ASUSのゲーミングブランドRepublic of Gamers(ROG)が、ブランドとして初めてとなるサウンドバー「ROG Gjallar」を2026年7月9日に台北で発表しました。2.1.2チャンネルのDolby Atmosに対応し、6.5インチ65Wのワイヤレスサブウーファーと、エコーキャンセル マイクを内蔵した操作ハブがセットになる構成です。価格と発売時期は現時点で公表されていません。

デスクの上で高さ方向を作る2.1.2チャンネル

Gjallarの構成は2.1.2チャンネルです。数字は左から順に、水平方向のスピーカー数、サブウーファー数、天井方向へ音を飛ばすアップファイアリング チャンネル数を表します。つまり左右のメインとサブウーファー1本に、上向きの2チャンネルが加わる形です。

バー本体には50mm口径のフルレンジ ドライバーを4基、27mm口径のツイーターを2基搭載します。再生周波数帯域は50Hzから20kHzです。上向きチャンネルが天井の反射を使って頭上方向の音を作り、Dolby Atmosの高さ表現をデスク上のバー1本でまかなう狙いになっています。

ヘッドホンを使わずに位置情報の分かる音を出す、というのがROGの主張です。足音や銃声の方向を手がかりにする対戦型のタイトルでは、水平方向だけの音場より判断材料が増えることになります。

サブウーファーは5GHz無線接続で遅延を抑える

低音を受け持つのは165mm(6.5インチ)ドライバーを積んだ65Wのサブウーファーです。接続はケーブルではなく5GHz帯の無線で、使用周波数は5.180GHzから5.825GHzとされています。

サブウーファーを無線化すると配線の自由度は上がりますが、伝送に時間がかかると映像と低音がずれます。Bluetoothではなく5GHz帯を使うのは、この遅延を抑えるためです。爆発音や着弾音のように、映像と同じ瞬間に鳴らないと違和感が出る音を扱う以上、ここは無視できない部分です。

本体は幅125mm、奥行315mm、高さ356mmと縦長で、机の脇や足元に置きやすい形状にまとめられています。重量は5.7kgです。

手元のハブでEQもマイクも切り替える

Gjallarで目を引くのが、独立した操作ハブが付属する点です。90×82×37mmの小型ユニットで、重量は191gしかありません。液晶ディスプレイを備え、EQプロファイルの切り替え、再生操作、入力ソースの選択、RGBライティングの調整を手元で完結できます。ゲーム用、音楽用、映画用のEQを切り替える動作を、ソフトウェアを開かずに済ませられる設計です。

このハブにはマイクも組み込まれています。採用されているのはAEC(音響エコーキャンセレーション)で、スピーカーから出ているゲーム音や味方の声を、自分のマイク入力から差し引く技術です。スピーカーで音を鳴らしながらボイスチャットをすると自分の声に相手の声が混ざって返っていく、という問題への対処にあたります。

さらにAIビーム フォーミングによって指向性を最適化し、PCのファン音や電源のノイズといった環境音を抑えます。マイクの周波数特性は100Hzから10kHz、感度はマイナス37±3dBです。ヘッドセットを外したままボイスチャットを成立させる、という方向の作り込みになっています。

入力端子はPCとコンソールの同居を前提

接続まわりは幅広く用意されています。USB-C、HDMI 2.1(eARC)、光デジタル、AUX、そしてBluetooth 5.3に対応します。HDMI 2.1では4K120Hzのパススルーが可能で、eARC経由なら圧縮されていない高解像度の音声を受け取れます。映像の画質やリフレッシュレートを落とさずにサウンドバーを間に挟める、という意味です。

対応プラットフォームとして挙げられているのは、テレビ、Windows PC、Mac、PlayStation 5、PlayStation 4シリーズ、Xbox Series X|S、Nintendo Switch、そしてUSB-CまたはBluetooth経由のモバイル機器です。バー右側面にはUSB Type-Aを2基備えたUSBハブもあり、無線ドングルや外付けストレージを挿せます。

ライティングはASUS Aura RGBで、1,680万色と4種類のプリセット効果に対応します。EQやマイク設定、ライティングの細かい調整は、Webブラウザから使えるGear Linkか、モバイルアプリのどちらでも行えます。専用ソフトのインストールを必須にしない構成です。

サイズと未定の部分

バー本体は幅607mm、奥行92mm、高さ82mmで、重量は2.4kgです。24インチから27インチ級のモニターの下に収まる寸法感といえます。

一方で、価格と発売日、地域ごとの展開についてASUSは公表していません。仕様と設計は確定として示されている段階で、いくら出せば買えるのかは次の発表待ちとなります。なお製品名のGjallarは北欧神話に登場する角笛ギャラルホルンに由来し、ASUSは「ガラー」と読むと案内しています。

まとめ

ROG Gjallarは、2.1.2チャンネルのDolby Atmos、5GHz無線接続の65Wサブウーファー、そしてAECマイク内蔵の操作ハブという3点をまとめた、ROGとして初のサウンドバーです。ヘッドセットを着けずにゲームの音とボイスチャットを両立させる方向に振った設計で、HDMI 2.1 eARCによってPCとコンソールを同時にぶら下げられる点も実用的です。残るは価格で、既存のゲーミング サウンドバーに対してどの位置に置かれるかが判断の分かれ目になりそうです。