Samsungが、AI機能を全面に押し出したポータブルプロジェクター「The Freestyle+」(型番LFF3H)を発売しました。専用スクリーンや真っ白な壁がなくても、AIが投影面の色や凹凸、障害物を読み取って自動で映像を整えるのが最大の特徴です。最大100インチのフルHD映像を持ち運べるサイズで映し出し、価格は米国で1,199.99ドル(約20万円)。まずは米国のSamsung.comと一部の取扱店で販売が始まっています。
AIが「どこでも映せる」を実現する投影機能
The Freestyle+が力を入れているのは、設置場所を選ばない手軽さです。従来のプロジェクターは、平らで白いスクリーンや壁を用意しないときれいに映りませんでしたが、この製品はAIとセンサーの組み合わせで、向けた先に合わせて映像を自動調整します。
中心となるのが「3D Auto Keystone」と「Wall Calibration」です。前者は、傾いた面や平らでない面に投影したときの歪みを自動で補正します。後者は投影面の色を分析し、映像の色味と明るさを面の状態に合わせて調整するため、柄の入った壁紙や色付きの壁でも見やすさを保てます。
さらに「Screen Fit」は壁の特定の範囲に映像が収まるように調整し、投影の途中に物があるとそれを検知して映像の位置をずらす障害物回避にも対応します。ピント合わせには超音波モーターを使い、投影面までの距離を自動で測って瞬時に合焦する「Real-time Focus」も備えます。置き場所を変えるたびに手動で調整する手間を、まとめてAIに任せられる設計です。
なお、Wall Calibrationと障害物回避は、利用前にユーザー側で機能をオンにする必要があります。
明るさとサウンドはポータブル機として底上げ
映像面では、最大430 ISOルーメンの明るさを確保しました。Samsungによると、これは前モデルのThe Freestyleのおよそ2倍にあたります。持ち運べるサイズのプロジェクターは明るさが物足りなくなりがちですが、屋内はもちろん、日が落ちた屋外での視聴も想定した数値です。表示は独自の色表現技術「PurColor」とHDR10+に対応し、映画やゲームでの色の深みやコントラストを高めます。
音は本体内蔵のスピーカーが担い、デュアルパッシブウーファーによる360度サウンドで空間を満たします。対応するSamsungのサウンドバーやWi-Fiスピーカーと組み合わせれば、本体とスピーカーの音を同期させる「Q-Symphony」も利用でき、映像に合わせた立体的な音づくりが可能です。
スマート機能とAIアシスタントも搭載
The Freestyle+は単体で完結する娯楽ハブとしても作られています。標準の「Smart Hub」から主要な動画配信アプリにアクセスでき、追加料金のかからない750以上のチャンネルを見られる「Samsung TV Plus」にも対応します。ゲームは「Gaming Hub」からクラウド経由で遊べるため、専用のゲーム機がなくてもプレイできます。
AIアシスタント機能「Vision AI Companion」も目玉のひとつです。SamsungのBixbyとGoogleのGeminiを組み合わせ、画面に話しかけて質問したり、視聴中のコンテンツのおすすめを受け取ったりできます。スマートフォンとの連携も幅広く、対応するGalaxy端末なら「Tap View」や「Smart View」で、iPhoneなどのApple製品ならAirPlay 2で画面を手軽に映せます。
電源まわりでは、別売りの「Freestyle Battery Base」や市販のUSB Type-Cバッテリーをつないで駆動できるため、電源のない屋外へ持ち出しての利用にも向いています。
価格と発売、位置づけ
The Freestyle+(LFF3H)は米国で1,199.99ドル(約20万円)で発売され、Samsung.comと一部の取扱店で購入できます。日本での取り扱いは、現時点では案内されていません。
※1ドル=約164円換算(2026年7月24日時点)
SamsungでHome Entertainment部門を率いるShane Higby氏は、柄のある壁への対応や部屋の明るさに合わせた補正、障害物の自動回避といったAI機能を挙げ、「向けて再生するだけ(point and play)」の体験でどんな空間もパーソナルなシアターに変えることを狙ったと説明しています。専用スクリーンを前提にしない自由さと、持ち運べる本体にAIを詰め込んだ構成は、据え置きのテレビとは別の使い方を探している人にとって、面白い選択肢になりそうです。
まとめ
The Freestyle+は、AIとセンサーで投影面を自動補正するSamsungのポータブルプロジェクターです。3D Auto KeystoneやWall Calibration、障害物回避、Real-time Focusにより、専用スクリーンがなくても最大100インチのフルHD映像を手軽に映せます。明るさは前モデル比約2倍の430 ISOルーメンで、PurColorやHDR10+、360度サウンド、Q-Symphonyにも対応。Smart HubやSamsung TV Plus、Gaming Hub、BixbyとGeminiを使うVision AI Companionまで備えます。価格は米国で1,199.99ドル(約20万円)で、日本での展開は未定です。
