Appleは、Worldwide Developers Conference(WWDC26)で、次世代のApple Intelligenceと、まったく新しいバージョンのSiriである「Siri AI」を発表しました[1]。子どもの安全を守るペアレンタルコントロールの強化や、iOS 27をはじめとする各OSの機能強化もあわせて公開しています。新機能は同日からデベロッパー向けにテスト提供が始まり、一般ユーザーには今秋、無料のソフトウェアアップデートとして届く予定です。

まったく新しいSiri「Siri AI」

Siri AIは、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple Vision Proに深く組み込まれた新世代のSiriです[1]。利用者の状況を読み取るパーソナルコンテキストの理解を活かし、メッセージやメール、写真などを横断的に検索できます。アプリ内で実行できるアクションが増えたことで、複数のアプリをまたいだ操作も任せられるようになりました。

さらに、画面に表示中の内容に関連する質問へ答えたり、ウェブにアクセスして最新の情報を取得し、役立つ回答を組み立てたりもできます。専用のSiriアプリでは過去のやり取りを振り返ったり、新しい会話を始めたりでき、その履歴はiCloudを通じてプライバシーを保ちながら製品間で同期されます。

写真やSafariにも広がる新機能

次世代のApple Intelligenceは、Siri AIだけでなくシステム全体のアプリにも新機能をもたらします[1]。写真アプリでの画像編集、Safariでの複数タブを切り替えるブラウジング、Image Playgroundでの創作、メッセージやメールでのやり取りなど、日々の操作をよりシンプルにする狙いです。

ペアレンタルコントロールとスクリーンタイムを刷新

保護者向けの機能も大きく強化されました[1]。お子様用アカウントを設定すると、年齢に応じた保護がシステム全体ですぐに有効になります。設定アシスタントを使えば子どもに使わせるアプリを明確に選べるほか、コミュニケーションの安全性の機能では、新しい連絡先とのつながりに保護者の承認を求めたり、露骨な内容や暴力的な内容が共有された際に自動で介入したりできます。

スクリーンタイムも再設計され、エンターテインメントやゲーム、ソーシャルメディアの1日の合計利用時間を設定しやすくなりました。利用時間の目安は、医療や子どもの発達の専門家のガイダンスにもとづいて提案されるため、保護者にとって判断の出発点になります。

OS全体の高速化とデザインの刷新

iOS 27をはじめとする今秋のアップデートでは、動作の高速化とデザインの見直しも進みます[1]。Appleの社内テストによると、iPhoneとiPadではアプリの起動が最大30パーセント、撮影した写真の読み込みが最大70パーセント、AirDropの転送が最大80パーセント速くなります。外付けドライブとiPadの間でのファイル転送は最大5倍に向上し、携帯電話通信とWi-Fiの切り替えもこれまで以上にシームレスになります。

デザイン面では、透明感を超透明から完全な色付きまで調整できる「Liquid Glass」のスライダや、より鮮明になったアプリアイコン、Macで統一されたツールバーや端から端まで広がるサイドバーなどが導入されます。Spotlightや写真、メールの検索体験も再設計され、探しているものを的確に見つけやすくなります。

今秋に加わるその他の新機能

このほか、今秋には各アプリの細かな機能追加も予定されています[1]。ヘルスケアアプリの周期記録が閉経周辺期や更年期に対応するほか、Apple WatchにはSiriが提案する5つのアプリを並べる新しいグリッドや、「デバイスを探す」「持ち物を探す」「人を探す」を統合した新しい「探す」アプリが加わります。AirPodsでは好みに合わせて調整できるカスタムEQに対応し、Apple Vision Proではパノラマ写真を空間シーンに変換して利用できます。Appleマップでは、航空写真にAIを組み合わせたFlyover体験も用意されます。

提供時期と対応製品

新機能は、同日からdeveloper.apple.comでApple Developer Programを通じてテスト提供が始まりました[1]。パブリックベータ版は来月に、一般向けの無料アップデートは今年の秋に予定されています。Apple Intelligenceは日本語を含む16の言語に対応し、iPhone 16以降やiPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max、M1以降を搭載したiPadやMac、Apple Vision Proなどで利用できます。

一方、Siri AIはまず英語に設定したデバイスから順次提供され、対応言語を迅速に広げていく方針です。なおEUでは当初iOSとiPadOSでSiri AIを利用できず、中国では規制要件への対応が完了するまで提供が見送られます。

まとめ

WWDC26でAppleが示したのは、Siriを「Siri AI」として作り直し、Apple Intelligenceをプラットフォーム全体に行き渡らせるという方針です[1]。横断検索やアプリ間の操作、画面内容への応答といった機能は日々の使い勝手を大きく左右するだけに、期待が高まります。ペアレンタルコントロールやOSの高速化もあわせ、今秋の正式提供に向けて、まずはベータ版での仕上がりが注目されます。

出典:https://www.apple.com/jp/newsroom/2026/06/apple-unveils-next-generation-of-apple-intelligence-siri-ai-and-more/