長時間のゲームで手のひらが蒸れる問題に、冷却ファンで正面から向き合った製品が出てきました。Pulsar Gaming Gearsの「Feinmann F01 Noctua Edition」は、PC自作界隈でおなじみのオーストリアNoctuaが手掛ける40mmファンを本体に組み込んだワイヤレスマウスです。ファンとバッテリーを積みながら重量は73gに収まっており、価格は179.95ドル(約2万9,000円)となっています。
蒸れを風で逃がすという発想
マウスの握り心地を左右する要素のうち、形状や重量は各社が長年磨いてきた領域です。一方で手汗や熱のこもりは、穴あきシェルで通気を確保する程度の対処が主流でした。Feinmann F01はそこに能動的な送風を持ち込みます。
搭載されるのはNoctuaの「NF-A4x10 5V PWM」です。40mm角、厚さ10mmという小型ファンで、PWM制御によって必要なときだけ風量を上げる仕組みになっています。Noctuaは2005年にウィーンで創業したメーカーで、ゲーミングPCやワークステーションだけでなく、医療機器や実験装置のような静粛性と長寿命が求められる現場でも採用されてきた実績があります。そのファンを、マウスという極端に狭い筐体向けに調整したというのが今回の座組みです。
風は穴あきシェルの内側を通って外へ抜けるため、手のひらの下に熱がたまりにくくなります。握りが冷えていれば、それだけグリップが安定するという考え方で、長丁場のプレイ中に感触が変わっていく現象を抑える狙いがあります。
ファンと500mAh電池を積んで73g
冷却機構を足せば重くなるのが普通ですが、Feinmann F01の実測重量は73g(±2g)です。ボディには高強度の炭素複合素材が使われており、穴あき加工で通気を稼ぎつつ剛性を落とさない設計になっています。
サイズは全長121.7mm、幅66.5mm、高さ43.3mmで、右手用のエルゴノミック形状です。手の大きさでいえばミディアムクラスにあたります。電源は500mAhのバッテリーで、マウス本体とファンの両方をこれ1つで賄います。当然ながらファンを回すぶん電池の減りは速くなるため、駆動時間はポーリングレートやファンの回転数によって変わります。ファンを切れば持ちを優先でき、回せば冷却を優先できるという、ユーザー側で振り分ける設計です。
センサーは新世代のXS-2、ポーリングは8000Hz
トラッキングを担うのはPulsarの新しいフラッグシップセンサー「XS-2」です。最大42,000DPI、追従速度800IPS、加速度耐性70Gという仕様で、DPIは1カウント刻みで調整できます。内部には32bitのARMプロセッサーを積みます。
付属の「LINK 8Kレシーバー」を使うと最大8,000Hzのポーリングレートに対応し、応答遅延は0.125msまで縮まります。メインスイッチは1億回のクリックに耐えるPulsar製の光学式で、機械式接点で起きがちなチャタリング(意図しない二重クリック)を構造的に避けています。リフトオフディスタンスは0.7mmから1.7mmまで11段階、スクロールホイールはアルミ合金製のものが採用されました。
ソフトを入れなくてもファンを操作できる
面白いのは操作系です。ファンの回転はレシーバー側のボタンでも、マウス本体でも変えられます。本体側は両サイドボタンを押しながらホイールを上に回すと冷却がオン、下に回すとオフになります。回転数の増減も同じ操作系で完結するため、ゲームの最中に手を離さずに調整できます。
レシーバー側にはDPI専用ボタンと、割り当てを変更できるファンクションボタンが用意されています。後者にはポーリングレート、プロファイル、リフトオフディスタンス、ターボモード、デバウンス時間などを割り当てられます。細かい設定を詰めたい場合は、ブラウザ上で動く設定ツール「Bibimbap」からDPIやファン速度、マクロを編集する形になり、ドライバーのインストールは必須ではありません。
価格は179.95ドル、パッケージは3点構成
価格は179.95ドル(約2万9,000円)で、Pulsarの公式サイトと各国の正規販売店を通じて販売されます。パッケージにはマウス本体、LINK 8Kレシーバー、USB Type-Cケーブルの3点が入ります。
冷却ファン入りという一点だけを見れば色物に映るかもしれませんが、センサーもスイッチも同社の最新世代で固められており、仕様表の水準は上位モデルそのものです。手汗に悩んできた人にとっては、重量やセンサー性能を諦めずに冷却を足せる選択肢が初めて出てきた形になります。
※1ドル162円換算(2026年7月21日時点)
まとめ
Pulsar Gaming GearsがNoctuaと組んだ「Feinmann F01 Noctua Edition」は、40mmのNF-A4x10 5V PWMファンを内蔵しながら73gに収めたワイヤレスゲーミングマウスです。42,000DPIのXS-2センサーと8,000Hzポーリング、1億回耐久の光学スイッチを備え、ファンの操作はマウス本体とレシーバーの両方から可能となっています。価格は179.95ドルで、長時間プレイでの手汗と熱を製品仕様の側から解こうとした点が、この製品の主張といえます。
