スマート照明を手掛けるGoveeが、AIが利用者の気分や生活の流れを踏まえて光をつくる天井照明「Govee Sky Ceiling Light」を発売しました。ベルリンで開かれたIFA 2026に合わせて公開されたもので、米国では399.99ドル(約6万2,000円)、欧州では399ユーロ(約7万2,000円)です。同社は業界初のAI搭載ムード対応シーリングライトだとしています。
光を選ぶ作業をAIに任せる
Sky Ceiling Lightの中心にあるのは、Goveeが「AI Lighting Bot 2.0」と呼ぶ仕組みです。利用者の気分やその日の予定に応じて照明を組み立てる役割を担い、たとえば集中力を保ちたい場面では、後述する478ナノメートルの青い波長を優先して当てるといった判断を自動で行います。
Goveeは2023年からAIによる照明制御に取り組んでおり、対話を重ねながら望む明かりを詰めていける仕組みを最初に導入したブランドだと主張しています。同社CEOのEric Wu氏は、スマート照明は住まいの明かりを変えてきたものの、思い通りの光をつくるには依然として複雑な設定が必要だと指摘し、AIによって照明が日常の一部として適応的に振る舞えるようになると述べています。今後はAIによるグループ制御にも対応させ、複数の照明をまとめて扱えるようにする計画です。
言い換えれば、色温度やシーンを自分で作り込むという従来の楽しみ方を残しつつ、そこに手間を感じる人には設定そのものを預けられる逃げ道を用意した、という位置づけになります。
478ナノメートルの青と、1,000K〜10,000Kの白
ハードウェア側の売りは光の質です。Goveeが「Vitality Spectrum Technology」と呼ぶ技術では、478ナノメートルの空色に近い波長を独自に調整して使います。自然光が足りない環境でも覚醒した状態を保ちやすくする狙いがあるとされています。
白色光を担うのが「NaturalTone Algorithm」で、1,000K〜10,000Kという幅広い色温度域をカバーします。明るさは最大7,000ルーメン、演色評価数(CRI)は95です。製品パッケージの表記では、2,700Kのときに5,000ルーメンでCRI 95、6,500Kのときに7,000ルーメンでCRI 85と、色温度によって出力と演色性が変わることが示されています。
目への負担にも配慮しており、ちらつきの少なさと低グレアについてTÜV Rheinlandの認証を取得、ブルーライトの安全性はRG0の区分です。時刻と天候に応じて自動で光を調整する「DaySync」も搭載します。サイズは21インチ(53.5センチ)で、型番はH12D0です。
接続まわりではMatterに対応しており、Amazon Alexa、Google Home、SAMSUNG SmartThingsといった主要なスマートホーム環境と組み合わせられます。天井照明という交換の手間が大きい製品だけに、規格対応が明示されている点は選ぶ側にとって安心材料になります。
1メートルあたり1,344個のLEDを積むCOBテープライト
同時に発表されたのが、COBテープライトの第2世代です。上位の「COB Strip Light 2 Pro」は、1メートルあたり1,344個のLEDと16個のICという高い密度を持ち、三層構造の溝を組み合わせることで、単色でも多色の動きのある表示でも粒が見えにくい光を出すとしています。
こちらもAI Lighting Bot 2.0を積んでおり、音声やテキストで指示するだけで狙ったシーンを作れます。RGBWWICと、同社独自の色管理エンジン「LuminBlend+」を組み合わせ、色温度は1,000K〜10,000K、CRIは92です。標準モデルの「COB Strip Light 2」も同時に用意され、粒の見えない光とAIによる操作をより手頃な価格帯に広げます。
屋外用は1つの灯体に2つのICを入れた
屋外向けの「Permanent Outdoor Lights 2 Pro」も、AI Lighting Bot 2.0に対応します。この製品で目を引くのは、灯体1つの中に独立して制御できるICチップを2個収めた構造です。Goveeは業界初としており、上側と下側で別々の色や効果を同時に表示できます。色の再現と切り替えはLuminBlend+の色管理システムが担います。
軒下に常設する照明は、季節の飾り付けごとに付け外しする手間を省ける代わりに、表現の幅が固定されがちでした。上下で別の色を出せるようになれば、1本の配線で二層の演出ができることになります。
価格と発売日
Sky Ceiling LightとCOBテープライト2機種は9月4日に発売済みで、Permanent Outdoor Lights 2 Proは9月7日からです。販売はAmazonとGovee公式サイトが中心となります。
COB Strip Light 2 Proの5メートル版は169.99ドル(約2万7,000円)、欧州では179.99ユーロ(約3万3,000円)です。標準モデルのCOB Strip Light 2の5メートル版は99.99ドル(約1万6,000円)、欧州では119.99ユーロ(約2万2,000円)となります。Permanent Outdoor Lights 2 Proは米国のみの展開で、100フィート(約30メートル)版が499.99ドル(約7万8,000円)、200フィート(約61メートル)版が799.99ドル(約12万5,000円)です。
日本での取り扱いについては、現時点で個別の案内は出ていません。特にSky Ceiling Lightは天井への設置が前提となるため、国内で展開される場合は電気工事や器具の規格が絡んでくる可能性があります。
まとめ
Govee Sky Ceiling Lightは、AI Lighting Bot 2.0が気分や生活の流れに合わせて光を組み立てる21インチの天井照明です。478ナノメートルの空色波長を使うVitality Spectrumと、1,000K〜10,000Kをカバーして最大7,000ルーメンを出すNaturalTone Algorithmを備え、TÜV Rheinlandのちらつきとグレアへのお墨付き、RG0のブルーライト安全性、Matter対応まで揃えています。価格は399.99ドルで、同時発表のCOBテープライト2機種と屋外用ライトも含め、Goveeは操作の複雑さをAIに引き取らせる方向へ舵を切った格好です。
※1米ドル=156円、1ユーロ=181円で換算(2026年9月7日時点)
