Microsoftは、Qualcommの新しいSnapdragon X2チップを搭載した個人向けの新型「Surface Pro」と「Surface Laptop」を6月16日に発表しました。13インチのSurface Proは1,499ドル(約24万円)から、Surface Laptopは13.8インチが1,599ドル(約26万円)からとなります。AI処理を担うNPUの性能を80 TOPSへと大きく引き上げ、グラフィックスやバッテリー駆動時間も底上げした世代更新です。日常の作業からオンデバイスのAI機能まで、地力を高めた構成と言えます。

Snapdragon X2でNPUは80 TOPSへ

今回の更新で核となるのが、Qualcommの第2世代となるSnapdragon X2です。Surface Proでは10コアのSnapdragon X2 Plusと12コアのSnapdragon X2 Eliteから選べ、いずれもAI処理専用のNPUが80 TOPSに達します。Windows PC向けの第1世代チップが45 TOPSだったことを踏まえると、ほぼ倍増です。

NPUは画像補正や文字起こし、ローカルで動く生成AIといった処理を、CPUやGPUに頼らず省電力でこなすための演算ユニットです。WindowsのAI機能「Copilot+ PC」は40 TOPS以上を要件としており、80 TOPSはその基準を大きく上回ります。Microsoftは、軽い処理は端末側のNPUで、重い処理はクラウドでと役割を分け、ローカルとクラウドを行き来しながらAIを使う形を想定しています。

グラフィックス性能の向上幅は製品で異なり、Microsoftによれば前世代比でSurface Proが最大53パーセント、Surface Laptopが最大58パーセント高速になりました。動画のローカル再生時間はSurface Proで最大15.5時間と、従来の14時間から伸びています。いずれもメーカーの公称値で、実際の体感は使い方によって変わります。

13インチ「Surface Pro」の構成

タブレット型のSurface Proは、画面サイズを13インチとし、メモリーとストレージは16GB+256GBが基本構成です。上位では最大64GBのメモリーと1TBのストレージまで選べます。ディスプレイには有機ELの選択肢も引き続き用意されますが、5G通信に対応するモデルは今回は見送られました。

端子は2基のUSB-Cと充電用のSurface Connectで、無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応します。本体色はプラチナ、ブラック、ダューンの3色で、別売りの折りたたみ式キーボード「Surface Pro Flex Keyboard」(399.99ドル、約6万5000円)にも新色のダューンが加わりました。米国では6月16日から30日まで、本体購入で標準キーボードが無料になる特典も用意されています。

「Surface Laptop」は13.8インチと15インチ、新色ジェイドも

クラムシェル型のSurface Laptopは、13.8インチと15インチの2サイズです。チップやメモリーの選択肢はSurface Proとほぼ共通で、最大64GBのメモリーに対応します。ストレージは13.8インチが米国版で512GB、その他地域で256GBから始まり、15インチは全地域で512GBスタート、最大は2TBです。

バッテリーは13.8インチが動画再生で最大20時間を維持する一方、15インチは従来の22時間から19時間に下がりました。ただし15インチは解像度3270×2180(262 PPI)のより精細な液晶を採用しています。前面カメラは画質評価機関DXOMARKの認定を受けており、ビデオ会議の映りにも配慮した構成です。端子は2基のUSB-CとUSB-A、Surface Connect、3.5mmイヤホン端子を備え、15インチにはmicroSDXCカードリーダーも加わります。13.8インチには新色のジェイドが追加されました。価格は13.8インチが1,599ドル(約26万円)から、15インチが1,699ドル(約27万円)からで、13.8インチは従来より100ドル高い設定です。

法人向けのSnapdragon X2搭載モデルは7月14日に登場し、Surface Pro for Businessは1,649.99ドル(約27万円)からとなります。

年内にはNVIDIA RTX Spark搭載の上位機も

MicrosoftでSurfaceを統括するBrett Ostrum氏は、入門機から最上位の高性能機まで、法人から個人のつくり手まで幅広く投資していくと述べています。その言葉どおり、年内にはNVIDIAのARMベースの新チップ「RTX Spark」を採用する「Surface Laptop Ultra」の投入が予告されています。

同じチップは、ローカルで継続的にAI処理を回したい開発者向けのワークステーション「Surface RTX Spark Dev Box」にも搭載される予定です。今回のSnapdragon X2世代が広く普及価格帯を担い、より重いAI処理は上位機が受け持つという、製品ラインの役割分担が見えてきます。

まとめ

新しいSurface ProとSurface Laptopは、80 TOPSのNPUと最大53パーセント向上したグラフィックス、伸びたバッテリー駆動時間で、オンデバイスAIを見据えた地力の底上げを図った世代です。価格はSurface Proが1,499ドル(約24万円)から、Surface Laptopが1,599ドル(約26万円)からで、年内にはNVIDIA RTX Sparkを積む上位機も控えます。派手な新機能よりも、足回りを着実に固めた手堅い更新と言えそうです。

※1ドル=162円換算(2026年6月25日時点)