Huaweiが8月5日に開く新製品発表会で、18型の折りたたみノートPC「MateBook Fold PC Ultimate Design 2026」を投入します。HarmonyOS搭載PCの技術説明会で実機が初めてステージに上がり、新しいプロセッサー「Kirin X90 Plus」を載せて全体性能を25パーセント引き上げることが明らかになりました。画面は前世代と同じ18型の折りたたみOLEDを踏襲しつつ、ヒンジと積層構造に手が入っています。

正体が先に出た新チップ「Kirin X90 Plus」

今回の発表で最も具体的だったのは、搭載プロセッサーの名前です。MateBook Fold PC Ultimate Design 2026にはKirin X90 Plusが載り、PCとしての総合性能が25パーセント向上するとされています。

Huaweiはこの数字を、チップ単体の力ではなくハードウェア、ソフトウェア、クラウドを組み合わせた結果として説明しています。同社が挙げた性能に効く要素は4つで、アーキテクチャ設計、PC向けチップセット、HarmonyOSの動作、そしてHarmonyOSのアプリ環境です。プロセッサーの世代を上げたというより、OSとアプリまで含めた積み上げで体感を作りにいく構えだと読めます。

25パーセントという伸び幅は、折りたたみPCという製品の性格を考えると素直に効いてくる部分です。18型の高精細パネルを2枚重ねの構造で駆動しながらファンレスに近い薄さを保つ以上、余力の少なさは常に付いて回ります。ここに余裕を持たせられるかどうかで、折りたたみを畳んだ状態と開いた状態を行き来する使い方が成立するかが決まります。

18型の折りたたみOLEDは仕様を据え置き

ディスプレイは前世代を踏襲します。サイズは18型で、2層構造のフレキシブルOLEDです。画面占有率は92パーセント、解像度は3.3K、輝度はピークで1600ニト、色域はP3をカバーし、HDR Vividにも対応します。

数値だけを並べると据え置きですが、折りたたみPCの世界ではこれが弱点になりにくい構成です。18型という面積は、開けばデスクトップ用モニターに近い作業領域になり、畳めば13型前後のノートPCとして扱えます。2層のOLEDは輝度と寿命を稼ぐための構造で、折り目部分の見えにくさとあわせて、この手の製品でいちばん評価が分かれるところに直接効きます。

Huaweiは画面の仕様を変えず、後述する耐久性とソフト側の処理速度に開発の重心を置いた形です。パネルの世代交代を待たずに完成度を詰める判断は、折りたたみPCがまだ量産の初期段階にあることの裏返しでもあります。

ヒンジと積層構造で耐久性を作り直した

耐久性まわりは今回のアピールポイントです。ヒンジには玄武岩を意味するBasaltの名を冠した水滴型の機構を採用し、開閉時に折り目へ掛かる負荷を分散させます。

パネル側にはUTG(極薄ガラス)に非ニュートン流体を組み合わせた積層を使います。非ニュートン流体は、ゆっくりした力には柔らかく、瞬間的な衝撃には硬く振る舞う性質を持つ素材です。Huaweiによると、この構造で耐衝撃性は90パーセント、耐屈曲性は10倍に向上し、スタイラスのクリック耐久は50万回に達するとしています。

折りたたみ端末の不安は、ほぼすべてが画面の寿命に集約されます。スマートフォンより面積が広く、開閉時のたわみも大きい18型では、その不安がそのまま導入のためらいになります。数値の検証は実機が出てからになりますが、開発側が力を入れる場所としては妥当です。スタイラス入力の耐久を別枠で示している点も、ペンを前提にした使い方を想定していることの表れでしょう。

メモリとファイル処理はソフト側で稼ぐ

ソフトウェア側の作り込みも公開されています。Ultra Space Memoryと呼ぶ技術でメモリ圧縮の速度を50パーセント高め、大きなファイルを開く時間を40パーセント短縮するとしています。加えてArk Engineを内蔵し、WPS Officeで重いファイルを開く速度を30パーセント引き上げます。

搭載メモリを増やすのではなく圧縮の速さで詰めるという方向は、基板直付けの構成が前提になる薄型機では現実的な選択です。WPS Officeを名指しした点も分かりやすく、中国国内のオフィス用途を主戦場に据えていることがはっきり出ています。折りたたみPCは見た目の派手さで語られがちですが、実際の判断材料になるのはこうした日常作業の待ち時間です。

前世代の位置づけと8月5日という日付

初代のMateBook Fold Ultimate Designは2025年5月に発表され、同年6月6日に中国で発売されました。HarmonyOS 5を搭載して出荷された最初のPCで、重量は1.16キログラム、厚さは開いた状態で7.3ミリ、畳んだ状態で14.9ミリという構成です。メモリは32GB、ストレージは最大2TB、バッテリーは74.69Whで、140WのUSB Type-C充電器が付属していました。

価格は32GBとストレージ1TBの構成が23,999元(約56万円)、2TBの構成が26,999元(約63万円)でした。販売は中国本土に限られ、グローバル展開は表明されていません。2026年モデルも同じ立ち位置になる可能性が高く、日本から手に入れる場合は輸入経路が前提になります。

※1元=23.35円換算(2026年8月1日時点)

発表は8月5日で、この場ではスマートフォンの「nova 16 SE」やノートPCの「MateBook Pro S」など複数の製品が並ぶとみられています。折りたたみPCという枠だけを見れば競合はほとんどいないため、価格が前世代から動くかどうかが最大の焦点になります。

まとめ

MateBook Fold PC Ultimate Design 2026は、18型の折りたたみOLEDという構成を維持したまま、新チップのKirin X90 Plusで性能を25パーセント引き上げ、ヒンジと積層構造で耐久性を作り直した2世代目です。メモリ圧縮やファイル読み込みの高速化といったソフト側の改良も並び、見せ方より使い勝手を詰めた更新に見えます。残る不明点は価格と販売地域で、いずれも8月5日の発表で判明します。