オンライン語学学習マーケットプレイス大手のPreplyが、OpenAIのAPIを活用した学習支援機能「Lesson Insights」の取り組みと成果を公開しました。マンツーマンレッスンの内容をAIが解析し、文法や発音の個別フィードバックと宿題を自動生成する仕組みで、英語学習者の75パーセントが利用し、満足度は5点満点中4.7と高い評価を得ています[1]。

レッスン終了の数分後にAIレポートが届く「Lesson Insights」

Preplyは、10万人を超える講師と180か国以上の学習者をつなぐ世界最大級のオンライン語学学習マーケットプレイスで、90以上の言語のマンツーマンレッスンを提供しています[1]。語学学習は会話や動機付け、文化理解といった人間的な要素が中心にある一方、講師は学習計画やレッスンノートの作成といった反復的な事務作業を抱えがちで、学習者の側も「自分は上達しているのか」という進捗の実感を求めていました[1]。

そこでPreplyが開発したのが、OpenAI APIを基盤とするLesson Insightsです。レッスンは同社のオンライン教室「Preply Classroom」上で行われ、学習者の同意を得たうえで録画・文字起こしされます。解析はセッション終了の数分前にスケジュールされるため、レッスンが終わる頃にはフィードバックの準備が整っており、数分以内に学習者と講師のチャットスレッドへ構造化されたレポートが届く流れです[1]。

レポートには、レッスンの主要トピックの要約、文法の修正と解説、語彙のハイライトと翻訳、発音のフィードバック、推奨される次のステップが含まれます[1]。さらにこの解析結果はPreplyの自習用演習エンジンに直接連携され、レッスン内容に基づいた個別最適化の宿題が自動生成されます[1]。人間のレッスンを起点に、復習から次の練習までが途切れずつながる設計ですね。

学習者の75パーセントが利用、1年後も使い続ける定着ぶり

公開された数値を見ると、Lesson Insightsは一時的な目新しさにとどまらず定着しているようです。英語学習者の75パーセントが実際に利用し、講師側も70パーセント超が活用しています。導入から1年以上経過しても約75パーセントのアクティブ学習者が使い続けており、プラットフォーム上で寄せられた30万件超の評価による満足度は5点満点中4.7に達しました。プロダクトマーケットフィットスコアも、強い顧客需要の目安とされる水準を大きく上回る70パーセントを記録しています[1]。

講師側の負担軽減も具体的です。講師のMichelle Garcia Ramos氏は、以前は授業準備や宿題作成に何時間もかけていたものの、Lesson Insightsの利用後はその時間が半分以下になったと述べています。効率化だけでなく、AIが学習者ごとの注力ポイントや教材のアイデアを提示してくれるため、レッスンそのものの質も上げやすくなったとのことです[1]。

社内でも全面活用 エンジニアの94パーセントがCodexを利用

PreplyはAIの活用を顧客向け機能に限定せず、社内にも徹底して広げています。ChatGPT Enterpriseを全社導入し、ニューヨーク、キーウ、ロンドン、バルセロナの600人を超える従業員に向けて研修を実施した結果、週間アクティブ利用率は60パーセントから95パーセントまで伸びました[1]。

開発面では、エンジニアの約94パーセントがCodexなどのAIコーディング支援をコード生成、プルリクエストのレビュー、デバッグに日常的に使っています。共同創業者兼CTOのDmytro Voloshyn氏は、Codexによってこれまでにない速度でコードを書けるようになり、エンジニアはアーキテクチャ全体の設計や顧客の課題解決により集中できるようになったと説明しています[1]。このほか、ブランドのトーンに沿ったコンテンツ作成を支援する「Brand Voice GPT」のようなカスタムGPTも日常業務に組み込まれているそうです[1]。

まとめ

Preplyの事例は、AIが人間の講師を置き換えるのではなく、反復的な事務作業を引き受けて人間が動機付けや会話に集中できるようにする、という役割分担を徹底している点が特徴です。レッスンの文字起こしからフィードバック、宿題生成までを自動でつなぐLesson Insightsは、学習者の75パーセントが使い続けるという数字でその価値を裏付けています[1]。語学学習アプリのAI活用というと講師の置き換えばかりが話題になりがちですが、人間のレッスンを軸にAIが復習を組み立てるこの方向性は、挫折しやすい語学学習との相性が良さそうです。

出典:https://openai.com/index/preply