ストリーミング端末で知られるRokuが、自社ブランドとして初めてのOLEDテレビを発売しました。55型が999ドル(約15万6,000円)からという価格設定で、上位版の「Pro Series LX OLED」は10月に1,299ドル(約20万3,000円)で登場します。販売はAmazon限定です。

999ドルから買えるOLEDという設定

Rokuが発表したのは「Roku Pro Series OLED TV」と「Roku Pro Series LX OLED TV」の2機種です。同社はこれまで、ミニLEDバックライトを採用したPro Seriesを最上位に据えていましたが、パネルそのものをOLEDに置き換えたモデルは今回が初めてになります。

標準モデルのPro Series OLEDは55型と65型の2サイズ展開で、希望小売価格は55型が999ドルから。米国のAmazonですでに販売が始まっています。同社のChris Larson氏(Vice President, Retail Strategy)は、OLEDが高価格帯に閉じ込められてきた結果、買い手が「欲しい画質」と「出せる金額」のどちらかを諦める構図になっていたと述べ、その前提を崩すのが今回の狙いだと説明しています。

パネルは4K解像度の120Hz駆動で、Dolby Visionに対応します。画質の追い込みは「Roku Smart Picture Max」が担当し、映している内容に合わせて設定を自動で切り替えるため、メニューを開いて手作業で調整する必要はありません。視野角の広さも売りのひとつに挙げられており、正面から外れた席でも見え方が崩れにくいとしています。

上位版LX OLEDは144Hzと反射対策

10月に出てくるPro Series LX OLEDは、Rokuが自社で「最も進んだテレビ」と位置付けるモデルです。標準モデルとの違いは、輝度の引き上げ、色域の拡大、可変リフレッシュレート(VRR)の144Hz対応、そして室内の映り込みを抑える高性能な偏光板の4点が挙げられています。

明るい部屋でOLEDを使うと照明や窓の反射が気になりますが、偏光板の改良はそこに効く部分です。144Hzという数字はPC接続やゲームを意識したもので、標準モデルの120Hzから一段引き上げられました。

同梱リモコンにも差があります。標準モデルはバックライト付きボタンとショートカットのカスタマイズに対応した音声リモコンですが、LX OLEDには「Roku Voice Remote Pro」が付属し、ハンズフリーの音声操作とUSB-Cで充電できる内蔵バッテリーが加わります。なお、LX OLEDの画面サイズは発表時点で公表されていません。1,299ドルという価格だけが先に示された形です。

設置と操作まわりの細かい配慮

Rokuらしさが出ているのは、パネル性能よりも設置と日常操作の部分かもしれません。本体は金属製の薄いベゼルを採用し、スタンドは工具なしで高さを変えられます。これはテレビ台の幅やサウンドバーの厚みに合わせるための仕組みで、背面にはケーブルをまとめるストラップが最初から付いています。

音まわりでは「Headphone Mode」が用意され、Bluetoothでヘッドホンを直結して映画やスポーツを個人で楽しめます。音声操作はプッシュ・トゥ・トークで、話しかけたいときだけボタンを押す方式です。加えて、テレビ本体にリモコン探索ボタンが付いており、行方不明になったリモコンを鳴らして探せます。

ゲーム機を繋いだときは「Automatic Game Mode」が働き、プレイを検知して可変リフレッシュレートとAMD FreeSync Premiumを有効にします。入力切り替えのたびに設定画面へ入る手間を省く設計です。

安いOLEDが増えるなかでの立ち位置

RokuはHypothesis Groupの2025年12月調査を引き、視聴時間ベースで米国・カナダ・メキシコにおける最大のTVストリーミング基盤だとしています。テレビ本体を売る事業では後発ですが、OSと広告・課金の仕組みを自前で持っている点が価格設定の自由度につながっています。

一方で、Roku製テレビを選ぶことは同社のプラットフォーム上で視聴データが扱われることを受け入れる選択でもあります。999ドルという価格は、その前提を織り込んだ上での数字だと見るのが自然でしょう。ホームシアターを突き詰める層に向けた製品ではありませんが、OLEDの黒表現と扱いやすいUIを妥当な金額でまとめるという狙いははっきりしています。

日本での販売については、現時点で案内は出ていません。Roku製テレビは米国のAmazonでの取り扱いが中心で、今回の2機種も米国市場向けの発表となっています。

まとめ

Rokuが自社初のOLEDテレビとして、55型999ドルからのPro Series OLEDと、144Hz・高輝度仕様のPro Series LX OLEDを投入しました。標準モデルは4K 120HzでDolby Visionに対応し、上位版は10月に1,299ドルで登場します。工具不要のスタンドやリモコン探索など、画質以外の使い勝手を丁寧に詰めているのがRokuらしい部分です。OLEDの価格が下がり続けるなかで、どこまで存在感を出せるかは実機のレビューが出てからの評価になりそうです。

※1米ドル=156円で換算(2026年9月6日時点)