Anthropic は、これまでデスクトップアプリ専用だったエージェント機能「Claude Cowork」を、Web版とスマートフォンへ広げると発表しました。まずは上位プランの Max 向けにベータ版として提供を始め、今後数週間かけて対応プランを順次増やしていく計画です。机に向かっていないときでも、AI に任せた作業の続きを手元のスマホから確認できるようになります。

デスクトップ専用だった「Cowork」がスマホ・Webへ

Claude Cowork は、利用者が仕事を丸ごと手渡すと、Claude がファイル、カレンダー、メール、メッセージアプリ、Web、そして連携させた各種ツールをまたいで、完了まで作業を進めてくれる機能です。単に質問へ答えるチャットではなく、複数の手順が必要な仕事を代行してくれる点が特徴と言えます。

これまで Cowork はパソコンのデスクトップアプリでしか使えませんでしたが、今回の拡大でスマートフォンや Web ブラウザーからも扱えるようになります。提供はいきなり全利用者へ一斉展開されるわけではなく、数週間かけて段階的に広げるベータ版という位置づけです。先行対象は月額の上位プランである Max で、その後ほかのプランにも順次開放されます。

3つの変化:作業が持ち歩ける、閉じても進む、判断は手元に

Anthropic は、Cowork がスマホと Web に対応することで使い勝手が3つの点で変わると説明しています。

1つ目は、作業が自分についてくることです。デスクで始めたタスクを外出先のスマホから途中確認し、仕上がった成果物をどこにいても受け取れます。作業場所に縛られなくなるわけです。

2つ目は、端末を閉じても処理が続く点です。ノートパソコンを閉じて会議へ向かっても、Claude は裏側で作業を続けます。決まった時刻に動く予約タスク(スケジュールタスク)は、端末がオンラインでなくても実行されるようになりました。たとえば月曜朝6時に取引先向けの準備を予約しておけば、Claude はメールのやり取りや会議の書き起こし、最新ニュースに目を通して打ち合わせ用の資料をまとめ、フォローアップのメール文面まで下書きしたうえで、送信はせずに手元へ残しておいてくれます。あとはコーヒーを飲みながら中身を確認するだけです。

3つ目は、最終判断はあくまで利用者に委ねられる点です。Claude が「本人にしか決められない」場面に行き当たると、その都度たずねてきて、質問はスマホへ届きます。会議の最中に下書きの方向性を修正すれば、Claude はそのまま正しい道筋で作業を進めます。利用者が内容を確認して承認するまでは、何も外部へ送られない仕組みです。

対応プラットフォームと提供範囲

Cowork は、iPhone・iPad・Android 各版の Claude アプリのサイドバー、および Web 版の claude.ai から利用できるようになります。スマホや Web からでも、タスクの開始・軌道修正・再開・確認といった一連の操作に加え、コネクター(外部サービス連携)やスキル、プラグイン、予約タスクの利用、プロジェクトの管理、Claude が作成したファイルのプレビューまで行えます。

あわせて Anthropic は、モバイルと Web への展開を記念して、倍増している Cowork の利用上限を8月5日まで延長するとしています。まずはベータで使い勝手を試しながら、対応プランと機能を広げていく流れになりそうです。

Claude Fable 5 の提供も延長

同じ発表のなかで、Anthropic は消費者向けの最上位モデル「Claude Fable 5」の扱いについても触れています。Fable 5 はトークン(利用量)ベースの課金モデルへ切り替わる予定でしたが、これを見送り、すべての有料プランで引き続き数日間そのまま利用できるようにしました。具体的には7月12日まで、全有料プランで Fable 5 へアクセスできる形です。

まとめ

Claude Cowork のスマホ・Web 対応は、AI に仕事を任せる体験を「机の前」から解き放つ動きです。デスクで始めた作業を外で確認し、端末を閉じている間も処理が進み、重要な判断だけは手元に戻ってくる。エージェント型 AI が日常の道具として溶け込んでいく方向性が、はっきりと表れた発表と言えるでしょう。まずは Max プランからのベータ提供となりますが、対応プランの拡大とともに、多くの人が外出先から AI に仕事を預ける使い方を試せるようになりそうです。