エレコムは、カフェや空港、ホテルなどにある公共のUSBポートでの充電リスクに備える「あんしん充電専用ケーブル(USB Type-C)」を2026年7月に発売します。内部のデータ通信を物理的に遮断する「Data Blocker」を備え、充電をしながらデータの抜き取りやウイルス感染を防ぐのが狙いです。同社の調査では、公共ポートでの充電経験者の約6割が不安を抱えていることも分かりました[1]。

公共ポートに潜む「ジュースジャッキング」とは

ジュースジャッキングは、公共の場所にあるUSBポートから充電を装って接続機器のデータを不正に抜き取ったり、ウイルス(マルウェア)を送り込んだりするサイバー攻撃です。カフェや空港、ホテルなど日常的に使う場所でも起こり得るため、充電時の対策が求められています[2]。

USBケーブルには、電力を流すための線と、データをやり取りするための線が同居しています。今回の「あんしん充電専用ケーブル」は、このうちデータ用の通信を遮断する仕組みを持たせ、電力だけが流れるようにした製品です。データの通り道そのものをふさぐため、悪意のあるポートにつないでも情報が外へ出ていく経路が生まれない、という考え方に基づいています[1]。

調査で見えた「不安を抱えたまま充電」の実態

エレコムは発売に先立ち、公共のUSBポートでの充電に関する意識・行動を調査しました。充電経験者353名のうち、「とても不安に感じる」17.3%と「やや不安に感じる」42.8%を合わせた60.1%が、安全性に不安を抱えながら充電していると回答しています。一方で「全く不安を感じない」は6.2%にとどまりました[1]。

不安への対処として最も多かったのは、対策グッズを使うことではなく「可能な限り充電しないようにしている」で46.2%を占めました。つまり、多くの人が充電そのものを諦めることでリスクを避けているのが実情です。「ジュースジャッキング」という言葉を知らなかった人も38.5%おり、対策したくてもできないというより、解決策の存在自体が届いていない可能性がうかがえます[1]。

年代による差も目立ちます。攻撃の手口を「知っている」と答えた割合は全体で61.4%でしたが、50代では73.0%が「知らなかった」と回答しました。同じ50代の不安感は32.6%と最も低く、リスクを自覚しないまま公共ポートを使っている層が一定数いると考えられます。実際、攻撃の概要を説明した後に「対策が必要か」を尋ねると、「とても必要」49.9%と「やや必要」43.6%を合わせて93.5%が対策の必要性を認めました[1]。

供給電力とケーブル特性を選べるラインナップ

「あんしん充電専用ケーブル」は、意図しないデータ通信を遮断する「Data Blocker」でデータの抜き取りを防ぎつつ、USB Power Deliveryによる充電に対応します。スマートフォンやタブレットに加え、ノートパソコンの充電にも使えます。コネクター部分には仕様が分かる印字を施し、難燃性素材や信号劣化を抑える金メッキピンを採用するなど、安全性にも配慮しています。EUのRoHS指令(特定有害物質の使用制限)にも適合しています[1][2]。

供給できる電力量は、60W(20V/3A)と240W(48V/5A)の2タイプを用意しました。ケーブルの作りも3種類から選べます。標準モデルのほか、高密度配線構造やナイロンメッシュ素材などで断線に強くした「高耐久モデル」、シリコン素材で束ねても絡みにくい「なめらかモデル」があり、使うシーンに合わせて選べる構成です[1]。

価格は店頭実勢価格で、60W・1mの標準モデルが880円、2mが1,080円です。高耐久モデルは1,780円前後、なめらかモデルは1,580円前後で、240Wの高耐久モデルは1,980円と最も高くなります。データ転送やDisplayPort Alternate Modeには非対応で、あくまで充電に用途を絞った製品です。保証期間は1年間で、販売店により型番が異なります[1][2]。

まとめ

「あんしん充電専用ケーブル」は、データ通信の経路を断つことで公共ポートでの充電リスクに備える、用途を割り切った1本です。約6割が不安を抱え、9割超が対策の必要性を感じているという調査結果は、身近な充電行動に潜むリスクへの関心の高さを示しています。60Wと240W、標準・高耐久・なめらかと選択肢が幅広く、外出先での充電が多い人にとって、手ごろな価格で備えられる選択肢になりそうです。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001472.000026881.html

出典:https://www.elecom.co.jp/news/new/20260714-04/