韓国の小規模メーカーdas_PODが、古いIDE接続のCD-ROMドライブを据え置き型CDプレーヤーに仕立て直すキット「CD-ROM PLAYER 01」を販売しています。1mm厚のアルミをレーザーカットした筐体に、IDE制御基板と電源基板、リモコン、組み立てマニュアルを同梱。肝心の光学ドライブは付属せず、使う人が自分で調達します。価格は仕上げ違いで190ドルと220ドルです。

ドライブは自分で用意する、という前提

このキットで最初に目を引くのは、同梱物のリストにCD-ROMドライブが入っていないことです。das_PODが用意しているのはアルミ筐体のパーツ一式、IDEコントローラー、電源基板、リモコン、ボタン類、ケーブルとネジ類、そして組み立てマニュアルまで。ディスクを読み取る心臓部は、手持ちのものを持ち込む建て付けになっています。

同社はこの点を欠品ではなく設計思想として説明しています。製品ページに掲げられているのは、組み立てられること、修理できること、所有できること。互換性のあるIDEドライブは古いPCの中や中古市場、リサイクル施設、物置に眠っている箱の中から見つかることが多く、そうして持ち込まれた1台ごとに来歴が違うため、完成する個体もそれぞれ違うものになる、という言い方をしています。

懐古趣味というより、既にあるハードウェアを捨てずに使い切るという話です。自作PCを組んでいた人ほど、動くのに使い道のない光学ドライブを何台か抱え込んでいるはずで、その在庫に出口を用意した製品と言えます。ドライブが手元に無い場合は、das_POD自身が整備済みの中古ドライブを10ドルから40ドル程度で扱っています。ベルトの交換、レンズの点検、注油まで済ませてから出荷されるとしています。

はんだ付け不要、組み立ては30分から1時間

組み立てにはんだ付けは不要です。必要な工具はビット交換式のドライバーと作業用の手袋のみで、想定される組み立て時間は30分から60分と案内されています。電子工作の経験がなくても手が出せる範囲に収めた設計です。

筐体は1mm厚のアルミをレーザーカットしたもので、仕上げは2種類あります。ショットブラストをかけた半光沢のアノダイズ仕上げが220ドル(約3万6000円)、RAL 2002のオレンジで粉体塗装したモデルが190ドル(約3万1000円)です。加工と表面処理の都合で細かな傷が出る場合があると、メーカー自身が事前に断っています。

前面には再生位置とトラック番号を出す小さなドットマトリクス表示と、イジェクト、再生と一時停止、停止、曲送りと曲戻しの5つのボタンが並びます。電源はDC 12V、音声出力は3.5mmのAUX端子。ただしAUXケーブルと12V電源アダプターもキットには含まれません。das_PODのオンラインストアで一緒に買うと、25ドルから30ドル程度が上乗せされる計算になります。ドライブ代と合わせると、本体価格だけで完結しない点は把握しておいたほうがよさそうです。

※1ドル162円換算(2026年7月21日時点)

対応するのはIDEのみ、SATAドライブは使えない

互換性の条件は明快で、対象は標準的なIDE接続のCD-ROMドライブです。比較的新しいSATA接続のDVDドライブやBlu-rayドライブは使えません。

これは仕様の割り切りというより、IDE時代のドライブが持っていた性質を利用しているためです。この世代の光学ドライブの多くは本体側にアナログ音声出力を備えており、トラックの再生を指示すればライン出力までドライブ側で完結します。SATA以降の世代ではこのアナログ出力が省かれているため、同じ回路構成では成立しません。手元にあるドライブが後ろ側に40ピンのフラットケーブル用コネクターを持っているかどうかが、そのまま使えるかどうかの判断材料になります。

190ドルという値付けをどう見るか

正直なところ、CDを再生するだけなら中古のCDプレーヤーを買ったほうが安く済みます。それでもこのキットに値札が付くのは、削り出しのアルミ筐体と、自分で組み上げたという事実の方に価値を置いているからです。海外メディアからはTeenage Engineeringの製品を思わせるという評も出ており、机の上に置く物としての見た目に振った設計であることは確かです。

一方で、ドライブの当たり外れという不確定要素は残ります。ピックアップの劣化したドライブを引き当てれば読み取りは安定しませんし、整備済み品を買えばその分の費用が乗ります。実用一辺倒の道具として見ると割高で、手を動かす過程ごと買う製品と考えたほうが評価しやすい部類です。

サブスクリプションで音楽を聴くのが当たり前になった後で、あえてディスクを回す機械を自分で組む。das_PODが所有と修理可能性を前面に出しているのは、そのあたりを狙ってのことでしょう。

まとめ

das_PODの「CD-ROM PLAYER 01」は、IDE接続のCD-ROMドライブを流用して据え置き型CDプレーヤーを組み上げるDIYキットです。1mmアルミのレーザーカット筐体にIDEコントローラーと電源基板、リモコンが付属し、はんだ付けなしで30分から60分で組み立てられます。価格は粉体塗装が190ドル、アノダイズ仕上げが220ドル。ドライブ、AUXケーブル、12V電源アダプターは別途用意する必要があり、SATA接続のドライブには対応しません。