ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「MOMENTUM True Wireless 5」が、9月3日に発売されます。市場想定価格は49,940円前後で、カラーはグラファイト、クリーム、デニム、ラベンダーの4色です。イヤホン本体と充電ケースのバッテリーをユーザー自身で交換できる設計を採用し、同社の完全ワイヤレスとしては初めてDolby Atmosの3Dオーディオに対応しました。
電池がへたっても買い替えなくていい
完全ワイヤレスイヤホンは、内蔵バッテリーが弱ってきた時点で寿命を迎える製品です。本体が小さいぶん電池容量も小さく、数年使えば再生時間が目に見えて縮んでいきます。MOMENTUM True Wireless 5が正面から手を入れたのが、まさにこの部分です。
イヤホン本体(左右各72mAh)と充電ケース(760mAh)のリチウムイオンバッテリーは、標準的な工具を使ってユーザー自身が交換できる構造になっています。製品にはバッテリー交換用のツールが同梱され、交換用の電池だけ別途用意すれば作業できます。5万円近い買い物になるだけに、本体が丸ごと使えなくなる前に電池だけ替えられるというのは、実利のある違いです。
同梱品はイヤホン本体、充電ケース、USB-C充電ケーブル、XS/S/M/Lの4サイズのイヤーチップ、バッテリー交換用ツール、取扱説明書となっています。
7mmドライバーとロスレス伝送
音を鳴らすのは、直径7mmのダイナミック型「TrueResponse」ドライバーを左右に1基ずつという構成です。再生周波数帯域は5Hzから21kHz、感度は107dB SPL(1kHz/1mW)、全高調波歪みは1kHz/94dBで0.08パーセント未満と公表されています。
無線はBluetooth 6.0準拠で、コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive、aptX Losslessに対応します。ロスレス伝送を使えば最大24ビット/96kHzの解像度で再生でき、対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HFPです。マルチポイントにも対応するため、パソコンとスマートフォンをつないだまま切り替える使い方ができます。
Dolby Atmosと自分専用の音質調整
ゼンハイザーの完全ワイヤレスとしては初めて、Dolby Atmosによる3Dオーディオに対応しました。ヘッドトラッキングも使えるので、頭を動かすと音場がそれに追従します。映画やゲームのように前後左右と頭上に音が置かれるコンテンツでは、効き方の違いがわかりやすいはずです。
音質のカスタマイズは「Smart Control Plus」アプリが担当します。フラウンホーファー研究所と共同開発したサウンドパーソナライゼーションが、音声ガイドに沿って聞こえ方を測りながら好みに寄せてくれるほか、8バンドのイコライザーで手動調整もできます。
なお、本機は日本オーディオ協会のハイレゾワイヤレス認証を取得していません。ゼンハイザーは、認証に必要なスペックを満たすことよりも、TrueResponseドライバーの素性を引き出す音質を優先した結果だと説明しています。同社のワイヤレスヘッドホン「MOMENTUM 5 Wireless」やイヤカフ型の「ACCENTUM Clip」では認証を取得しており、認証そのものを軽んじているわけではないとしています。
ノイズキャンセリングと通話は骨伝導で底上げ
ノイズキャンセリングはハイブリッド方式のアダプティブANCで、周囲の騒音に合わせて効き方が自動で変わります。イヤーチップは軸の厚みを増した新設計に変わり、物理的な遮音性も上がっています。屋外で耳障りになりやすい風切り音については、風の強さを検知して自動で抑えるモードが用意されました。
通話まわりは片側4基、合計8基のマイク構成です。このうち1基は骨伝導タイプで、声そのものではなく発話時の振動を拾います。ビームフォーミングとAIによる音声分離を組み合わせることで、駅のホームや人混みのような環境でも話し手の声だけを取り出す狙いです。マイクの周波数範囲は超広帯域通話モードで最大16kHzとなっています。
62gに収まる本体と再生時間
再生時間はイヤホン単体でANCオフ時に最大12時間、ANCオン時に最大6時間、充電ケースと合わせた合計で最大40時間です。フル充電にかかる時間は約1.5時間で、8分の充電で1時間ぶんの再生ができます。充電はUSB-C(Power Deliveryには非対応)に加えて、Qi 2.1のワイヤレス充電にも対応します。
重量はイヤホン片側が7g、充電ケースが55gで、合計62gです。イヤホンを収めた状態のケースは67.2×48.4×25.0mmで、防塵・防滴はイヤホン本体のみIP54となっています。設計はドイツ、製造は中国です。
発売を記念して、8月20日から10月20日までに購入すると通常1年の製品保証が1年延長され、合計2年間の保証を受けられるキャンペーンも実施されます。
まとめ
MOMENTUM True Wireless 5は、7mmのTrueResponseドライバーとaptX Losslessによる24ビット/96kHz再生、Dolby Atmos対応、8基のマイクによる通話強化と、上位機らしい内容を一通り備えたモデルです。加えて、イヤホンとケースの両方でユーザー自身が電池を交換できる設計を採用した点が、同価格帯のなかでは際立ちます。発売は9月3日、市場想定価格は49,940円前後です。
