AI開発企業のAnthropicは、Claudeと対話しながらデザインやプロトタイプ、スライド、1枚資料などを作れる新しいビジュアル制作ツール「Claude Design」を発表しました[1]。同社の研究開発部門であるAnthropic Labsによる製品で、まずはClaude Pro・Max・Team・Enterpriseの加入者向けにリサーチプレビュー(研究目的の先行公開)として提供されます[1]。デザインの専門知識がなくても、文章で指示するだけで最初の形を作り、そこから会話を通じて仕上げていけるのが特徴です[1]。
専門知識がなくてもビジュアルを形にできる
Anthropicは、Claude Designが発表時点で同社の最も高性能な画像認識モデル「Claude Opus 4.7」を基盤にしていると説明しています[1]。狙いは、デザインを試す手間を大きく減らすことにあります。
同社によれば、経験を積んだデザイナーであっても、検討にかけられる時間は限られており、本来なら試したい方向性のうちごく一部しか形にできないのが実情だといいます[1]。一方、アイデアはあってもデザインの心得がない創業者やプロダクトマネージャー、マーケティング担当者にとっては、頭の中にあるものを作って共有すること自体が高いハードルになります[1]。
Claude Designは、デザイナーには幅広く試せる余地を与え、それ以外の人にはビジュアルを生み出す手段を提供します[1]。使い方はシンプルで、必要なものを言葉で伝えるとClaudeが最初のバージョンを組み立て、そこから会話、要素ごとのコメント、直接の編集、あるいはClaudeが作る調整用のスライダーを使って思いどおりの形に近づけていきます[1]。チームの設計ルール(デザインシステム)へのアクセスを許可すれば、Claudeがそれを各プロジェクトに自動で適用し、社内のほかのデザインと一貫した仕上がりにもできるとしています[1]。
チームでの活用例
Anthropicは、すでにさまざまなチームがClaude Designを次のような用途で使っていると紹介しています[1]。
- インタラクティブなプロトタイプ:静的なモックアップを、共有しやすい操作可能なプロトタイプに変換し、コードレビューやプルリクエストなしでフィードバック収集やユーザーテストに使う
- 製品のワイヤーフレームとモックアップ:機能の流れを描き出し、実装のためにClaude Codeへ引き継いだり、デザイナーに渡してさらに磨き込んだりする
- デザインの探索:複数の方向性を素早く作り、幅広く比較検討する
- ピッチデックや各種プレゼン資料:大まかな構成から、ブランドに沿った完成度の高いスライドを短時間で作り、PPTXとして書き出したりCanvaへ送ったりする
- マーケティング素材:ランディングページやSNS向けの素材、キャンペーン用のビジュアルを作り、デザイナーが仕上げる
- 先進的なデザイン:音声や動画、シェーダー、3D、組み込みのAIを使った、コードで動くプロトタイプを誰でも作る
ブランド反映から書き出しまで、一連の流れを自動化
Claude Designは、制作の自然な流れに沿って設計されています[1]。
最初の準備段階では、Claudeがチームのコードベースやデザインファイルを読み取り、そのチーム専用のデザインシステムを構築します[1]。これ以降のプロジェクトでは、色やフォント(タイポグラフィ)、部品(コンポーネント)が自動で反映され、時間をかけてシステムを調整したり、複数のシステムを使い分けたりもできます[1]。
素材は幅広い形式から取り込めます。テキストでの指示から始めるほか、画像やDOCX・PPTX・XLSXといった文書をアップロードしたり、コードベースをClaudeに参照させたりできます[1]。自社サイトから要素を直接取り込む「ウェブキャプチャ」機能を使えば、プロトタイプを実際の製品に近い見た目にできるとしています[1]。
仕上げの段階では、特定の要素にコメントを付けたり、テキストを直接編集したり、調整用のつまみで余白や色、レイアウトをその場で変えたりできます[1]。変更内容はClaudeに頼んでデザイン全体へ反映させることも可能です[1]。完成したデザインは社内向けのURLとして共有するほか、フォルダとして保存したり、Canva・PDF・PPTX・単体のHTMLファイルとして書き出したりできます[1]。
そして実際に作り込む段階になると、Claudeが必要な情報を1つの引き継ぎ用パッケージにまとめ、ひとつの指示でClaude Codeへ渡せるようにします[1]。Anthropicは今後数週間のうちに、Claude Designと外部ツールとの連携を作りやすくしていく方針も示しています[1]。
提供対象とCanvaとの連携
Claude Designは、Claude Pro・Max・Team・Enterpriseの加入者が利用できます[1]。利用はプランに含まれており、加入中のプランの上限を使う形ですが、追加利用を有効にすれば上限を超えて使い続けることもできるとしています[1]。Enterprise(企業向け)の組織では初期状態でオフになっており、管理者が組織設定から有効にする必要があります[1]。利用は「claude.ai/design」から始められます[1]。
書き出し先のひとつであるCanvaは、Claude Designで作ったアイデアや下書きをCanvaに取り込み、その場で編集・共有できる素材として活用できるようにする考えを示しています[1]。
実際に使ったチームからは、効果を実感する声も寄せられています。あるチームは、ほかのツールでは20回以上のプロンプトが必要だった複雑なページを、Claude Designでは2回のプロンプトで再現できたとしています[1]。別のチームは、これまで指示書やモックアップ、複数回のレビューを行き来して1週間かかっていた作業が、1回の会話の中で終わるようになったと説明しています[1]。
まとめ
Claude Designは、文章での指示から最初の形を作り、会話で仕上げていくAnthropic Labsの新しいビジュアル制作ツールです[1]。デザインシステムの自動適用やCanva・PPTXなどへの書き出し、Claude Codeへの引き継ぎまでをひとつの流れでこなせる点が大きな特徴と言えるでしょう。まずはリサーチプレビューでの提供となるため、今後の対象拡大や外部ツールとの連携の広がりが注目されます[1]。
出典:https://www.anthropic.com/news/claude-design-anthropic-labs
