Adobeは9月10日、Adobe Acrobatの新機能「チャットによるPDF操作」と「ポッドキャストを生成」の日本語版の提供を開始しました[1]。どちらも今年1月に英語圏へ先行投入された機能で、PDFの編集を自然言語の指示で進めたり、資料の中身を音声で聴き取ったりできるようになります。

自然言語の指示でPDFを操作する

「チャットによるPDF操作」は、Acrobatに新たに搭載されたチャットベースのAIに、やりたいことを文章で伝えるとPDFの基本操作を実行してくれる機能です[1]。ページの削除、テキストの置換、署名の追加、パスワードの設定などが対象で、これまで複数の手順を踏む必要があった作業を一度の指示で片付けられます[1]。

機能の置き場所を覚えて呼び出すのではなく、目的を伝えて任せる形に変わる点が特徴です。アドビ株式会社 製品マーケティング本部のプリンシパル プロダクトマーケティングマネージャーである立川太郎氏は、機能を探して使い方を覚えるという従来のPDF操作を、やりたいことをチャットで指示するだけで扱える形に変えていくと説明しています[1]。

利用意向を測った調査結果も公開されています。Adobeが2026年に日本国内で実施した、普段からPDFを利用する18歳から59歳の158名を対象とした調査では、79パーセントがAIとのチャットによるPDF操作に利用意向を示しました[1]。操作別に見ると、スキャンしたPDFをOCRで検索可能にする作業が84パーセント、PDFをWordに変換する作業が82パーセントと高い数字が並びます[1]。定型的で手数の多い作業ほど、対話で任せたいという傾向が読み取れます。

資料をポッドキャストとして聴く

もう一方の「ポッドキャストを生成」は、Acrobatで開いているPDFから、ボタン1つでポッドキャスト形式の音声ファイルを作る機能です[1]。生成された音声は、文書内の主要な情報を整理したうえで説明する構成になります[1]。

想定されている使いどころは、画面に向かえない時間の活用です。通勤などの移動中に複数の資料の要点を音声で把握したり、内容をより伝わりやすい形式で他の人と共有したりする用途が挙げられています[1]。分量の多い資料や構造の入り組んだ文書ほど、読む以外の選択肢がある意味は大きくなります。

対象プランと価格

「チャットによるPDF操作」は、Acrobat Standard、Acrobat Pro、Acrobat Studioの各サブスクリプションプランで9月10日から提供が始まりました[1]。個人向けプランの価格は、Acrobat Standardが月額1,980円、Acrobat Proが月額2,530円、Acrobat Studioが月額3,300円からとなっています[1]。

「ポッドキャストを生成」は、Acrobat AI アシスタント Plusの新機能という位置づけです[1]。月額680円からのアドオンとして追加するか、Acrobat Studioのサブスクリプションプランを契約することで利用できます[1]。2つの機能を両方使いたい場合は、Acrobat Studioが最も手数の少ない選択肢になります。

1月の英語版発表から日本語対応へ

この2つの機能は、Adobeが1月21日にAcrobat Studio向けとして発表したAI機能群に含まれていたものです[2]。同じ発表では、ページやテキスト、コメント、画像の削除、電子署名やパスワードの追加をチャットで指示できる操作に加えて、文書からプレゼンテーション資料を組み立てる「Generate Presentation」も公開されていました[2]。今回日本語版として届いたのは、このうち操作系とポッドキャスト生成の2つという形です。

Adobeは同じ発表の中で、Acrobat全体でのAI利用がこの1年で4倍に増えたとしています[2]。PDFを読んで理解するための機能として始まったAIアシスタントが、文書を書き換えたり別の形式に作り替えたりする方向へ広がってきた流れの延長に、今回の日本語対応が位置しています。

まとめ

AdobeはAdobe Acrobatの「チャットによるPDF操作」と「ポッドキャストを生成」を日本語で提供開始しました。前者はページの削除や署名の追加といった操作を自然言語の指示で実行でき、後者はPDFの内容を音声コンテンツに変換します。対象はAcrobat Standard以上のサブスクリプションプランと、月額680円からのAcrobat AI アシスタント Plusです。国内調査では79パーセントがチャットによるPDF操作に利用意向を示しており、日本語対応によって実際に試せる人の範囲が大きく広がることになります。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000558.000041087.html

出典:https://news.adobe.com/news/2026/01/adobe-acrobat-studio-transforms