Sonosがサウンドバー「Sonos Beam Ultra」とオーバーイヤーヘッドフォン「Sonos Ace Ultra」を発表しました。オーディオOSの最新版「Sonos 27」の公開に合わせた2製品で、Beam Ultraはコンパクトな筐体のまま7.1.2chのDolby Atmosに対応し、Ace Ultraはヘッドフォンを直接Sonosシステムへつなぐ新機構を積んでいます。国内価格はBeam Ultraが99,800円、Ace Ultraが69,800円です。
サイズはそのまま、中身だけ増やしたBeam Ultra
Beam Ultraは、これまでのBeamが持っていた「テレビ前に置いても圧迫感がない」サイズ感を維持しながら、内部のドライバーを9基まで増やした製品です。そのうち2基は上向き専用に割り当てられ、天井反射を使った本物の7.1.2ch Dolby Atmosを鳴らします。同時に低域の量感も見直され、より厚みのある鳴り方になったと説明されています。
地味ながら効きそうなのがセンターチャネルの再設計です。サウンドバーで真っ先に不満が出やすいのはセリフの聞き取りやすさですが、Beam Ultraはここに手を入れたうえで、4段階のAIスピーチエンハンスメントを用意しました。深夜の視聴向けには従来どおりナイトサウンドも使えます。効果の強さを段階で選べる作りは、家族と暮らしていて音量を上げにくい環境ほどありがたい部分です。
拡張の方向も用意されています。低域を足したければSonos Subを追加でき、後方サラウンドも後から足せます。今回からは対応するSonosのポータブルスピーカーをリアサラウンドとして使えるようになったため、専用機を買い足さずに手持ちの1台を回して5.1ch的な配置に持っていくことも可能になりました。接続はWiFi、Bluetooth、HDMI eARCの3系統です。
ヘッドフォンをシステムの一部として扱うAce Ultra
Ace Ultraは、Sonosが自社設計した40mmドライバーを積んだプレミアムクラスのオーバーイヤー機です。ノイズキャンセリングは10基のマイクを使うAdaptive ANC方式で、ANCを有効にした状態でも最大35時間再生できます。通勤や出張で1週間充電を忘れても足りる水準で、ANCオン時の駆動時間としてはかなり余裕があります。
この製品でいちばん性格が出ているのは「Headphone Engine 2」です。これはヘッドフォンをSonosシステムへ直接リンクさせるためのハードウェアで、Ace Ultraが初搭載機になります。先行アクセスという扱いでの提供です。
やれることは単純で、ボタンを1回押すとSonosシステムで鳴っている音がヘッドフォンへ移り、もう一度押すとスピーカーへ戻ります。ポイントは、この操作にスマートフォンが要らないところです。多くのワイヤレスヘッドフォンはスマートフォンとのBluetooth接続が前提なので、手元に端末がないと音の行き先を変えられません。Ace Ultraはヘッドフォン単体でシステム側と話をするため、リビングで映画を観ていて途中から音だけ手元に引き取る、といった動きが機器の持ち替えなしで完結します。有線派向けにUSB-Cと3.5mm接続も残されています。
部屋とシステムに合わせて音を整える仕組み
Sonosは以前から、設置した部屋の音響特性に合わせて出音を調整するTrueplayを持っています。Beam Ultraも当然これに対応し、Ace Ultraが対応サウンドバーの音を受け取って再生する際にはTrueCinemaが同じ役割を担います。ヘッドフォンで聴いていても、部屋で鳴っているときの空間の感じを崩さないための機能という位置づけです。
チューニングには「Sonos Soundboard」と呼ばれる外部メンバーの意見が入っています。音楽や映像の現場で働く人たちを集めた集団で、制作側の意図から離れない音を目指すための仕組みだと説明されています。ユニバーサル ミュージック グループでデジタル・スタジオを統括するクリス・ジェンキンス氏は、Beam Ultraについて「スピーカーから流れる音を聴くのではなく、そのシーンの中にいるかのような没入感を生み出す」と述べています。
Sonos CEOのトム・コンラッド氏は、2製品について、次世代のイノベーションと音響設計、そして実際の家庭環境で長年蓄積してきた知見を組み合わせたものだと説明しています。夜に映画を観たときの没入感を、翌朝ヘッドフォンで引き継ぐ、という使われ方を想定しているとのことです。ストリーミングサービスは100以上に対応しています。
価格と発売スケジュール
Beam Ultraは99,800円(税込)で、9月25日に先行予約が始まり、10月9日発売の予定です。Ace Ultraは69,800円(税込)で、先行予約は10月16日から、発売は10月30日を予定しています。販売はオンラインを含む全国の提携店舗です。
先に出るのがサウンドバー、3週間遅れてヘッドフォンという順番になります。Headphone Engine 2によるリンクは両方そろって初めて効いてくる機能なので、この組み合わせを狙うなら10月末まで待つ形になります。
まとめ
Beam Ultraはサイズを据え置いたまま9ドライバー構成で7.1.2ch Dolby Atmosに到達したサウンドバー、Ace Ultraは10マイクのAdaptive ANCと最大35時間駆動を備え、Headphone Engine 2でSonosシステムへ直接つながるヘッドフォンです。価格はそれぞれ99,800円と69,800円、発売は10月9日と10月30日となっています。単体の音質もさることながら、スピーカーとヘッドフォンの間を行き来する導線をハードウェアで作りにいった点が、今回のいちばんの変化だといえます。
