Nothingのサブブランドである CMF が、新型ワイヤレスイヤホン「CMF Clip Pro」を2026年8月4日に発表すると予告しました。耳を塞がないクリップ型で、CMFにとっては初めて手がける形状になります。公開された映像では本体の一部とオレンジ/ホワイトの2色が確認できるものの、価格や仕様は伏せられたままです。

ポケモンから始まった予告

一連の予告が動き出したのは7月28日でした。CMFの公式Xアカウントが投稿したのは、製品画像ではなくポケモンの「ププリン」のイラストです。Nothingが新製品の予告に使ってきた手法をそのまま踏襲したもので、これだけでは何が来るのか分かりません。ただ、共同創業者のAkis Evangelidis氏がこの投稿を引用し、新しい製品カテゴリーになると添えたことで、既存ラインの後継ではないことがはっきりしました。

続く2枚目の予告は「Built for what's coming」という一文とともに、製品の一部を切り取った画像でした。細かな穴が並ぶ面が写っており、イヤホンのメッシュ部分に見えるという指摘が相次ぎます。そして7月31日、CMFは短い動画を投稿し、製品名が「Clip Pro」であること、発表日が8月4日であることを明かしました。

映像に映る本体はオレンジとホワイトの2色です。オレンジはCMFが初代のBudsから使い続けている看板色で、今回もブランドの顔として据えられた形になります。

認証データベースが先に見つけていた型番「B189」

公式の予告より前に、Clip Proの存在自体は各国の認証情報から浮かび上がっていました。最初に見つかったのはシンガポールのIMDAで、型番「B189」に対して「CMF Clip Pro」という製品名が併記されていました。区分は「Wireless Bluetooth Earphones」です。

同じB189は、その後アラブ首長国連邦のTDRAでも確認されています。型式承認番号は「ER62097/26」です。このとき、Clip Proと並んで「CMF Buds Neo」という別のモデルも登録されていました。8月4日にClip Proだけが出てくるのか、Buds Neoも一緒に披露されるのかは、現時点では分かりません。

一方、インドのBIS認証にはまだ姿を見せていません。CMFはインドを主要市場としてきたブランドですので、この不在は少し目を引きます。インドでの発売時期がグローバルとずれる可能性はあるでしょう。

「OWS」という形状に、ようやくCMFが参入する

Clip Proが属するのは、耳の縁を挟んで装着するクリップ型のイヤホンです。カナル型のように耳穴を塞がないため、周囲の音を聞きながら音楽を流せます。開放型オープンイヤーやOWS(オープン・ウェアラブル・ステレオ)と呼ばれる分野で、ここ数年で一気に選択肢が増えました。

Nothingは本体ブランド側で Ear (Open) という開放型モデルを持っていますが、これは耳に掛けるフック型で、挟み込むクリップ型ではありません。つまりClip Proは、Nothingグループとしても新しい装着方式への挑戦になります。

競合はすでに顔ぶれが揃っています。Huaweiは FreeClip 2 S を投入済みで、Motorolaの Moto Buds Loop、Soundpeatsの Clip 1 なども同じ形状です。日本国内でもパナソニックがイヤカフ型の RB-C10 を出し、SAMSUNGもクリップ型の Galaxy Buds Able を準備していると報じられています。混み合った市場に、価格を武器にしてきたCMFがどう切り込むかという構図です。

CMFはNothingの廉価ラインとして2023年に立ち上がり、その後インドを拠点とする独立子会社へと組織が組み替えられました。ブランド名の由来は工業デザインの用語であるColor(色)・Material(素材)・Finish(仕上げ)で、価格を抑えつつ質感で目を引く作りを一貫して続けています。オーディオ製品だけでもBudsシリーズ、Headphone Pro、Neckband Pro と幅を広げてきており、Clip Proはその延長線上にある1台といえます。

分かっていないことのほうが多い

装着感を左右するヒンジの構造、ドライバーの口径、連続再生時間、対応コーデック、そして価格。判断材料になる情報はどれも出ていません。クリップ型は耳穴を塞がない分だけ低音が逃げやすく、装着した状態で安定させる設計も難しい形状です。CMFが得意としてきた価格帯でどこまで詰めてきたのかは、発表を待つしかありません。

発表は8月4日です。CMFはこれまで、予告から発表までの期間を短く取る売り方を続けてきました。今回も残された時間はわずかで、詳細が明らかになるのは目前です。

まとめ

CMF Clip Proは、Nothing傘下のCMFが初めて投入するクリップ型ワイヤレスイヤホンです。8月4日の発表が公式に予告され、オレンジとホワイトの2色が映像で確認されています。型番B189としてシンガポールIMDAとUAEのTDRAを通過済みで、UAEではCMF Buds Neoも同時に登録されました。仕様と価格は当日まで伏せられており、混戦のクリップ型市場にどの価格で並ぶかが焦点になります。