Googleは9月1日、会議室向けの「Google Meet ハードウェア」の基盤をChromeOSからAndroid(AOSP)へ切り替える方針を明らかにしました。すでに導入済みのChromeOS機は従来どおりのサポート期限が維持され、最新世代では2030年9月まで更新が続きます。一方で、LogitechやASUSが手がけるChromeOSベースのMeet Compute Systemは2027年前半までに製造・販売を終える予定で、企業の会議室は数年かけてAndroid機へ置き換わっていくことになります。

何が変わるのか

Google Meet ハードウェアは、会議室のテレビにカメラやマイク、タッチコントローラーをまとめて接続し、部屋に入ればすぐにMeetの会議を始められるようにするための認定機器群です。これまでその中核を担ってきたのは、ASUSやCTLが製造するChromeOSベースの小型コンピューター「Google Meet Compute System」でした。

今回Googleは、この会議室ハードウェアのポートフォリオをChromeOSからAndroidへ移行すると発表しました。理由として挙げているのは、機能提供のスピードを上げること、選べる機器の幅を広げること、そして運用の柔軟性を高めることの3点です。パートナーとして名前が挙がっているのはLogitech、Neat、HP Polyの3社で、小さなハドルルームから大会議室まで、あらゆる広さの部屋向けにMeet認定のAndroid機を揃えるとしています。大型スペース向けのAndroid機については、2027年に複数の新製品を投入する計画です。

既存のChromeOS機はどうなるか

導入済みの機器を抱える管理者にとって気になるのは、いま使っている機材がいつまで使えるかという点でしょう。Googleは「既存の投資は保護される」と明言しており、ChromeOS機のサポート期限はこれまで公表していたものから変更していません。セキュリティパッチ、安定性の改善、ChromeOSのリリースは、ChromeOSで動くすべてのMeetハードウェアに引き続き配信されます。

Googleのヘルプページに掲載されているサポート期限を見ると、世代ごとに3段階に分かれています。初代のASUS/CTL Google Meet Compute SystemとSeries Oneは2028年6月まで、Intel第10世代CPU搭載機とSeries One Desk 27、Series One Board 65は2029年6月まで、そして最新のIntel第13世代CPU搭載機は2030年9月までとなっています。発表文にある「最長2030年9月」は、この第13世代機を指しています。

なお、この期限を過ぎた機器は管理コンソール上で「サポート対象外」と表示され、Meetアプリが正常に動作する保証がなくなります。すでに自動更新期限(AUE)を迎えたASUS Chromebox 3やCTL Chromebox CBx1などは、更新の対象から外れています。

ChromeOS機の販売終了時期

一方で、新規購入の道は段階的に閉じられていきます。Googleが示した製造・販売の終了時期は、Logitech/CTLのGoogle Meet Compute Systemが2027年2月、ASUSのGoogle Meet Compute Systemが2027年4月です。

Googleは、既存のChromeOS機と揃えて増設したい場合、特に大型のイベントスペース向けに追加購入を考えている場合は、できるだけ早く購入するよう勧めています。逆に言えば、2027年春以降はChromeOSベースのMeet機を新品で手に入れるのが難しくなる見通しです。

Androidに移す狙い

Googleが挙げるAndroid化のメリットは4つあります。1つ目は機器の多様性で、コンパクトなオールインワン機、ビデオバー、部屋全体を統合したソリューションなど、フォームファクタの選択肢が広がります。2つ目はエンタープライズ用途での安定性で、ChromeOSで得られていた性能や応答性、安定性を維持できるとしています。3つ目はハードウェアの柔軟性です。AOSP認定機は複数のビデオ会議サービスを動かせるため、機材を買い替えることなく部屋の用途を変えられ、投資を守れると説明しています。4つ目は長いライフサイクルで、Meet認定機は長期の信頼性と予測しやすいソフトウェアサポートを前提に設計されているとのことです。

実際、ヘルプページのAOSP認定機の一覧では、2026年に認定を受けたNeat Bar Generation 2やNeat Bar ProのMeetサポート期限が2033年1月、Logitech Rally Board 65やNeat Board 50などは2033年5月、Poly X72は2031年5月と、ChromeOS機より長い期間が設定されています。ただしこの期限を過ぎた後は、最長1年間のベストエフォート対応にとどまり、それ以上の延長はOEM各社との契約次第になります。

また、AndroidベースのMeet機では、会議のメモをAIが自動で取る「Take notes for me」のようなAI機能の展開も加速するとしています。パートナー各社はすでにMeet認定のAOSP機を販売しており、Googleは次世代機や周辺機器の認定をさらに広げていく方針です。

まとめ

Google Meet ハードウェアは、ChromeOSからAndroid(AOSP)へと軸足を移します。既存のChromeOS機はサポート期限が据え置かれ、最新世代は2030年9月まで更新が続くため、いますぐ使えなくなるわけではありません。ただし、LogitechやASUSのChromeOS機は2027年2月から4月にかけて販売を終え、以降の新規導入はLogitech、Neat、HP PolyのAndroid機が中心になります。会議室の更新サイクルを計画している管理者は、手元の機器の世代とサポート期限を確認したうえで、Android機への移行時期を検討しておくとよさそうです。