中国のロボット企業PrimeBOTが、家庭向けパーソナルロボットの新製品2機種をベルリンの家電見本市IFA 2026に持ち込みます。ヒューマノイド形態と四足歩行形態を自分で切り替える「PrimeBOT T1」と、身長88cmで22自由度を持ち武術の動きまでこなす「PrimeBOT Q1」です。会期中はブースH25-150で常設デモが行われ、開幕前日の9月3日には報道関係者向けイベントShowStoppersでも先行公開されました。
移動の途中で姿勢を組み替える「T1」
T1の特徴は、ヒューマノイドモードと四足歩行モードを行き来できる点にあります。人型のまま段差や不整地を進むのは難しく、四足に固定すると人と目線を合わせた振る舞いが取りにくくなります。形態を切り替えられるようにしたのは、屋内と屋外を分けずに1台で使い続けさせるための割り切りだと言えます。PrimeBOTはこの構造を持つパーソナルロボットとしてT1が初めてだとしています。
カメラまわりの作り込みも目立ちます。T1は使う人を認識して追従しながら自律的に撮影を行い、プロの撮影を想定したカメラワークのテンプレートを15種類以上そろえています。三脚やジンバルを据えて構図を決める代わりに、動く被写体のほうへロボットが回り込む使い方が想定されているわけです。
もう1つの軸は教育です。子どもがAIへの指示の出し方やプロンプトの考え方、人とAIが役割を分担する感覚に慣れられるよう、対話の設計に手を入れたとしています。ロボットを操作の対象ではなく、指示を出す相手として扱わせる狙いがうかがえます。
88cmに22自由度を詰めた「Q1」
Q1は身長88cmのパーソナルロボットで、関節の自由度は22です。10種類以上の武術動作に対応するとされており、単に立って歩くだけでなく、重心を移しながら全身を連動させる動きまで想定した設計になっています。可動範囲を増やせば制御も筐体も難しくなりますが、Q1はそこに寄せた構成です。
近距離での安全性も設計条件に入っています。88cmという背丈は、大人が見下ろせて子どもと目線が近い高さで、人がすぐそばに立つ前提の寸法です。速く強く動けるロボットほど、人と接する場面での挙動を抑える作りが要ります。
カスタマイズ性はQ1のもう1つの売りです。外見や声、性格、振る舞い、さらに将来の用途まで、利用者と開発者の側で作り替えられるとしています。プログラム可能な設計とマルチモーダルな対話を組み合わせ、購入後に中身を育てていく製品として位置づけられています。
価格と発売時期は未公表
今回の発表で示されたのは製品像と展示情報までで、価格、発売日、販売地域はいずれも明らかにされていません。IFA 2026は9月4日から8日までベルリンで開かれ、PrimeBOTはブースH25-150で両機種の実機デモを行います。実際の完成度や動作の安定ぶりは、会場で触れた来場者の反応を待つことになります。
PrimeBOTは、ロボティクスと素材、モーション制御、人とロボットの対話技術、開発者向けのオープンなプラットフォームを組み合わせ、AIを物理世界につなぐという方向性を掲げる企業です。パーソナルロボットは長らく、玩具に近い製品か、価格が一桁違う研究用機材かに二分されてきました。T1とQ1がどちらでもない位置に着地できるかどうかは、公表されていない価格次第です。
まとめ
PrimeBOTがIFA 2026で公開したT1とQ1は、性能表よりも使われ方の設計で差をつけようとする製品です。T1は二足と四足を切り替えて屋内外を1台でまかない、撮影と教育に用途を寄せています。Q1は88cmの体に22自由度を収め、武術動作とカスタマイズ性を前面に出しました。価格も発売日も未発表のため、家庭に入る製品として成立するかは今後の発表を見る必要があります。
