ソニーの未発表スマートフォンとみられる3つの型番が、GSMAのIMEIデータベースに登録されていることが分かりました。型番はXQ-HH44、XQ-HH54、XQ-HH74の3種類で、いずれもXperia 1シリーズの命名規則に沿っています。登録は2026年8月の初旬で、次期フラッグシップにあたるXperia 1 IXの準備が既に動き出していることを示す内容です。日本向けとみられるモデルには、衛星通信に関する記載も確認されています。
3つの型番は仕向け地違い
IMEIデータベースに現れたのは、XQ-HH44、XQ-HH54、XQ-HH74の3つです。Xperia 1シリーズはこれまでも、日本向け、欧州向け、その他地域向けという形で複数の型番を用意してきました。今回もその慣例どおりで、XQ-HH44が日本市場、XQ-HH54が欧州市場、XQ-HH74が中華圏を含むそれ以外の市場に割り当てられるとみられます。
それぞれには社内向けの開発コードも併記されています。XQ-HH44がPM-1545-BV、XQ-HH54がPM-1540-BV、XQ-HH74がPM-1541-BVです。PM始まりの符号はソニーが端末の開発段階で使う識別子で、認証機関やデータベースの登録情報から先に表に出てくることがあります。
型番の「H」が指す年式
ソニーのスマートフォンの型番には、世代を表す文字が含まれています。XQ-HH44であれば、先頭に置かれた「H」が2027年モデルを意味するとされ、ここから今回の3機種が2027年に投入される世代のものだと読み取れます。直近のXperia 1 VIIIは2026年モデルにあたるため、その次の世代、すなわちXperia 1 IXに相当する可能性が高いという見立てです。
もう1つ注目されているのが型番末尾の数字です。末尾の「4」はeSIM対応を示すと解釈されており、3機種すべてがこの条件を満たしています。中でも日本向けのXQ-HH44については、物理SIMを廃してeSIM専用になるのではないかという見方が出ています。ただしこれは型番からの推測にとどまり、ソニーが仕様を明らかにしたわけではありません。
日本版にだけ付いた衛星通信の記載
今回の登録情報で日本向けモデルだけに見られたのが、3GPPの衛星通信規格に対応するという記述です。3GPPは携帯通信の標準規格を策定する団体で、近年は基地局が届かない場所でも衛星経由で通信できる仕様の整備を進めてきました。この規格に準拠するということは、圏外の状態でも衛星を使って緊急連絡ができる、いわゆる衛星SOS的な機能が想定されている可能性があります。
災害時の連絡手段が課題になりやすい日本で、日本向けモデルにだけこの記載が付いた点は示唆的です。もっとも、データベース上の対応表記が製品の機能としてそのまま提供されるとは限らず、実際にどの範囲まで使えるのかは正式発表を待つ必要があります。
登録が早いことは発表の前倒しを意味しない
Xperia 1シリーズの過去の登録時期を並べると、Xperia 1 VIIIは2025年11月、Xperia 1 VIIは2024年10月にそれぞれ同じデータベースへ登録されていました。今回のXperia 1 IXは2026年8月の登録なので、時期としては例年より数か月早いことになります。
ただ、この早さがそのまま発表の前倒しにつながるとは限りません。IMEIの割り当ては規制対応や生産計画の都合で先に進めることがあり、登録の時点で発売時期が確定しているわけではないためです。実際、現時点ではチップセットやカメラ、バッテリー容量といった中身の情報は一切出ていません。
一方で、スマートフォン市場でのソニーの出荷規模を考えると、この段階で次世代機の登録が済んでいること自体に意味があります。事業縮小の観測が繰り返し語られてきたなかで、Xperia 1という高付加価値ラインを来年も続ける前提で開発が進んでいる、という材料になるからです。
なお、価格については不安要素も残ります。DRAMをはじめとするメモリの需給が逼迫しており、部品コストの上昇がスマートフォン全体の価格を押し上げる流れが続いています。Xperia 1 IXが登場する頃にも、この影響が残っている可能性は否定できません。
まとめ
XQ-HH44、XQ-HH54、XQ-HH74の3型番がIMEIデータベースに登録され、ソニーの次期フラッグシップとみられるXperia 1 IXの存在が浮かび上がりました。型番から読み取れるのは2027年モデルであることとeSIM対応で、日本向けのXQ-HH44には3GPPの衛星通信規格への対応が記載されています。中身のスペックはまだ何も出ていませんが、Xperia 1シリーズが来年も続く見通しが立った点は、日本のユーザーにとって明るい材料と言えます。
