Googleがスマートウォッチの最新モデル「Google Pixel Watch 5」を発表しました。日本での発売は8月20日で、Google Store価格は41mmのBluetooth/Wi-Fiモデルが62,800円からです。中身の刷新で動作を前世代比20パーセント高速化したうえに、血管や代謝のストレス傾向を月単位でまとめる「Health Guardian」の機能群を新たに載せ、不調を数値で追うより前に兆しを拾う方向へ軸足を移しました。

中身を入れ替えて20パーセント高速に

プロセッサはQualcommのSnapdragon W5 Gen 2 Acceleratedを採用し、電力効率を重視したデュアルチップ構成と組み合わせています。メモリ容量は前世代から50パーセント増え、CPUの処理能力は12パーセント向上しました。体感としての全体的な動作速度は20パーセント速くなっており、オンデバイスAIの処理や画面スクロールの滑らかさに効いてきます。

この余力が最も分かりやすく出るのが、手首を上げてGeminiに話しかける操作です。ワークアウトの開始、タイマーの設定、Gmailに埋もれた予約情報の呼び出しといった定番の操作が端末側で完結するため、オフラインでも待たされません。

情報の出し方も受け身から一歩前に出ます。今後提供が予定されている「At a Glance」は、空港に着けば搭乗券を、通勤中のバスや電車では目的地までの残り駅数を、こちらが操作する前に文字盤へ出してきます。同じく順次提供予定のGemini Intelligenceのプロアクティブな提案では、予定の確認を求められたときにカレンダーから該当情報を拾って手首に提示でき、確認から送信までを指2本のダブルピンチで完結できます。

Googleマップの技術を持ち込んだGPS

Pixel Watch 5でGoogleが前面に出しているのが位置情報の精度です。Googleマップが持つ3Dの建物モデルを使って衛星電波の経路を追跡し、さらに世界各地の気象観測拠点のデータをリアルタイムに取り込んで大気の影響を補正します。ビル街のように電波が反射しやすい環境でも、前世代と比べて2倍正確なルート記録ができるとしています。

Googleは2026年7月に実施した社内テストで、Apple Watch Ultra 3やGarmin Fenix 8 Proを上回る結果が出たとも説明しています。都市部でのランニングやトレイルでのハイキングなど、これまでGPSが乱れがちだった場面が主な想定です。

Health Guardianが追うのは「値」ではなく「傾向」

今回のヘルスケア機能で目を引くのは、その日の数値を見せるのではなく、1か月の傾向としてまとめてくる設計です。血中の酸素飽和度、心拍、体動といった複数のセンサーデータを、大量の実測値で学習させた基盤モデルに通し、血管ストレス、代謝ストレス、睡眠時の呼吸品質という3つのトレンドを月次のレポートとして返します。最初のレポートが出るのは装着から1か月後で、提供は発売後に順次開始される予定です。

安全面では、呼吸の緊急事態を検知する機能がスマートウォッチとして初めて搭載されました。PPGセンサー、加速度センサー、気圧センサーとオンデバイスAIを組み合わせ、酸素飽和度が深く長く落ち込む状態を監視します。装着者が反応しない場合には緊急通報サービスへ自動で連絡し、位置情報を送る仕組みで、こちらはまず欧州から展開されます。

なお、これらは医療機器としての診断機能ではありません。Google自身も、血管ストレスや代謝ストレスのトレンドは高血圧や糖尿病の事前スクリーニングではなく、服薬や治療方針の判断材料にも使えないと明記しています。気になる数字が出たときの行き先は、あくまで医療機関です。

睡眠とトレーニングも一段細かく

睡眠の記録では、睡眠ステージの判定精度が15パーセント向上しました。就寝時にオーディオブックの再生を自動で止めるといったベッドタイムの自動化や、専用の文字盤も加わっています。起床時は「スマートウェイク」がアラーム設定時刻までの30分間の心拍と体動を見て、眠りが浅くなった頃合いで起こします。

トレーニング面では、手首の上で筋力トレーニングをセット単位で案内する機能が今後追加されます。Google Health Coachが目標に沿ったメニューを組み、睡眠や心拍変動といった回復状況を踏まえて、猛暑の日の屋外ランを室内のヨガに差し替えるといった調整も提案します。この機能群はGoogle Health Premiumの契約が前提で、Pixel Watch 5の購入者には3か月分が無料で付きます。

価格は62,800円から、発売は8月20日

日本でのGoogle Store価格は、41mmのBluetooth/Wi-Fiモデルが62,800円、41mmのLTEモデルが79,800円、45mmのBluetooth/Wi-Fiモデルが67,800円、45mmのLTEモデルが84,800円です。予約は8月12日に始まっており、店頭に並ぶのは8月20日となります。

ディスプレイはピーク輝度3,000ニトのドーム型Actua 360で、表面にはGorilla Glassを使っています。バッテリー駆動時間は41mmが最長30時間、45mmが最長40時間で、付属のUSB-C急速充電ホルダーと30Wアダプター(別売り)を使った急速充電に対応します。防水防塵はIP68準拠、水深50メートル(5気圧)相当の耐水性能も備えます。

カラーはオブシディアン、フォグ、オリーブ、そして41mm専用のキャニオンです。オリーブには新しいパイライト仕上げのケースが組み合わされます。45mmにはNBA選手のステフィン・カリーとのスペシャルエディションも用意されました。

通信面ではBluetooth 6.0、Wi-Fi(2.4GHz/5GHz)、UWBに対応し、NFCとFeliCaを備えるためおサイフケータイでの決済も手首で済みます。対応するのはAndroid 12.0以降を搭載したスマートフォンで、Wear OS 7.0により機種変更時のデータ移行も簡単になりました。

購入特典としては、9月4日まで実施されるキャンペーンで、対象スマートウォッチの下取りとGoogle Storeポイントを合わせ、実質最大31,000円お得に購入できます。内訳は次回以降に使える5,200円分のストアポイントと、下取り額の最大25,800円です。

まとめ

Google Pixel Watch 5は、Snapdragon W5 Gen 2 Acceleratedとデュアルチップ構成で動作を20パーセント高速化し、Googleマップの技術を転用したGPSで前世代比2倍のルート精度を実現したモデルです。血管ストレスや代謝ストレスを月次の傾向として示すHealth Guardianの機能群と、業界初となる呼吸の緊急事態検知が加わり、装着し続けることに意味を持たせる方向へ踏み込みました。日本での発売は8月20日、価格は62,800円からです。

参考リンク

  1. Google Japan Blog「Google Pixel Watch 5 が新登場:プロアクティブな提案と高度なヘルス トラッキング」 https://blog.google/intl/ja-jp/products/devices-services/google-pixel-watch-5/
  2. Google The Keyword「Pixel Watch 5: Proactive assistance and advanced health tracking on your wrist」 https://blog.google/products-and-platforms/devices/pixel/pixel-watch-5/
  3. Impress Watch「グーグル「Pixel Watch 5」登場 GPS精度2倍で健康管理も強化 62800円から」 https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2132375.html