Googleが2026年8月26日、新学期に向けてGoogle Workspaceの生成AI機能を学生がどう使えるかをまとめた記事を公開しました[1]。表計算をミニアプリに変えるSheets canvas、講義ノートを学習ガイドに変換するDocs、資料からスライド一式を作るSlidesなど、7つの使い方が具体的なプロンプト付きで示されています。学生向けの内容ですが、そのまま仕事の資料作りにも流用できる話ばかりです。

表計算を「ミニアプリ」に変えるSheets canvas

7つの筆頭に来ているのがSheets canvasです。Googleスプレッドシートに履修スケジュールやシラバスを貼り付けたうえで、Ask Geminiのサイドパネルで「Create canvas」を選び、どんな画面が欲しいかを言葉で説明すると、そのデータの上に対話的なダッシュボードが生成されます[1]。

Googleが例として挙げているのは、ステータス別に並ぶカンバンボードと、締め切りを優先度で色分けしたカレンダーを1画面に置き、科目で絞り込めるようにする、という指定です。作られた画面は見るだけのものではなく、カードをドラッグして進捗を動かせば元のシートの値が書き換わり、逆にシート側を直せば画面にも即座に反映されます[2]。

Sheets canvas自体は2026年8月13日にWorkspace Updatesで告知された機能で、Rapid Release ドメインへの展開は8月10日から、Scheduled Release ドメインへは8月31日から順次となっています[2]。利用できるのはGoogle AI ProとUltra、およびBusiness Standard以上のWorkspaceプランです。

ここで日本のユーザーが引っかかりやすい注意点が1つあります。Googleは告知の中で、この機能が現時点ではウェブ版のみ、しかも表示言語を英語に設定したアカウントでのみ利用できると明記しています[2]。日本語表示のままではサイドパネルに項目が出てこないため、試すならアカウントの言語設定を切り替える必要があります。

ノートと資料の作り直しをGeminiに任せる

2つ目はGoogleドキュメントです。散らかった講義ノートを選択してAsk Geminiに渡し、要点を5つの箇条書きにまとめたうえで、その内容から想定問題を3問作らせる、という流れが紹介されています[1]。同じノートを図解に変換する使い方も示されており、こちらは「Create images with Gemini」から画像として書き出します。

3つ目はGoogleスライドのデッキ生成です。シラバスやレポート、研究資料を渡して「この研究をまとめたプレゼンを作って」と頼むと、体裁の整ったスライド一式が生成されます[1]。過去に作った気に入りのスライドをスタイルの参照として渡せば、フォントや配色、全体のデザインをそちらに寄せられるとのことです。テンプレート探しに時間を取られがちな作業なので、実用性は高そうです。

7つ目のGoogleフォームも同じ発想で、「Help me create」から作りたいクイズを説明すると、採点キー付きの練習問題が生成されます[1]。ウェブ上の情報だけでなく、Googleドライブに置いた講義資料を出題範囲に指定できます。

Gmail・Meet・Vidsで手を空ける

残る3つは、書く作業そのものより周辺の手間を減らす機能です。

GmailのAI Inboxは、サークルの連絡や履修関連の通知で膨れ上がった受信トレイを整理し、やるべきことの候補と話題ごとのまとめを左側のパネルに出します[1]。Googleは、スマート機能をオンにしてから設定が反映されるまで数時間、最初のリストが揃うまでは最大7日かかる場合があると注意しています。すぐ結果が出ないことを知らないと、設定を間違えたと勘違いしそうな部分です。

Google Meetは議事録係を引き受けてくれます。通話開始後に画面上部のペンのアイコンを押すと、Geminiがアクションアイテムや決定事項、画面のスクリーンショットをGoogleドキュメントにまとめ、終了後に主催者のドライブへ保存してメールで共有します[1]。対面での話し合いにも使えるようになっており、Meetを開いて「Take notes」を押すだけで、要約とアクションアイテムと全文書き起こしが1つのドキュメントにまとまります。ビデオ通話を立ち上げる必要はありません。

6つ目のGoogle Vidsは動画版です。自分の写真をアップロードしてAI動画の生成を指定すると、雰囲気を指定した紹介動画が作れます[1]。ドキュメントと同じ感覚で編集権限を配れるので、複数人がそれぞれ撮ったクリップを1本にまとめる作り方もできます。

日本の学生も対象になる

これらの機能はGoogle AI ProとUltraの契約者向けで、Plusの契約者はAI InboxとVidsのみ使えます[1]。米国の記事なので、本文で案内されているのは米国の大学生を対象としたGoogle AI Proの1年無料(月額19.99ドル、約3,200円相当)ですが、日本にも別枠の学割が用意されています。

日本では、18歳以上の大学生を対象にGoogle AI Plusの学割プランが1年間無料で提供されており、申し込み期限は2026年12月31日です[3]。Geminiの利用枠が2倍になり、400GBのストレージやGemini Omni、学習ノートブックのソース上限拡大などが含まれます。ただし申し込み時に支払い方法の登録が必要で、無料期間の終了後は解約しない限り月額725円が自動で請求される点は押さえておくべきでしょう[3]。

つまり日本の学生が無料で手に入るのはPlusであり、今回紹介された7つのうちSheets canvasやDocs、Slides、Meet、Formsの機能はProまたはUltraの範囲です。記事のタイトル通りに全部試すには、有料契約が前提になります。

※1ドル159円換算

まとめ

今回の内容は新機能の発表ではなく、すでに出そろったGemini関連機能の使い方をGoogle自身が学生向けに束ね直したものです。それでも、Sheets canvasが英語表示のアカウント限定であることや、AI Inboxの結果が揃うまで最大7日かかることなど、実際に触る前に知っておきたい制約が公式の言葉で確認できる点には価値があります。日本の学生はまずAI Plusの1年無料で足場を作り、必要な機能がProの側にあるかを見極めてから課金を検討するのが現実的です。

出典:https://blog.google/products-and-platforms/products/workspace/gemini-google-workspace-back-to-school/

出典:https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/08/use-google-sheets-canvas-to-visualize-data.html

出典:https://gemini.google/jp/students/?hl=ja