スマートホーム機器を手掛けるAqaraが、ベルリンで開催中のIFA 2026に合わせて、照明シリーズ5機種を公開しました。フロアランプ、ダウンライト、テープライト、屋外用ストリングライト、そして軒先に常設する屋外ライトという構成で、すべてがThreadとZigbeeの両方に対応し、Matter経由で主要なスマートホーム基盤から扱えます。価格と発売時期は現時点で公表されていません。
5機種すべてがMatter対応という前提
今回の発表でまず押さえておきたいのは、5機種が例外なくMatter対応で、接続方式もThreadとZigbeeの両方を備えている点です。組み合わせられる基盤としてApple Home、Home Assistant、Amazon Alexa、Google Home、SmartThings、Homeyが挙げられており、特定のプラットフォームに縛られない構成になっています。
照明は一度設置すると簡単には入れ替えられない機器です。とりわけダウンライトや軒先の常設ライトのように工事を伴うものは、数年先まで同じ製品を使い続けることになります。規格が明示されていることの価値は、単なる仕様表の1行ではなく、その期間ぶんの安心料に近いと言えます。
Aqaraは既存のセンサーやスイッチ、ハブと組み合わせる使い方も想定しています。人の在室状況や生活パターン、既存の自動化の発火条件に照明が反応する形で、スイッチを押す動作そのものを減らす方向です。
フロアランプT1は壁を照らして部屋の空気をつくる
Floor Lamp T1は高さ1,420ミリの棒状のフロアランプです。特徴は光を横方向へ出す設計で、正面を直接照らすのではなく、近くの壁面を面で照らす使い方を狙っています。映画を観るとき、ゲームをするとき、あるいは何もしていない夜に、壁の色そのものを部屋の雰囲気に変えてしまうという発想です。
制御には16ビット・5チャンネルの高精度チップを使い、18の区画を個別に色分けできます。白色光の色温度は2,000Kから9,000Kまでと幅が広く、最大の明るさは1,000ルーメンです。センサーやスイッチと組み合わせれば、夜が更けるにつれて自動的に落としていくといった動きも作れます。
ダウンライトとテープライトは設置条件から逆算した仕様
LED Downlight T2は、天井裏の奥行きが取れない住宅を想定した薄型のダウンライトです。1,600万色に対応するRGB CCT版と、色温度のみを変えるCCT版が用意され、CCT版は最大1,200ルーメンまで出せます。停電後に消灯前の状態へ戻る電源オフメモリーを備えているのも、天井に埋め込む製品としては実用的な配慮です。
LED Strip T2は切って長さを調整できるテープライトで、1メートルあたり108個のLEDを積みます。3メートルごとに18の区画を個別制御でき、粒が見える不自然な光り方を避けながら滑らかなグラデーションを出せるとしています。音に合わせて光らせる機能もあり、Aqara Homeアプリでは作りたい雰囲気を話し言葉で入力するだけで、シーンを自動で組んでくれます。
屋外は「季節ごとに付け外しする手間」を消しにいく
Outdoor String Lights H1は、テラスやデッキに吊るす防水仕様のストリングライトです。こちらも区画ごとの個別制御に対応し、色温度の範囲は屋内向けと同じ2,000Kから9,000Kまで。時刻や周囲の環境、ほかのAqara機器からの通知をきっかけに、自動で明るさや色を変えられます。夜道の足元を照らす、あるいは防犯側の検知に反応させるといった、装飾以外の役割も想定されています。
そしてもう1機種のPermanent Outdoor Lights H1は、名前のとおり付けっぱなしを前提にした屋外ライトです。年末に脚立を出して飾り付けをして、1月にまた外す。この毎年の作業をなくすことが狙いで、一度取り付けてしまえば、あとはプリセットを選ぶだけで場面ごとに表情を変えられます。LEDは1つずつ独立して制御でき、屋根のラインに合わせて延長も切断もできる作りです。
使いこなしを共有する場としてのAqara Builder
ハードウェア以外では、Aqara Builderという共有プラットフォームも同時に披露されました。スマートホーム愛好家、開発者、施工業者、システムインテグレーター、制作者を対象に、実際の導入事例や自動化の組み方、空間デザインの発想を持ち寄る場という位置づけです。AIエージェントによる提案機能も組み込まれています。
スマートホームは、機器を買った後の「どう組むか」で満足度が大きく変わる分野です。設定例が共有される場が公式に用意されるのは、購入前に完成形を想像しづらいという弱点を埋める打ち手になります。
まとめ
AqaraがIFA 2026で公開した照明5機種は、フロアランプT1の壁面照射、薄型ダウンライトT2、区画制御のテープライトT2、そして屋外向けのストリングライトH1と常設ライトH1という構成です。全機種がThreadとZigbeeに対応したMatter機器で、Apple HomeやHome Assistantを含む主要な基盤から扱えます。価格と発売時期はまだ示されていないため、実際の評価はそこが出てからになりますが、屋内の演出用途から屋根まわりの常設まで、家一軒ぶんを1つの体系で覆おうとしている点は明確です。
