イーロン・マスク氏は10月4日、SpaceXのAI部門「SpaceXAI」を「SpaceXSI」に改称すると、X上で明らかにしました。トランプ米大統領が9月29日に出した大統領令で、連邦政府の公文書などで「AI」ではなく「Super Intelligence(SI)」を使うよう求めたことを受けた動きです。改称の時期はまだ示されておらず、AI業界の呼び名そのものが政治の影響で揺れ始めています。

マスク氏の発言

Xでユーザーから「SpaceXAIはSpaceXSIになるのか」と尋ねられたマスク氏は、「Yes, we will make that change.」と返信しました。これに先立ち、「No more AI. SI, it's better.」とも投稿しており、今後は「AI」という言葉を使わない考えを示しています。

SpaceXAIは、対話AI「Grok」などを手がけるSpaceXのAI部門です。報道の時点では、新しい名称の導入日やロゴなどの詳細は公表されておらず、Xのアカウント名も従来のままだったと伝えられています。

発端となった大統領令

背景にあるのは、9月29日に署名された大統領令「Inaugurating the Era of Super Intelligence」です。連邦政府の行政機関に対し、公式の書簡や声明、政策文書で「Artificial Intelligence」「AI」の代わりに「Super Intelligence」「SI」を使うことを求める内容とされています。

一方で、すでに成立している議会の法律の文言を変えるものではありません。また、そもそも「スーパーインテリジェンス」とは何を指すのかという正式な定義は大統領令には含まれておらず、大統領の科学技術担当補佐官に定義の検討を任せる形になっています。

呼び名を変えることの意味

スーパーインテリジェンス(超知能)は、もともと人間の知能を大きく上回るシステムを指す学術用語です。マスク氏は以前から、哲学者ニック・ボストロム氏の2014年の著書『Superintelligence』を推奨するなど、この言葉に親しんできた経緯があります。

ただ、現在の製品が本当に「超知能」と呼べる水準にあるのかは別問題です。今回の改称は技術的な区分の変更ではなく、政権の方針に合わせたブランディングの色合いが濃いと見られます。大統領令と同じ9月29日には、AI大手6社がホワイトハウスで自主的な安全対策に署名する動きもあり、政府と企業の距離の近さも改めて浮き彫りになりました。

まとめ

SpaceXAIからSpaceXSIへの改称は、現時点ではマスク氏のX上の発言に基づく情報で、具体的な時期や運用はまだ不明です。呼称が変わっても、Grokなどの製品やサービスの中身がすぐに変わるわけではありません。他のAI企業が追随するのか、日本を含む各国の行政や報道がどう扱うのかも含め、続報を待つ段階です。