コードを書かずにアプリを作れるツールとして知られるReplitが、Agentの新しい使い方「Free Mode」を発表しました。動かしているのはOpenAIのGPT-5.6 Lunaです。チャットや相談、ちょっとした分析といった日々のやり取りでは使用クレジットが減らなくなり、月額サブスクリプションの範囲内で作れる量が大きく広がります。公開は2026年8月19日でした。

クレジット残量を気にする時間がなくなります

AIで何かを作ろうとするとき、実際に手を動かしている時間よりも、周辺の管理に取られる時間のほうが長くなることがあります。どのモデルを選ぶか、文脈をどう渡すか、そして残りの使用量はいくつか。Replitはこの3つ目に手を入れました。

Free Modeでは、質問への回答、アイデアへのフィードバック、提案、プロジェクトの分析といった動作がクレジットを消費しません。Agentは進行中のプロジェクトの文脈をまるごと把握しているため、構想を練る段階から同じ画面の中で相談でき、そのまま実装へ移れます。別のAIツールで壁打ちしてから内容を貼り直す、という往復が消えるわけです。

Replitは、この変更によってCoreプランの利用者が従来の30倍作れるようになると説明しています。チャットは月に最大30時間まで。Coreの価格は月額20ドル(約3,200円)です。

※1ドル159円換算(2026年8月24日時点)

重い処理は別のモードへ、切り替えは向こうから提案されます

もちろん、すべてがFree Modeで完結するわけではありません。使用量には上限があり、こちらは5時間ごとにリセットされます。上限に達した場合や、扱う作業がFree Modeの想定を超えた場合には、別のモードへ移ることになります。上位のProプランでは、Coreよりも大きな上限が設定されています。

用意されているモードは2つです。Power Modeは従来Economy Modeと呼ばれていたもので、コストを抑えたモデルを使い、速度と品質のバランスを取ります。Replitによれば、以前のEconomy Modeと同じコストで同等以上の性能が得られるとのことです。もう1つのMax Modeは高性能なモデルを使い、規模の大きな変更や深い推論、長時間のビルドに向いています。

高度な推論が必要な処理については、GPT-5.6 Solへ振り分けたうえで、処理が済んだらGPT-5.6 Lunaに戻る動きも取ります。このときプロジェクトの文脈は保たれるため、モードをまたいでも会話が途切れません。切り替えが必要な場面ではAgent側から提案が出るので、知らないうちに高い方のモードで走り続けていた、という事態は避けられる設計です。

画面も作り直されました

今回の発表には、UIの刷新も含まれています。簡単なチャットや小さなタスクから、複雑なビルドまでを1つの画面でつなぐという方向性で、質問、データ分析、デザイン、実装が地続きになるよう整理されました。日々の作業を始める場所そのものをReplitに置いてもらう、という狙いがうかがえます。

値下げが可能にした無償枠

Free Modeが成立した理由は、技術というより経済的な条件の変化にあります。OpenAI側は、GPT-5.6シリーズの価格性能と直近の値下げが、この規模の提供を可能にしたと位置づけています。ReplitのAmjad Masad共同創業者兼最高経営責任者も、値下げによって数百万人規模のユーザーにFree Modeを届けられるようになったと述べています。

モデルの単価が下がると、これまで採算が合わなかった使い方が現実的な選択肢になります。今回のFree Modeは、その変化がエンドユーザーの手元にどう届くかを示した分かりやすい例と言えるでしょう。ReplitはGPT-3の時代からOpenAIのモデルを使ってきた古参の開発元で、両社とも「技術的な背景を問わずソフトウェアを作れるようにする」という目標を掲げてきました。

なお、名前は「Free Mode」ですが、無料で誰でも使える機能ではありません。CoreまたはProの有料プランに加入していることが前提で、その中で追加のクレジットを消費せずに使えるモード、という位置づけです。

まとめ

ReplitのFree Modeは、GPT-5.6 Lunaを使って日常的なやり取りをクレジット消費の外に出す仕組みです。Coreプランで月30時間のチャットが使え、作れる量は従来の30倍と説明されています。重い処理はPower ModeやMax Modeに移り、必要に応じてGPT-5.6 Solへ振り分けられます。モデルの値下げが、そのまま利用者の使える量に変換された格好です。