Lenovoが2026年9月3日、ベルリンで開いた自社イベント「Lenovo Innovation World 2026」で、個人向けノートPCの新シリーズ「IdeaPad Vibe」を発表しました。Pantone Color Instituteと組んで用意した7色のカラーと、あとから買い足して差し替えられるキーキャップが特徴です。14型と15型の2サイズがあり、欧州では2026年10月に799ユーロ(約14万5,000円)から販売が始まります。
性能ではなく「色」から始まるノートPC
ノートPCの新製品は、処理性能や薄さの話から始まるのが普通です。IdeaPad Vibeはそこを一度脇に置いて、本体の色を主役に据えてきました。Lenovoで消費者向け事業を率いるJun Ouyang氏は、利用者がPCに求めるものは変わりつつあり、性能を優先する人もいれば、自分の好みに合う見た目を重視する人もいる、と説明しています。
用意されたのは、Dreamy Violet(落ち着いた紫)、Spicy Gold(黄みの強い金)、Zen Green(自然を思わせる緑)、Chill Blue(澄んだ水色)、Radiant Coral(明るいオレンジ寄りの珊瑚色)、Moody Blue(深い青)、Lowkey Grey(控えめな灰色)の7色です。色の選定にはPantone Color Instituteが関わっており、日常の風景で目にする色から発想したとしています。デザイン部門を担当するBrian Leonard氏は、端末を選ぶときに最も個人的な判断になるのが色だ、と述べています。
さらに、色違いのキーキャップが別売のアクセサリーとして用意され、購入後に自分で差し替えられます。取り扱う色や購入方法は国・地域によって異なるため、日本で何色が並ぶかは店頭を確認する必要があります。
SnapdragonとAMD、2系統で中身を選ぶ
構成は大きく2系統に分かれます。1つはSnapdragon Xを積んだCopilot+ PC対応モデルで、メモリーは最大24GBですが基板直付けのため増設はできません。もう1つはAMD Ryzen AI 400シリーズを載せたモデルで、こちらはメモリースロットが2本あり最大32GBまで自分で増やせます。SSDはどちらもM.2スロットを2基備え、最大1TBまで拡張できます。OSはWindows 11 Homeです。
画面は14型が最大WUXGAの有機EL、15型が最大2.1Kの有機ELで、いずれもDCI-P3を100パーセントカバーします。ただし有機ELを選べるのはLowkey GreyとMoody Blueの2色に限られ、残りの5色は最大120Hzで駆動するIPS液晶になります。色で選ぶか、パネルで選ぶかという判断が発生する構成です。タッチ対応は任意で追加できます。
本体は金属を使った筐体で、厚さは最も薄い部分で14.9mm、重さは14型が1.3kgから、15型が1.5kgからとされています。バッテリーは50Whrが基本で、AMDモデルでは65Whrも選べます。充電の上限は50Whrで50W、65Whrで65Wです。
端子は削らず、拡張性を残した
薄型ノートPCでは省かれがちな端子が、IdeaPad Vibeには一通り残っています。右側面にUSB Standard-Aが2基、左側面にHDMI 1.4とUSB Type-Cが2基、そのほかにヘッドセット兼用の音声端子とmicroSDカードスロットが並びます。USB Type-CはDisplayPort出力と給電に対応しますが、転送速度は5Gbpsです。
カメラは5メガピクセルで、顔認証に使える赤外線対応版と通常版のどちらかを選べます。どちらにも物理シャッターが付いており、使わないときはレンズを塞げます。スピーカーは2Wが2基でDolby Audioに対応し、画面はTÜVのブルーライト低減認証を取得しています。無線はWi-Fi 6とBluetooth 5.3の組み合わせか、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4の組み合わせです。
なお、Intel製プロセッサーを積んだモデルも後日投入されるとされていますが、時期は明らかにされていません。
一体型デスクトップ「IdeaCentre AIO i」も同時に刷新
同じ発表で、一体型デスクトップの「IdeaCentre AIO i」も新世代に切り替わりました。23.8型と27型のフルHD液晶を備え、リフレッシュレートは最大120Hz、輝度は350ニトです。プロセッサーはIntel Core シリーズ3で、システム全体で最大40TOPSのAI処理性能をうたっています。
構造面では、これまで画面の裏側に張り出していた演算部分の箱をなくし、背面をすっきりさせました。スタンドは30mmの高さ調整と-5度から15度の角度調整に対応します。音はHarmanが担当し、背面と側面を合わせて6基のUSB端子、HDMIの入力と出力を備えます。ワイヤレス充電やタッチ対応の画面は任意で追加できます。
こちらも色展開が広がり、Cloud Grey、Luna Grey、Zen Green、Chill Blue、Dreamy Violet、Radiant Coralの6色から選べます。加えて、本体の光り方を切り替える「Adaptive Lighting」が用意されますが、この機能は後日の更新で提供される予定です。
個人向けAI「Lenovo Qira」も一部構成に載る
新しいIdea製品群の一部の構成には、Lenovoが進める個人向けAI「Lenovo Qira」が入ります。Workatoを使ってメール、カレンダー、共同作業ツールなどとつなぎ、話し言葉での指示から必要な情報を探して次の操作までつなげる、という位置づけです。対応するのはPCだけでなく、スマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末も含まれます。ただし、すべての機種・構成で使えるわけではなく、提供状況は市場によって変わります。
価格と発売時期
IdeaPad Vibeの14型と15型は2026年10月に発売予定で、想定価格は799ユーロ(約14万5,000円)からです。IdeaCentre AIO iの23.8型と27型は2026年11月発売予定で、想定価格は999ユーロ(約18万円)からとされています。いずれも税や送料を含まない目安で、国や構成、販売経路によって変わります。日本での取り扱いは現時点で発表されていません。
※1ユーロ181円換算
まとめ
IdeaPad Vibeは、Pantone Color Instituteと選んだ7色と交換式キーキャップで、見た目の選択肢を広げた個人向けノートPCです。中身はSnapdragon XとAMD Ryzen AI 400シリーズの2系統で、AMD側はメモリー増設に対応します。有機ELは2色限定という制約はあるものの、端子とSSDスロットを削らずに残した点は使い勝手に効きそうです。欧州では10月に799ユーロから、一体型のIdeaCentre AIO iは11月に999ユーロから登場します。
