今から20年前、スマホがまだ無かった時代のデジタルカメラを入手したので撮影に出かけてきました。
カメラの名前は「MVC-73K」。SONYのデジタルスチルカメラの Digital Mavica シリーズで、発売日は1999年5月20日です。
中にはこのカメラで2000年への年越しの瞬間を撮られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
主な仕様は下記の通りです。

上位機種のFD-83Kなどでは動画も記録出来ますが、今回入手したものは最下位モデルなので動画の機能は付いていません。
35万画素と、今となってはWebカメラにすら勝てない画素数ですが、その代わりに強力な光学10倍ズームが付いています。
お値段は74,800円と、現代からするとデジカメにしてはそこそこ高いかな?という印象。
ちなみに iPhone 11 と全く同じ価格です。
同じ金額で通話もネットもゲームも出来て写真も撮れると考えると20年分の進化は凄まじいものがありますね。
記録メディアはフロッピーのみ!

記録メディアは、今では珍しい3.5インチフロッピーのみに対応しています。
SONY製のカメラですが、メモリースティックにすら対応していません。
今では主流となっているSDカードは、1999年8月25日に開発・発表されたため(Wikipedia より)このカメラが発売された頃には、なんとまだギリギリで市場に出回っていないのです。
この時代にはフロッピーが一番安く、一般に広く出回っているメディアだったため採用されたのでしょうね。
フロッピー自体は、2011年を最後にSONYが生産を終了しているため、もう供給されることはありませんが、広く普及したメディアという事もあり2020年現在でも Amazon から新品を購入することが可能でした。
商品情報を取得できませんでした。
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2025年2月8日追記:2025年でも買えるとは思いませんでした
しかしながら128GBのUSBメモリが買えるぐらいのお値段なので、古い骨董品の割には高く感じてしまいます。現代では古い機器を使う時にしか利用する機会が無いといっても良いのではないでしょうか。
カメラにはこのように本体横から差し込んで使います。

カメラにFDDが搭載されているなんてびっくりですね。
しかしその割には本体が小さく感じられます。
ちなみに一枚のフロッピーには18枚ほどの写真が保存できます。(NORMALモードでFINE画質設定時)

フロッピーを入れたら撮影が可能になります。
当時の技術力の結晶を確かめに行きましょう!
結構豊富な撮影メニュー

本体裏にはこの様にボタンがいっぱいです。
明るさ調整・フラッシュ・プログラムオート、そしてフィルターの設定が可能となっています。
フィルターをかけるとモノクロ・セピア風の写真が撮れたり、プログラムオートを設定すると風景・人物の撮影用に自動調整してくれます。
余談ですが、小型化を今ほど追求していないためか、ボタンの位置が分かりやすく、現代のカメラより使いやすかったです。進化とは何でしょうか。
メニューからは記録方式の選択も可能です。

NORMAL だと普通に写真が撮れます。
E-MAIL にすると通常の写真とは別に、メール添付用のとても小さい写真を同時に生成してくれます。(貴重なフロッピーの容量が減るとも言う)
BITMAP はその名の通り非圧縮のビットマップ写真が撮れます。
試しに撮ってみると、JPEG圧縮ノイズが無くなるので比較的綺麗に写すことが出来ました。
しかし、写真1枚の容量がフロッピー1枚分ぐらいあるので、なんと1枚1ショットになります。これを選べるのはフロッピーを湯水のように使える貴族だけです。
MULTI にすると写真をタイル状に加工してくれますが、使いどころが分かりませんでした。現代で言うところの使いにくいフィルターのような感じでしょうか。
2020年の東京の街を写してみた
オリンピックを目前に控えた2020年の東京を撮影してみました。
写真の画質は高画質な「FINE」に設定し、撮ったものをそのまま上げています。
まずは一枚目。
当時は無かったホーム柵も大昔からあったような雰囲気に。
なんかこう、「平成」感があると思います。

2015年から登場した新しいはずの山手線の電車も古めかしい感じに。

新しい秋葉原ラジオ会館。新しくなさそう。

当時の秋葉原の雰囲気を狙って撮ってみました。
もし20年前に当サイトがあったらこういう写真が上がっていたかもしれません。

秋葉原の様子。

山手線から中央線へやって来た電車。

開業したばかりの渋谷スクランブルスクエア。

東京駅。

光学10倍ズームはかなり強力で、離れた位置からでもここまで写せました。
レンガの1本1本まで写っているのが分かります。

東京駅周辺。

渋谷。

新しい109ロゴと、画質の古さがミスマッチ。

現代でもサムネイル程度なら使えるんじゃないか説


かなり小さいサイズにしてしまえば、画質が荒くても古いカメラで撮ったことが周りに全くバレなかったので、現代でも普通に使える説が浮上してしまいました。
実際横 100px ぐらいのサムネイルであればあまり違和感が無いかもしれません。
そして画質が荒いため、車のナンバーや通行人のモザイク処理がほぼ要らないので、編集作業がかなり楽になりました。個人的には使いやすいカメラです(?)
でも現代でフロッピーを使うのも結構面倒なので素直にスマホで撮った方が良いですね。
古い写真を今から作るのに重宝しそう

今回は被写体が新しいものでしたが、当時からあるものを撮影したりすれば、簡単に大昔に撮ったような写真を作り出せるので、タイムスリップドッキリなどにも使えそうですね。
現代では実用的ではありませんが、中々面白いカメラだと思いました。