AI回答エンジンを手がけるPerplexityが、メール業務を支援する新機能「Email Assistant」を発表しました。GmailやOutlookと連携し、ユーザーの文体に合わせた返信文の作成、受信トレイの整理、会議の日程調整までをAIが代行します。月額200ドルの最上位プラン「Perplexity Max」向けに提供が始まっており、煩雑なメール処理の負担を軽くする“パーソナル秘書”として位置づけられています。
メールを「処理する」AIへ
生成AIはこれまで、質問に対する回答を生成するチャット型の用途を中心に普及してきました。Perplexityが今回投入したEmail Assistantは、その役割を一歩進め、日々の業務そのものを肩代わりするエージェント型の機能です[1]。
Email Assistantは、AI回答エンジン「Perplexity」を展開するPerplexity AI, Inc.(本社:米国サンフランシスコ、共同創業者兼CEO:Aravind Srinivas氏)が提供する新機能で、2025年9月23日からPerplexity Maxユーザーを対象に利用できるようになりました[1]。GmailやOutlookといった主要なメールサービスに直接接続し、受信トレイの管理から返信、日程調整までをAIが担います[1]。
メール対応は、多くのビジネスパーソンにとって時間を取られやすい業務です。返信文を一から書き始める手間や、大量のメールから重要なものを見分ける作業、関係者との日程のすり合わせなど、細かな負担が積み重なります。Email Assistantは、こうした作業をAIに任せることで、本来集中すべき業務に時間を振り向けられるようにする狙いがあります[2]。
3つの柱となる機能
Email Assistantの機能は、大きく3つに整理できます。
1つ目は返信文の自動作成です。ユーザーの文体やこれまでのやり取りを学習し、状況に合った返信文を生成します[1]。必要に応じてトーンの調整や内容の要約もでき、ユーザーは生成された文章を確認して編集・送信するだけで済みます。Perplexityは、メール対応で最も負担が大きいのは「書き始めること」だとし、その入り口の手間を解消する機能だと説明しています[2]。
2つ目は受信トレイの整理と優先順位付けです。AIがメールを自動的に分類し、対応が完了したもの、行動が必要なもの、注意して確認すべきものを見分けて整理します[2]。重要なメールを見逃さないよう、その日に処理すべきタスクを明確に示してくれます。
3つ目は会議スケジュール調整の自動化です。メールのCC(カーボンコピー)に「Email Assistant」を追加するだけで、AIが日程調整のやり取りを代行します[1]。空き時間を読み取って候補日時を提示し、関係者とのすり合わせを経て招待を発行するところまで自動で進めます[2]。日程調整に伴う往復のメールは、Email Assistantが最も得意とする領域の1つとされています。
セキュリティと利用条件
業務上のメールを扱う機能だけに、セキュリティとプライバシーへの配慮も重視されています。Email Assistantは、国際的なセキュリティ基準であるSOC2とGDPRに準拠しており、ユーザーのデータはAIモデルの学習に一切利用されません[1]。また、Email Assistantが処理したメールのやり取りは14日後に削除される仕組みになっています[2]。ユーザーは、AIにどこまで自律的に動かせるかという権限の度合いを自分で設定できます[2]。
利用にあたっては、いくつかの制約もあります。Email Assistantは現時点で1つのメールアドレスのみに対応しており、GoogleとOutlookの両方を接続した場合はGoogle側が優先されます[2]。
提供対象は、月額200ドル(約3万2,000円)の最上位プラン「Perplexity Max」のユーザーで、法人向けの「Enterprise Max」ユーザーへの提供も予定されています[1]。
※1ドル159円換算(2026年5月時点)
なお、Perplexity Maxの利用者は、2025年7月に提供が始まった「Comet Assistant」をすでに積極的に使っており、初期データでは1日あたりの質問やタスク処理数が3倍から18倍に増えるなど、生産性向上の効果が確認されているとPerplexityは説明しています[1]。Email Assistantも同様に、業務効率を大きく引き上げることが期待されています。
今後の展開
PerplexityのCEOであるAravind Srinivas氏は、Email Assistantについて「今後リリース予定のエージェント群の第一弾」と位置づけ、これらが既存のワークフローに組み込まれ、人間のナレッジワーカーと同じようにユーザーを支援していくと述べています[1]。
Perplexityによると、日本国内でも同サービスの利用は拡大を続けており、特にビジネスパーソンを中心に支持を得ているとしています。今後は法人向けの展開を強化し、国内企業のメール業務における生産性向上を支援していく方針です[1]。
まとめ
Email Assistantは、メールの返信作成・整理・日程調整という日常的な業務をAIに任せられる新機能で、Perplexity Maxユーザー向けに提供されています。データを学習に使わない設計や14日後のメール削除など、プライバシー面の配慮も組み込まれています。チャット型AIから業務を実行するエージェント型AIへと用途が広がるなかで、メールという身近な領域でその効果が問われることになります。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000157647.html
出典:https://www.perplexity.ai/hub/blog/a-personal-assistant-for-your-inbox
