ソニーがフラッグシップスマートフォンの最新モデル「Xperia 1 VIII」を発表しました。発売は6月11日で、市場推定価格は23万6000円前後からです。「原石」をテーマにした新しいデザインをまといつつ、望遠カメラのセンサーを従来の約4倍へ大型化し、写真が苦手な人を支える「AIカメラアシスタント」を新たに搭載しました。ヘッドホンジャックやmicroSDカードスロットといった従来の使い勝手も引き継いでいます。

「原石」を表現した新デザインと4色のカラー

Xperia 1 VIIIは、Xperiaシリーズのフラッグシップに位置づけられる1台です。今回のモデルでは「ORE TEXTURE」と名付けられた新デザインを採用しました。ORE(オーア)は原石や鉱石を意味する言葉で、背面ガラスやアルミフレームの質感まで作り込み、手に取ったときの存在感を高めています。

カラーは、グラファイトブラック、アイオライトシルバー、ガーネットレッドの3色に、SIMフリーモデル限定のネイティブゴールドを加えた4色展開です。いずれも石や自然の産物を思わせる色味で、デザインのコンセプトとつながりを持たせています。

外観で目を引くのが、初代Xperia 1から続いてきた縦並びのカメラ配置が刷新された点です。センサーが大きくなったことに合わせた変更で、背面のカメラ部分はこれまでより主張のある見た目になりました。一方で、microSDカードスロット、3.5mmヘッドホンジャック、専用のシャッターボタンは今回も健在です。

カメラは望遠センサーを約4倍に拡大、RAW段階の処理も進化

カメラは3眼構成で、16mmの超広角、24mmの広角、そして70mmと140mmをカバーする望遠を備えます。全レンズで画質が底上げされましたが、今回の主役は望遠カメラです。センサーサイズは1/1.56型となり、前モデルと比べておよそ4倍に大型化しました。

センサーが大きくなった代わりに望遠の光学ズームは省かれましたが、4800万画素から切り出すことで140mm相当のズームを実現し、画質は従来モデルと遜色ない仕上がりだとしています。さらに、複数の画像を重ね合わせる処理をRAWの段階で行う「RAWマルチフレームプロセッシング」に対応しました。白飛びや黒つぶれを抑えつつ解像感を高められるため、暗い場所でもフルサイズ機のような質感を狙えるといいます。

接写についても扱いやすくなりました。これまでマニュアルフォーカスのみだったテレマクロ撮影が、瞳AFやタッチAFを含むオートフォーカスに対応します。専用モードを立ち上げなくても、写真や動画、プロモードなど各撮影モードからそのまま接写へ移れるようになりました。被写体の全景とクローズアップを同時に押さえる「オートフレーミング」も望遠レンズに対応し、光学2.9倍・デジタル5.8倍まで寄れるため、遠くの被写体でも表情まで捉えられます。

写真が苦手な人を支える「AIカメラアシスタント」

新機能として注目したいのが「AIカメラアシスタント」です。「うまく撮りたいけれど何から始めればいいか分からない」という写真初心者に向けた仕組みで、AIが認識したシーンに応じておすすめの表現を提案します。提案のベースには、ミラーレス一眼「α」にも搭載される色表現「クリエイティブルック」を用いており、カメラ任せでも作品づくりの幅を広げられる狙いです。

高性能なカメラは設定項目が多く、使いこなしの難しさが弱点になりがちです。撮影の入り口を平易にするこの機能は、フラッグシップの実力を多くの人に届けるうえで効きそうな一手だと言えるでしょう。

音と画面、そして長く使える設計

オーディオ面では本体スピーカーを刷新しました。スマートフォンは内部スペースの都合で左右のスピーカーサイズが異なるのが一般的ですが、Xperia 1 VIIIはXperiaシリーズとして初めて左右同サイズのスピーカーを搭載しています。新開発のスピーカーにより音量が上がり、低音域・高音域ともに臨場感が増したとしています。

3.5mmヘッドホンジャックも引き続き備え、デジタルオーディオプレーヤー「WALKMAN」の技術を受け継ぎます。Bluetooth接続でも、同社のワイヤレスイヤホン「WF-1000XM6」と組み合わせればほとんど音飛びせず、通話時には装着者の声を的確に拾えるといいます。

ディスプレイには、テレビ「BRAVIA」の技術が投入されました。明るさを自動調整する照度センサーを前面と背面に1つずつ備え、直射日光下でも暗い場所でも見やすい明るさに整えます。リフレッシュレートは1Hzから120Hzまで可変です。

電池まわりも長く使える設計です。バッテリー容量は5000mAhで、一定の条件下では2日間持つとされ、4年間使っても新品時の80パーセント以上の容量を保つといいます。発熱対策として熱拡散シートとベイパーチャンバーを内蔵しました。ソフトウェアの面でも、Android OSのバージョンアップを4回、セキュリティ更新を6年と、長期サポートを用意しています。

価格と発売日、主なスペック

Xperia 1 VIIIは6月11日に発売されます。市場推定価格は構成ごとに分かれており、12GB/256GBモデルが23万6000円前後、12GB/512GBモデルが25万2000円前後、16GB/512GBモデルが26万9000円前後、16GB/1TBモデルが30万円前後です。

本体サイズは162×74×8.3mmで、重さは200gです。ディスプレイは約6.5インチでアスペクト比は19.5対9、チップセットはQualcomm製の「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を搭載します。SIMフリーモデルは5Gのミリ波通信にも対応します。純正アクセサリーとして、本体の質感が伝わる半透明デザインの「Style Cover with Stand for Xperia 1 VIII」も用意され、市場推定価格は5500円前後です。

まとめ

Xperia 1 VIIIは、原石をテーマにしたデザインを軸に、望遠センサーの大型化とRAW段階での画像処理でカメラ性能を磨き、初心者向けのAIカメラアシスタントで使いこなしの難しさにも踏み込んだモデルです。ヘッドホンジャックやmicroSD、長期サポートといった「使い続けやすさ」を残した点も、フラッグシップを長く愛用したい人にとって心強いポイントになりそうです。