バッファローが、半固体電解質を採用したモバイルバッテリー「BMPBSA10000」シリーズを、2026年9月上旬から全国の家電量販店などで順次発売します。これまではAmazon.co.jpと楽天市場のバッファロー公式ストア限定で扱われてきたモデルで、市場想定価格は5990円です。容量は10000mAh、出力は最大30W。発火や発煙のリスクを構造で抑えたバッテリーが、店頭で実物を確かめてから買える製品になります。

通販限定だったモデルが店頭に降りてくる

BMPBSA10000シリーズは、バッファローが自社の公式ストア経由で先行して売ってきた半固体モバイルバッテリーです。今回の展開で販路が家電量販店に広がり、量販店の店頭やその他の販売チャネルでも順次扱われます。カラーはメタリックブラックとシルキーホワイトの2色で、型番はそれぞれBMPBSA10000BKXとBMPBSA10000WHXです。

モバイルバッテリーの発火事故が繰り返し報じられ、鉄道や航空各社が持ち込みルールを見直してきた流れを考えると、安全性を前面に出した製品が通販の外にも出てくるのは自然な動きです。価格も5990円と、10000mAhクラスとしては特別に高いわけではありません。

液体ではなくゲル状、という違い

一般的なリチウムイオン電池は、電気を運ぶ電解質に液体を使っています。この液体は燃えやすく、内部でショートが起きたり外から強い力が加わったりすると、熱が一気に広がって発火・発煙につながる可能性があります。

BMPBSA10000シリーズが採用する半固体電解質は、その電解質をゲル状にしたものです。バッファローは、液体電解質と違って万が一の破損やショート時にも被害が拡大しにくい構造を実現したと説明しています。バッテリーの種類としては充電式の半固体リチウムイオン電池にあたり、完全な全固体電池ではなく、液体と固体の中間に位置づけられる方式です。

釘刺し・圧壊・ガスの3方向で検証

バッファローは安全性の根拠として、3種類の検証を挙げています。1つ目は、強制的に内部ショートを起こす釘刺し試験です。2つ目は、垂直方向に高い圧力をかける圧壊試験で、破損時や高い負荷がかかった状況を想定して燃えにくさを確認しています。

3つ目は、国内の第三者機関と連携した化学試験です。商品が破損した場面を想定し、人体への影響が懸念されるガスの発生が少ないことを確かめたとしています。発火するかどうかだけでなく、壊れたときに何が出るかまで見ている点は、この製品の説明の中でも目を引くところです。加えて、多重の保護機能を搭載し、電気用品安全法のPSEにも適合しています。

なお、こうした試験はあくまで管理された条件下でのものです。バッファローも、故意に衝撃を与える行為や分解、改造は絶対に行わないよう注意を促しています。

ケーブル一体型で約210g、残量は1パーセント刻み

本体には長さ約23cmのストラップ式USB Type-Cケーブルが一体化されており、ケーブルを忘れて充電できないという事態を避けられます。ケーブルは丈夫なナイロン生地で、付け根にはネックガードを備えて断線を抑える設計です。コネクター部分はスリムな形状で、厚みのあるスマホケースを付けたままでも挿せるとしています。

残量表示はLEDモニターで、1パーセント刻みの数字を出します。本体を充電している間は数字が点滅し、急速充電中は数字の横のマークが緑に光るという分かりやすい仕様です。

30W出力とパススルー、機内持ち込みにも対応

出力はUSB PDに対応した単ポート最大30Wで、5V/3A、9V/3A、12V/2.5A、15V/2Aに加えてPPSにも対応します。ポート構成は一体型ケーブルとUSB Type-Cポートの計2系統で、2台を同時に充電できますが、その場合の合計出力は15Wまでに制限されます。スマートフォンを優先して充電し、完了後に自動で本体側の充電へ切り替わるパススルー機能も使えます。

ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチのように消費電流の小さい機器向けには、低電流モードが用意されています。うまく充電できないときはボタンを1回押して切り替える方式です。本体自身の充電も30Wで行えますが、充電器は付属しないため、30W以上を出せるUSB PD対応の充電器は別途用意する必要があります。

充電できる回数はバッファローの試験結果として、iPhone 17を約1.7回、11インチのiPad Pro(M5)を約0.8回、Google Pixel 10を約1.2回と示されています。ワット時定格量は37Whで、座席上の収納棚に入れず手元で保管する場合に限り、機内持ち込み荷物にできます。預け入れ荷物にすることや機内での使用はできないため、飛行機を使う人は事前に航空会社の案内を確認しておくのが無難です。

項目 仕様
バッテリー 充電式 半固体リチウムイオン電池
容量 DC3.7V/10,000mAh(37Wh)
入出力 USB Type-C 最大30W、出力はType-C×2
外形寸法 約74×15.2×116mm(幅×高さ×奥行、突起部除く)
質量 約210g
保証期間 1年間

厚さは約15.2mm、質量は約210gで、10000mAhクラスとしては標準的な携帯性です。動作環境は放電時が温度マイナス15度から45度、充電時が5度から40度とされています。

まとめ

バッファローのBMPBSA10000シリーズは、ゲル状の半固体電解質を使い、釘刺し試験や圧壊試験、第三者機関との化学試験で安全性を確かめた10000mAhのモバイルバッテリーです。9月上旬から全国の家電量販店などで順次発売され、市場想定価格は5990円。ケーブル一体型で約210g、最大30W出力とパススルー機能を備え、価格の割に装備は充実しています。安全性を理由に買い替えを考えている人にとっては、店頭で選べるようになった意味は小さくありません。