ローカル環境でオープンモデルを手軽に動かせるツール「Ollama」を手がけるOllamaが、6,500万ドル(約105億円)のシリーズB資金調達を発表しました。今回のラウンドでOllamaの累計調達額は8,800万ドル(約142億円)に達します。開発者数は890万人に伸び、Fortune 500企業の85%が利用しているとされ、オープンモデルを扱う開発基盤としての存在感が一段と高まっています。

シリーズBで6,500万ドル、累計調達額は8,800万ドルへ

Ollamaが7月9日(現地時間)に公表した今回の資金調達は、Theory VenturesのTomasz Tunguz氏が主導しました[1][2]。ラウンドには、シリーズAを主導して取締役に加わったBenchmarkのPeter Fenton氏のほか、8VC、Y Combinator、Pace Capital、49 Palms、GTMFundなどが参加しています[1][2]。

Ollama自身は公式ブログで「8,800万ドルを調達した」と表現していますが、これは今回のシリーズB(6,500万ドル)を含めた累計の調達額を指します[1][2]。エンジェル投資家としては、Docker創業者のSolomon Hykes氏、ClickHouse CEOのAaron Katz氏、Cockroach Labs共同創業者でGIMP共同開発者のSpencer Kimball氏、Amp CEOのQuinn Slack氏らが名を連ねました[1]。

※1米ドル=約161円換算(2026年7月10日時点)[3]

Ollamaとは何か

Ollamaは、共同創業者のJeffrey Morgan氏(CEO)とMichael Chiang氏が開発するオープンソースソフトウェアです[1]。2人はかつて、Dockerを手軽に扱えるようにするツール「Kitematic」を立ち上げ、2015年にDockerへ買収された経歴を持ちます。その成果は、現在1,000万人を超える開発者が使う「Docker Desktop」につながりました[1]。

コマンド1つで最新のオープンモデルをダウンロードして起動でき、シンプルなAPI経由で自分のアプリに組み込める手軽さが、Ollamaの持ち味です[1]。APIキーの取得や高価なサーバーを用意しなくても、手元のマシンでモデルを動かせます。Morgan氏らは、かつてパーソナルコンピュータが計算機を個人の机の上に持ち込んだ流れになぞらえ、「AIにとってのパーソナルコンピュータの瞬間」が訪れていると表現しています[1]。

「所有・低コスト・プライバシー」の3原則とOllama Cloud

Ollamaは3つの原則を掲げています[1]。1つ目は所有(Ownership)で、オープンモデルは自分の手元に置いて自由に改変・最適化できるという考え方です。2つ目は低コスト(Affordability)で、自前のハードウェアで動かせばトークン単位の従量課金がかさむ心配がありません。3つ目はプライバシー(Privacy)で、ローカルで動かせばデータが自分のマシンの外に出る必要がないという利点です。

規模の拡大も続いています。開発者数は890万人に達し、直近では週あたり100万件近い新規インストールが加わっているとされます[2]。連携(インテグレーション)は6万7,000件を超え、Fortune 500企業の85%が利用しているといい、政府・医療・金融といった規制の厳しい業種にも広がっています[1][2]。これを支える社員は、わずか14人です[2]。

さらにOllamaは、手元のマシンに収まりきらない大規模モデルを扱うためのクラウドサービス「Ollama Cloud」も展開しています。GLM、Nemotron、DeepSeek、Kimi、MiniMaxといった強力なオープンモデルにアクセスでき、処理量(トークン量)は平均して毎月2倍以上のペースで伸びていると説明しています[1]。

オープンAIへの「賭け」と今後の課題

今回調達した資金は、モデルが公開されたその日から使えるようにする対応や、手元とクラウドをシームレスにつなぐハイブリッド推論、そしてクラウド基盤の拡充に充てられる見込みです[1]。Morgan氏らは、オープンで扱いやすいものが勝つという読みは以前も正しかったとし、「もう一度、持てるものすべてを賭ける」と意気込みを示しました[1]。

一方で、「ローカルで所有する」という理念と、クラウドサービスの拡大をどう両立させるかは注目点です。プライバシーや所有権を重視する開発者に、クラウド経由でも同じ信頼を届けられるかどうかが、今後の広がりを左右しそうです。14人という少人数で890万人規模の利用者を支える体制を、どこまで維持・拡張できるかも見どころと言えます。

まとめ

Ollamaは、Theory Venturesが主導する6,500万ドル(約105億円)のシリーズBを実施し、累計調達額を8,800万ドル(約142億円)に伸ばしました。890万人の開発者とFortune 500の85%という広がりを背景に、オープンモデルを「誰でも手元で動かせる」入り口としての地位を固めつつあります。ローカル志向とクラウド展開のバランスをどう取るかを含め、オープンAIの主導権争いを占ううえで見逃せない動きです。

出典:https://ollama.com/blog/all-aboard-open-models

出典:https://techcrunch.com/2026/07/09/popular-open-source-ai-developer-tool-ollama-raises-65m-grows-to-nearly-9m-users/

出典:https://tradingeconomics.com/japan/currency