HONORは、AIエージェントを中核に据えた次世代のスマートフォン基盤「Agentic OS」を発表しました。6月24日に中国・上海で開幕した通信見本市「MWC上海2026」の初日に明らかにしたもので、その成果は同社のスマホ向けソフトウェア「MagicOS 11」を通じて段階的に利用者へ届きます。端末を単なる操作対象から、利用者の意図をくみ取って自ら動く存在へと作り替える狙いです。
端末を「自律エージェント」に変える発想
Agentic OSは、スマホの基本ソフト(OS)をAI前提で組み直す試みです。製品ラインを統括するFang Fei氏は、新OSの特徴と段階的な成果がMagicOS 11を通じて利用者に届くと説明しました。
従来のスマホは、利用者がアプリを開き、画面をタップして目的を達成する道具でした。HONORが描くのは、利用者が大まかな要望を伝えれば、端末側が状況を読み取って必要な手順を組み立て、自ら処理を進める姿です。AIを画面上の一機能として後付けするのではなく、システムの土台そのものをエージェント前提で設計し直す点に新しさがあります。
4つの中核能力
HONORによると、Agentic OSは従来とは異なる設計思想のもと、4つの中核能力を備えます。
1つ目は、利用者の目的から逆算して動く「意図駆動の操作」です。2つ目は、機械的な一問一答ではなく、現実の場面に即したより自然なやり取りを行う対話能力です。3つ目は、AIを基盤に置いた「エージェントカーネル」と関連部品群で、OSの中核をAIが担う構造に置き換えます。4つ目は、スマホ単体で完結させず、機器の垣根を越えてつながるネイティブなクロスプラットフォーム連携です。
認識・計画・実行という3本柱
Agentic OSが土台に据えるのは、AIエージェントの「認識」「計画」「実行」という3つの動作です。端末は一方で利用者とつながって現実の状況を理解し、もう一方ではクラウド上のモデルと連携して必要な計算能力を補います。
HONORは、この仕組みによって端末そのものが計算資源やセンサー、対話機能などを束ねた一つの集合体として振る舞うようになると説明します。同社が先に公開した新しい形のスマホ「ROBOT PHONE」に続く取り組みで、人間中心の仕組みへとOSを根本から作り替えることを目指すとしています。
MagicOS 11で順次提供
これらの機能は、一度にすべてが出そろうわけではありません。HONORは、Agentic OSの段階的な成果を、MagicOSの最新版であるMagicOS 11を通じて順番に届けるとしています。特に自然な対話まわりの強化は、比較的早い段階から体験できる可能性があります。
ただし、各機能の詳細や具体的な提供時期は、現時点で必ずしも明らかになっていません。HONORは技術的な全体像を改めて示す方針で、利用者が手元の端末で違いを実感できるのは、MagicOS 11の配信が本格化してからになりそうです。
まとめ
「Agentic OS」は、スマホを操作する道具から、利用者の意図を読み取って自ら段取りを進める存在へと押し上げようとするHONORの構想です。意図駆動の操作、自然な対話、AIを核としたカーネル、機器をまたぐ連携という4つの柱を、認識・計画・実行というエージェントの基本動作で束ねます。実際の使い心地は、MagicOS 11として配信される機能を通じて見えてきます。AIをうたう新OSは各社から相次いでいますが、日々の操作がどれだけ自然で頼れるものになるかが、評価の分かれ目になりそうです。
