OpenAIが、同社初となる自社ブランドのハードウェア製品「Codex Micro」を7月15日に発表すると予告しました。キーボードメーカーのWork Louderと組んで開発した、AIコーディング支援ツール「Codex」専用の小型入力デバイスとみられます。スマートフォンやスマートグラスといった消費者向け端末ではなく、開発者の手元に置く周辺機器から参入する点が、いかにも同社らしい選択です。
「Codexショートカットがアップグレード」との予告
OpenAIの開発者向け公式アカウントは6月29日(米国時間)、X上に短いティーザー動画を投稿しました。添えられた文言は「Your favorite Codex shortcuts are getting an upgrade.(お気に入りのCodexショートカットがアップグレードされます)」というもので、日付として7月15日が示されています。
動画に映るのは正方形に近い小さなデバイスのシルエットだけで、仕様や価格には一切触れていません。それでもこの投稿は公開から24時間で100万回近く再生され、発表前から大きな注目を集めています。
デバイスはすでにAIエンジニア向けイベント「AI Engineer World's Fair」でデモが披露されており、OpenAIのDominik Kundel氏は「Codexの利用を強化するために設計されたキーボード」と説明しています。CodexはOpenAIが提供するコーディングエージェントで、ターミナルやエディタ、専用アプリから呼び出してコード生成やレビューを任せられるツールです。Codex Microは、その呼び出しや定型操作を物理ボタンに割り当てるための専用機という位置づけになりそうです。
ベースはWork Louderの「Creator Micro 2」か
ティーザー映像やデモの内容から、Codex MicroはWork Louderが販売中のプログラマブルなマクロパッド「Creator Micro 2」をベースにしたCodex専用版と見られています。Creator Micro 2はメカニカルキーにジョイスティックとタッチセンサーを組み合わせた手のひらサイズのデバイスで、アプリごとのショートカットを自由に割り当てられるのが特徴です。米国ではBase(有線)モデルが144ドル(約2万3000円)から、上位のPro(無線)モデルが174ドル(約2万8000円)から販売されています。
Work LouderはFigmaなど有名企業向けにカスタム仕様のマクロパッドを製作してきた実績があり、Codex専用版の開発はその延長線上にあります。OpenAIにとっても、ゼロからハードウェアを設計せずに既存の完成度が高い製品へ相乗りできる、現実的な協業と言えます。
一方で、現時点では不明な点も多く残っています。価格や対応OSは発表されておらず、ユーザーが独自のキー割り当てを作れるのか、IDE(統合開発環境)の拡張機能やAPIを通じた連携が用意されるのかも明らかになっていません。詳細は7月15日の発表を待つ必要があります。
消費者向けデバイスの前に、まず開発者の机の上へ
OpenAIのハードウェアと言えば、Appleの元デザイン責任者Jony Ive氏のチームと進めている消費者向けAIデバイスの動向が注目されてきました。しかし最初に形になった自社ブランド製品は、そうした野心的な新カテゴリーの端末ではなく、既存の開発者向け周辺機器をベースにした小さなマクロパッドだったことになります。
この選択は、OpenAIが開発者体験を競争力の源泉と見ていることの表れとも読めます。AIエージェントにコードを書かせる開発スタイルでは、プロンプトの実行やテストの起動、環境の切り替えといった細かな操作が何度も発生します。よく使う操作を物理キー1つに集約できれば、メニュー操作や定型プロンプトの入力にかかる時間をさらに削れます。クリエイティブソフトの世界で定着してきた左手デバイスの発想を、AIコーディングに持ち込む試みと言えるでしょう。
まとめ
OpenAI初の自社ブランドハードウェア「Codex Micro」は、Work Louderと共同開発したCodex専用の入力デバイスで、7月15日に正式発表されます。ベースとみられるCreator Micro 2の価格(144〜174ドル、約2万3000〜2万8000円)から、比較的手頃な周辺機器になる可能性があります。価格や対応環境、カスタマイズ性など詳細は未発表のため、続報に注目です。
出典:https://worklouder.cc/creator-micro-2
※1ドル=約162円換算(2026年7月8日時点)
