Metaは年次イベントで、AIエージェント「Muse」を常時持ち歩くための専用端末「Muse Charm」を披露しました。キーホルダーほどの大きさに画面とカメラ、5G通信を詰め込み、スマートフォンを取り出さなくても音声でAIと対話できる新しい形の端末です。同じ場でお披露目されたハイエンドVRグラスとあわせて、Metaが描くAIエージェント普及の次の一手として注目を集めています。
キーホルダーサイズの新型AIデバイス
Muse Charmは、手のひらに収まるパック状の筐体に、角の丸い正方形に近い約2インチのOLEDタッチスクリーンを搭載した端末です。本体側面には指紋センサーを備え、押すだけでAIエージェントとの会話を始められます。前面と背面にカメラを内蔵しており、写真や映像を撮る用途というより、目の前の状況をAIエージェントに認識させ、行動の判断材料にする目的が主とされています。スピーカーとマイクで音声のやり取りを行うほか、本体単体でも通信できるよう5Gモデムを内蔵し、Wi-Fiにつながっていない外出先でもAIエージェントを呼び出せる設計です。充電端子はUSB-C、背面や側面が透けて内部基板が見える半透明の筐体を採用しており、リストストラップやキーホルダー用のひもで手首やバッグに取り付けて持ち歩くことを想定しています。
音声AIエージェント「Muse」を持ち歩く
Muse Charmが動かすのは、Metaが2026年9月8日に公開したパーソナルAIエージェント「Muse」です。Museは質問に答えるだけでなく、メールの読み書きや旅行の予約、各種フォームの入力、交渉や購入といった作業をユーザーに代わって自律的に進められるのが特徴で、目標を伝えるとアプリを閉じた後も処理を継続し、やり取りを重ねるほど好みを記憶していきます。基盤にはMeta独自の「Muse Spark」モデルを採用し、専用アプリやウェブ版に加えてWhatsApp経由でも利用できます。
料金体系は、週あたり最大1億トークンまで使える無料プランに加え、月額20ドル(約3,160円)の「Power」、月額100ドル(約1万5,800円)の「Maximum」という有料プランが用意されています。現時点ではアメリカの18歳以上を対象にした提供にとどまっており、他地域への展開時期は明らかにされていません。
あえて「かわいく」設計されたAIデバイス
Muse Charmの画面には、ユーザーが自分で名前を付けられる丸くふっくらとしたキャラクター風のアバターが表示されます。声だけで応答する従来の音声アシスタントや、文字中心のチャットボットとは異なり、あえて愛嬌のある見た目のキャラクターを介してAIと接する設計を選んだ形です。AIによる失業や制御不能への懸念が社会的に広がるなか、親しみやすい造形を通じて身構えずに使ってもらう狙いがあるとみられ、自動運転車やロボットの分野でも威圧感を抑えた丸みのあるデザインが選ばれる例が増えている流れとも重なります。
なお、Muse Charmは2026年9月下旬に開催されたイベントの基調講演で披露された段階であり、Meta自身も「詳細は年内にあらためて紹介する」としています。価格は未定ですが、12月のホリデーシーズンまでの出荷を目指すとしており、現時点では試作段階の位置づけです。同じ基調講演では、重量約100グラムのハイエンド新型VRグラス(価格1,299ドル、約20万5,000円)も発表されており、軽量なVR機器とキーホルダー型AI端末という異なる形の製品を通じて、日常生活によりAIを溶け込ませる方針を示した格好です。
まとめ
Meta Connect 2026で披露された「Muse Charm」は、同社のパーソナルAIエージェント「Muse」を音声で持ち歩くための専用ハードウェアです。2インチ画面や前後カメラ、5G通信を備えつつ、あえて愛嬌のあるキャラクター表示を採用した点が特徴で、価格は未定ながら、12月のホリデーシーズンまでの出荷が予定されています。スマートフォンを介さずにAIエージェントへアクセスする手段として、今後の詳細発表が注目されます。
※1ドル158円換算(2026年9月25日時点)
参考: TechCrunch
