Microsoftが8月27日(現地時間)に配信した2026年8月のWindows非セキュリティプレビュー更新で、タスクバーを画面の上下左右どこにでも置けるようになりました。Windows 11では長らく画面下に固定されていた部分です。スタートメニューのサイズ選択やWindows Searchの整理も同時に入りましたが、適用は必須ではなく、不具合の報告も出ています。
画面下固定という制約が外れました
対象は、Windows 11 バージョン 24H2 と 25H2 向けの KB5120998、そしてバージョン 26H1 向けの KB5120996 です。
今回いちばん反応が大きいのは、タスクバーの配置です。Windows 10 までは当たり前だった上下左右への移動が、Windows 11 の登場以降は下辺固定になっていました。マルチディスプレイで縦長の画面を使う人や、Mac のように上辺へ置きたい人にとっては、地味に不便な仕様だったと思います。
設定場所は[個人用設定]-[タスク バー]-[タスク バーの動作]-[タスク バーの位置]です。ツールチップやフライアウトの表示方向も配置に合わせて追従するため、単に貼り付け位置を変えるだけの実装ではありません。ただし検索ボックスと後述の小さいタスクバーは、上辺と下辺に置いたときだけ有効です。左右に寄せる場合は、この2つを諦める前提になります。
タスクバーもスタートメニューも小さくできます
同じ更新で、タスクバーのサイズに「小」が加わりました。アイコンと高さの両方が縮み、その分だけ作業領域が広がります。スタートボタンや検索、システムトレイへのアクセスは維持されるので、単純に情報密度が上がる変更だと考えて差し支えありません。[タスク バーの動作]の設定セクションが既定で開いた状態になり、これらの項目にたどり着きやすくなった点も細かいながら効きます。
スタートメニュー側は、これまでの「自動」に加えて「小」「大」を選べるようになりました。設定は[個人用設定]-[スタート]-[スタート メニューのサイズ]です。あわせて「おすすめ」セクションが「最近使用」へ改称され、ユーザー名とプロフィール画像を隠すオプションも追加されています。人前で画面を映す機会が多い人には、後者のほうがありがたいかもしれません。
検索は「何が開くのか」を先に見せる方向へ
Windows Search はホーム画面が簡素化され、検索結果に出所のラベルが付くようになりました。アプリ、設定、ファイル、Web、ストアのどれなのかがクリック前に分かるため、ローカルのファイルを探していたのにブラウザーが開く、といった取り違えが減ります。
Web とストアの候補を結果に混ぜるかどうかは、[プライバシーとセキュリティ]-[検索]で切り替えられます。よく使うフォルダーを自動的にインデックスへ追加する動きも入りました。エクスプローラー側でも、ホーム画面の起動が軽くなり、「おすすめ」セクションがタッチスクロールに対応しています。
管理者権限は一時付与へ、WMICは退場します
見た目の話ばかりではありません。管理者保護(Administrator Protection)の展開が始まりました。管理者権限を常時持たせず、必要な操作のときだけ一時的に与える仕組みで、権限昇格を狙う攻撃に対する耐性を高める狙いがあります。既定では無効で、Microsoft Intune の OMA-URI かグループポリシーから有効化します。個人よりも、まず組織のIT管理者が評価する機能です。
もう1つは WMIC の削除です。バージョン 24H2 と 25H2 から取り除かれ、Feature on Demand としても提供されなくなります。WMI そのものは引き続きサポートされるので、影響を受けるのは wmic コマンドを直接叩いているスクリプトです。手元に古いバッチが残っている場合は、PowerShell の CIM コマンドレットへの置き換えを検討しておく時期でしょう。
wmic csproduct get name
Get-CimInstance -ClassName Win32_ComputerSystemProduct | Select-Object Name
日本語環境向けの修正も入りました。Microsoft IME での入力時に発生していたハングアップが軽減されたほか、RemoteApp アプリでの日本語入力、クラシック版 Outlook の検索まわりにも手が入っています。
今すぐ入れる必要はありません
注意しておきたいのは、これがプレビュー更新だという点です。セキュリティ修正は含まれず、適用はオプション扱いになります。次の月例更新は9月8日(米国時間)に予定されており、待っていれば同じ内容が自動で降りてきます。
しかも今回は、適用後にマウスカーソルのカスタマイズ設定が変わってしまうという報告が上がっており、Microsoftも把握して調査中だとしています。壁紙が黒くリセットされるという報告も出ていますが、こちらはMicrosoftからの確認は出ていません。影響を受けた環境では、更新プログラムをアンインストールすることで元に戻ったという報告が出ています。
加えて、ここで挙げた新機能は段階的な展開です。更新を当てたからといって、その日のうちに全部が使えるようになるとは限りません。タスクバーを今日中に左へ動かしたいという強い動機がないのであれば、来月のパッチチューズデーまで様子を見るのが無難だと思います。
まとめ
2026年8月のWindows 11プレビュー更新(KB5120998 / KB5120996)は、タスクバーの上下左右配置、タスクバーとスタートメニューのサイズ選択、Windows Search とエクスプローラーの整理、管理者保護の展開開始、WMIC の削除を含みます。Windows 11 で不満の多かった見た目まわりの制約が、ようやくまとめて緩んだ更新です。ただしオプション提供で、カーソルや壁紙が戻ってしまう報告もあります。急ぎでなければ、9月8日の月例更新を待つほうが安全です。
