま航空券の値下がりを見張らせたり、ポイントやマイルでの必要数を確認したり、ホテルの予約までその場で済ませたりできます。検索が「調べる場所」から一歩踏み出した格好です。

会話の途中で価格アラートを仕掛けられる

まず入ったのが、Google フライトでおなじみの価格追跡です。行き先と日程を言葉で伝えると、300社を超える提携航空会社・旅行サイトの最新価格から候補が並びます。

そのうえで「この便の価格を追跡して」と頼めば、あとは値動きがあったときにメールが届きます。従来はフライト検索の画面まで移動してトグルを操作する必要がありましたが、その往復が消えたわけです。旅程の相談をしている最中に思いついたことを、そのまま設定に落とし込める点が実用的でしょう。

提供範囲は180を超える国と地域です。ただし欧州経済領域(EEA)の国と地域は対象外とされています。日本語の AI モードは2025年9月から使えるようになっているので、国内から触れる機能ということになります。

なお、実際の購入は従来どおり航空会社のサイトや普段使っている予約プラットフォームで行います。AI モードの中で決済まで完結するわけではありません。

ポイントやマイルでの必要数がその場で出る

2つ目は、特典利用の必要ポイント数・マイル数の表示です。「アトランタからマイアミまで American Airlines のマイルで行きたい」といった聞き方をすると、条件に合う便と、それぞれに必要なマイル数が返ってきます。ホテルも同じ考え方で、滞在先と日程を伝えたうえで、使いたいプログラムのポイント数を尋ねる形です。

数値は提携先から直接受け取った最新データが元になっているとされています。マイル修行や特典枠の空き探しをしたことがある人ほど、この手の情報を横断で見る面倒さは分かるはずです。会員サイトを1つずつ開いて空席カレンダーを睨む作業が、質問1回に置き換わる可能性があります。

開始時点で対応しているのは Alaska Airlines / Hawaiian Airlines、American Airlines、Choice Hotels International、Hilton、Wyndham Hotels & Resorts の5プログラムです。数週間のうちに Accor、Flying Blue、Hyatt、LATAM Airlines、Lufthansa Group が加わる予定とされています。この機能自体はグローバル提供ですが、EEA では一部が使えないと注記されています。

顔ぶれを見ると北米系が中心で、日本の航空会社やホテルチェーンは現時点で入っていません。国内在住者にとっては、当面は海外渡航や外資系ホテルを絡めたときに効いてくる機能と考えたほうがよさそうです。

ホテル予約は米国から、決済はGoogle Payで

3つ目が、AI モード内でのホテル予約です。条件を伝えると宿泊先の候補が写真付きで並び、口コミや比較材料もそろった状態で提示されます。

気に入った宿が見つかったら、予約オプションの一覧から「Continue on Google」を選びます。あとは部屋タイプを選び、キャンセル規定などを確認して、Google Pay で決済する流れです。

ここで押さえておきたいのは、決済が Google で完結しても、記録上の販売者(merchant of record)はホテルまたは予約プラットフォーム側だという点です。カスタマーサポートも各社が担当します。トラブルが起きたときの窓口は従来と変わらない、という整理になります。

対象は米国・英語のみで、まずは段階的な展開です。提携先には Booking.com、Choice Hotels International、Expedia、Hilton、Hotels.com、IHG Hotels & Resorts、Marriott International、Priceline、Trip.com、Wyndham Hotels & Resorts が名を連ねています。オンライン旅行代理店の主要どころがほぼそろっており、Google が本気で予約導線を取りにきていることがうかがえます。

検索から先へ進ませない、という設計

3つの機能を並べてみると、方向性ははっきりしています。検索結果から外部サイトへ送り出すのではなく、会話の中で用事を終わらせるという設計です。

価格追跡はアラートの設定、ポイント表示は比較検討、ホテル予約は決済と、旅行の準備で発生する行動が段階的に AI モードの内側へ移されています。航空券の購入だけがまだ外に残っていますが、ホテルで決済まで踏み込んだ以上、そこも時間の問題という見方はできるでしょう。

一方で、旅行会社や比較サイトから見れば話は単純ではありません。予約が成立しても、利用者が最初に触れる画面は Google のものになります。提携先として名前が並ぶことと、顧客との接点を保つことは別の問題です。今回参加した各社がどこまで自社サイトへの導線を維持できるのか、しばらくは注視したいところです。

日本のユーザーにとっては、まず価格追跡が実際に使える機能になります。ポイント表示とホテル予約は対応プログラムや提供地域の広がり待ちですが、国内の航空会社やホテルチェーンが加わるかどうかで、体感的な便利さは大きく変わるはずです。

まとめ

Google は AI モードに、航空券の価格追跡、ポイント・マイルでの必要数表示、ホテル予約の3機能を追加しました。価格追跡は180以上の国と地域で使え、ポイント表示は5つのプログラムから開始、ホテル予約は米国・英語のみでの先行提供です。いずれも EEA では制限があります。会話しながら旅程を固め、その場で手続きまで済ませる流れが少しずつ形になってきました。旅行の準備でどこまで検索画面から出なくなるのか、次の展開が気になります。