シャープが6月16日、同社初となるウェアラブルデバイスを発表しました。新ブランド「からだメイト」の第1弾として、スマートウォッチ「からだメイト Watch(MH-W01)」とスマートリング「からだメイト Ring(MH-R01)」の2機種をそろえ、7月9日に発売します。腕に着けるだけで食事の摂取カロリーを自動で計測するウォッチと、わずか2.1gから始まる超軽量リングという組み合わせで、スマートフォン「AQUOS」で培った技術を体調管理の領域へ広げます。
摂取カロリーを自動で計測する「からだメイト Watch」
からだメイト Watchの最大の特徴は、食事で取り込んだカロリーを自動で計測できる点にあります。一般的なスマートウォッチは消費カロリーや運動量を記録しますが、本機は「食べた量」の側を推定するという珍しいアプローチを採ります。
これを支えるのが、米HEALBE Corporationのセンシング技術「FLOWテクノロジー」です。食事をして栄養が体に取り込まれると、血糖(血液中の糖の濃度)が変化し、それに伴って細胞内外の水分の移動が起こります。からだメイト Watchはこの体内の水分移動をセンサーで読み取り、独自のアルゴリズムで摂取カロリーを推定します。利用者が手作業で食事を入力しなくても、おおよそのカロリーが記録される仕組みです。
シャープによると、カロリー計測の精度は約89パーセントとされています。食品表示のカロリー値にもともと一定の誤差が含まれることを踏まえると、日々の食生活を振り返るうえで十分に参考になる水準と言えます。計測した摂取カロリーと消費カロリーの差から、その日のカロリーが「とり過ぎ」か「足りない」かを判断し、振動とアラートで知らせてくれます。
独自UI「サーキットビュー」とタフネス性能
操作面では、シャープ独自のユーザーインターフェース「サーキットビュー」を採用しました。歩数や消費カロリー、天気、今後の予定など、その時間帯に必要な情報を自動で切り替えて画面に表示します。利用者が自分でメニューを探さなくても、知りたい情報が自然と目に入る設計です。
本体はIP6Xの防塵とIPX8、さらに5気圧(5ATM)の防水に対応し、中性タイプのハンドソープを使った水洗いもできます。ディスプレイのカバーには傷に強いCorning Gorilla Glass 5を採用し、ボディはステンレス素材で仕上げました。バンドは一般的な20mm幅の市販品に対応するため、好みに合わせて付け替えられます。
2.1gの超軽量スマートリング「からだメイト Ring」
もう一方のからだメイト Ringは、画面を持たず、指に着けたまま体の状態を計測するサイレントなデバイスです。アクティブに記録するウォッチに対し、リングは睡眠や安静時の計測に向くという役割分担を想定しています。
センシングには日本のSOXAIの技術を活用し、加速度、心拍、血中酸素レベル測定用の赤色/赤外線、皮膚温度という4種類のセンサーを搭載します。これにより、歩数や心拍、皮膚温度、睡眠の状態などを終日計測できます。
特筆すべきは装着感の軽さです。幅6.7mm、厚さ2.8mmとコンパクトで、重量はサイズによって約2.1gから3.1gに抑えられています。着けていることを忘れるほどの軽さを狙い、就寝中も違和感なく使えるよう設計されました。電池の持ちも長く、1回の充電で最大14日間動作します。残量が少なくなると連携するスマートフォンへ通知が届くため、こまめな充電を意識せずに使い続けられます。
耐久性にも配慮し、本体外装にはチタニウム素材を採用したうえで、腕時計などにも用いられる傷がつきにくい「デュラテクト」コーティングを施しました。防水はIPX8(水深100m相当)、防塵はIP6Xに対応するため、家事や運動、水まわりでも外さずに過ごせます。カラーはゴールドとシルバーの2色、サイズはUS規格の4号から13号まで10種類を展開し、指に合うサイズを選べるよう専用のサイジングキットも用意されます。
価格と発売日
両機種とも7月9日に発売されます。シャープの公式オンラインストア「COCORO STORE」での販売価格は、からだメイト Watchが5万9400円、からだメイト Ringが4万1800円です。価格はオープン価格で、ドコモやソフトバンクといった通信事業者、家電量販店、MVNO各社などからも順次取り扱われます。
シャープは、すでに飽和したスマートフォン市場に比べて成長余地が大きいとみてウェアラブル事業を新たな収益の柱に育てる方針です。スマートフォンでは販売の比重を中価格帯から高価格帯へ移しつつ、健康分野で裾野を広げる狙いがうかがえます。後発での参入となりますが、摂取カロリーの自動計測という独自の切り口で、すでに多くの選択肢があるウェアラブル市場での差別化を図ります。
まとめ
シャープが初めて投入するウェアラブル「からだメイト」シリーズは、摂取カロリーを自動で計測するスマートウォッチと、2.1gからの超軽量スマートリングの2本立てです。HEALBEのFLOWテクノロジーやSOXAIのセンシング技術といった外部の強みを取り込みつつ、サーキットビューや高い防水・防塵性能でシャープらしさも加えました。7月9日の発売後、摂取カロリーという新しい指標を日々の健康管理にどう生かせるかが、使い込むほどの満足度を左右しそうです。