1万円以下の10インチAndroidタブレットは本当に使えるのか?ZONKO「K105」を買ってみた
とある法人でタブレットを導入することになったんですが、なんと予算は1台1万円。
Apple 信者の筆者としては迷わず iPad をお勧めしたいところだったのですが、1万円では到底不可能だし、そもそも ASUS や SAMSUNG などのブランドメーカー製も全部無理じゃん!
・・となると、Amazon で売られている中国製の激安Androidタブレットしか選択肢が無いですよね。
Android 9 以上を搭載しつつ10インチサイズに絞って調べてみると、1万円以下のタブレットがあり、レビューもそこそこいい感じ。
しかしこの手の商品はサクラレビューである可能性もあるため、ここは人柱になる気持ちで1台試験的に購入してみました。
購入したのはこちらの「ZONKO K105」10インチAndroidタブレット。
予算内に収まる価格(記事執筆時)で、4コアCPU、2GBのメモリと32GBのストレージ、割と新しい Android 9 搭載、バッテリーは6,000mAh、3Gのモバイルデータ通信も可能と、価格に対してこのスペックはかなり優秀な感じ。
ZONKO「K105」のスペック詳細
CPU | Mediatek MT6580 – Arm Cortex-A7 @1.3GHz – 4コア |
メモリ | 2GB LPDDR3 – 533MHz ※公称値 |
ストレージ | 32GB eMMC |
OS | Android 9.0 |
ディスプレイ | 10インチ 1280 x 800 IPS液晶 |
バッテリー | 6,000mAh |
通信 | Wi-Fi (b/g/n)、Bluetooth、3G |
外部スロット | microSD(最大128GB)x1、SIM(標準)カード x2、3.5mmヘッドフォンジャック x1、microUSB端子 x1 |
カメラ | インカメラ:200万画素、アウトカメラ:500万画素 |
※メモリ容量については後述しますが、実際には2GBではなく1.5GB程度である可能性があります。
開封レビュー
まずは外箱から。
意外にも箱自体はしっかりしています。
箱を開けるとタブレットが見えます。
左のスペースには「ACアダプター」と「USBケーブル」が入っています。
そしてこちらがタブレット本体。
価格にしては割としっかりしているかな?といった印象です。
画面には最初から画面保護シートが貼られています。
しかしこの画面保護シートが厄介で、最初からかなり気泡が入った状態になっていました。
保護シートはかなり傷が付きやすいもののようで、気泡を取ろうとするだけで傷がどんどん付いていってしまいます。
液晶自体もかなり柔らかい素材で出来ており、力を入れたところ折り目がついてしまったので、最終的に気泡を取るのは諦めました・・。
本体右側面には、電源ボタンと音量スイッチ、3.5mmヘッドフォンジャックが付いています。
充電・通信用の microUSB 端子は右上に付いています。
タブレットの裏側です。
安い割にそこまで安っぽさは無い気がします。
しっかりと技適マークが付いているので、日本国内で使っても問題ありません。
アウトカメラはこんな感じです。
片方がカメラで、もう片方はフラッシュ用のLEDと思われます。
デュアルレンズという訳ではないのでご注意を。
microSD とSIMカードスロットは、フタを開けたところにあります。
フタが結構固めになっているので、力を入れすぎると割れてしまいそうな感じで、
頻繁に開け閉めしていると、いつかパリーンといってしまいそうです。
3G SIMカードスロットは、今では珍しい標準サイズなので、現在主流のnanoSIMカードはそのままでは差さりません。
国内の 3G サービスは数年後には終了するので、使用できるのはそれまでです。
起動してホーム画面を開くとこんな感じになります。
余計なアプリが全く入っておらず、ほとんど素のAndroidのようです。
国内のキャリアは余計なアプリを入れすぎなのでこれぐらいが丁度良いですね。
性能は価格を考えれば仕方がないレベル
実際に使ってみた感想ですが、かなりモッサリ感があります。
「人が怒り出さないギリギリのライン」を攻めたかのような感じで、画面のボタンを押しても反応が無いとき、「タッチパネルの精度が悪いのか」「処理が遅いのか」分からないので、適当に連打していると動き出すといった感じです。
画面も、スマートフォンなどの高精細なディスプレイに慣れている人からすると、荒いと感じてしまうかもしれません。
YouTube で720pの60fpsの動画を再生してみましたが、コマ落ちしてしまったので、720pの30fpsまでが再生できる限界の様です。
価格を考えれば仕方がないことですが、これを買うぐらいなら数千円プラスして違うものを買った方が良い気がします。そんな感じです。
Google Play でアプリを入れようとしたら
Google Play ストアでアプリを入れようとしたところ、かなりのアプリが非対応となっており、インストールが出来ませんでした。
例えば、PUBG MOBILE、荒野行動、FORTNITE などは「お使いのデバイスはこのバージョンに対応していません」と表示されてインストールが出来ません。
ゲーム目的で購入を考えている人は注意が必要です。
ちなみに、インストール可能な3Dゲームをプレイしてみたところ、チュートリアル画面で落ちてしまったので、インストールできたとしても遊べるかどうかは不明です。
ブラウジングや動画再生用など、用途が限られたタブレットだと思います。
ベンチマークしてみた
Geekbench 4.4.0
現行バージョンの Geekbench 5 はインストールが出来なかったため、旧バージョンの4.4.0を使用しての検証となります。
Geekbenchはバージョン5と4にスコアの互換性は無いので注意してください
ベンチマーク結果は、シングルコア439、マルチコア1177となりました。
参考までにシングルコアスコアでは、2013年発売の Xperia Z1 が900~、2012年発売の iPhone 5 が760~といったところなので、これらの機種の半分ほどの性能ということになります。
ちなみにですが、メモリが1.42GBと認識されているのが気になります。
Antutu Go
Antutuベンチマークも、標準のものはインストール出来なかったので軽量版の Antutu GO を使用しました。
GPUのベンチマークは動かなかったため、スコアが0になってしまいました。
CPUのスコアは17680でした。
端末の詳細を見てみましたが、やはりメモリに関してはこちらも1.4GBと認識されているようです。
ストレージ容量は問題ないのですが、メモリは気になりますね・・。
搭載メモリは2GBではなく1.5GB
メモリ容量はカタログ上では2GBとなっていますが、ベンチマークアプリやCPU-Z で確認したところ、どれも1.4GBと認識されていました。
メモリやストレージは表示されている容量よりも、実際に使える容量は少なくなるものですが、本当に2GB搭載しているなら1.8GBぐらいはあるはずです。
いくらなんでも1.4GBというのはさすがに少ないので、K105の実際に搭載しているメモリは1.5GB程ということになります。
カメラの画質はそこそこ頑張る
アウトカメラで撮影したものがこちらです。
5MPなので500万画素になります。
そこそこ撮れているかなといった感じですね。
毛並みもちゃんと写っています。
激安タブレットということを考えると、十分な画質だと思います。
最新のスマートフォンには敵いませんが、ちょっとした撮影ぐらいには使用できそうです。
総評
どうしても予算は最小限に抑えなければいけない・・という場合には選択肢になるかとは思います。
しかし、対応アプリの少なさや、液晶の脆さ、メモリ容量の嘘などを考えると、もう数千円足して、他のタブレットを買った方が良いかもしれません。
新品にこだわらなくて良いなら、中古市場でブランドメーカーのタブレットを購入するのも一つの方法です。