Google は 2026 年 5 月 20 日、立体的な映像コミュニケーション基盤「Google Beam」に、複数人でのグループ会議を改善する新しい実験的機能を導入すると発表しました[1]。HP の没入型ディスプレイ「HP Dimension」を使い、Beam 非対応の端末から参加した相手を実物大で、まるで同じテーブルを囲んでいるかのように表示します[1]。ハイブリッド会議で遠隔参加者が抱きがちな疎外感を埋めることを狙った取り組みです。
非Beam端末の参加者を実物大で着席表示
Google Beam は、ヘッドセットや専用の眼鏡を使わずに相手を立体的に映し出す映像コミュニケーション基盤で、Google が長く研究してきたプロジェクト「Project Starline」を前身とします[1][2]。Google は、小さなタイル状の映像枠が並ぶ従来のビデオ会議では、遠隔の参加者が表情の機微を読み取りにくく、会話の当事者ではなく傍観者のように感じてしまうことがあると指摘しています[1]。
今回 Google が公開した実験は、この課題により多くの端末をまたいで対応するものです[1]。HP Dimension の没入型ディスプレイ上では、Beam 非対応の端末から参加したメンバーも実物大でレンダリングされ、自分と同じテーブルに着席しているかのような位置に配置されます[1]。Google Beam のグループ プロダクト マネージャーである Mohamed Abdelgany 氏が、今回の発表の説明役を務めています[1]。
空間音声と自動最適化で同室感を高める
映像に加えて、Beam は空間音声を組み合わせます[1]。各参加者の声を、その人が画面上で表示されている位置に直接ひも付けることで、声の出どころと話者の姿が一致し、同じ部屋にいるような感覚を高めるという仕組みです[1]。
Google によれば、この最適化は自宅から参加しても職場から参加しても自動的に働き、利用者が設定を手動で切り替える必要はありません[1]。さらに Google は、ふだん利用している会議をそのまま Beam 上で扱えるよう、Google Workspace と Zoom との連携も継続して進めていると説明しています[1]。詳細は今後 beam.google で順次公開される予定です[1]。
ハイブリッド会議の「疎外感ギャップ」を埋める狙い
Google は、こうした手法がハイブリッド会議の「inclusion gap(疎外感ギャップ)」を埋めるのに役立つとする研究結果を示しています[1]。Google の調査では、社会的なつながりの実感が 50 パーセント強まり、会話に貢献できたという回答が 21 パーセント増加したとしています[1]。
Beam の商用ハードウェアである HP Dimension は、65 インチのライトフィールドディスプレイを備え、本体価格は 24,999 ドル(約 397 万円)で、利用には別途 Beam のライセンスが必要です[3]。※1ドル159円換算 2025 年後半に米国・英国・カナダ・フランス・ドイツ・日本の 6 か国で提供が始まり、Zoom と Google Meet に対応しています[2][3]。これまで没入感のある立体的な体験は 1 対 1 の通話が中心とされてきたため[2]、複数人会議への拡張は Beam の利用シーンを広げる動きといえます。
まとめ
Google Beam の新しい実験は、HP Dimension のディスプレイ上で非対応端末の参加者を実物大かつ空間音声付きで表示し、ハイブリッド会議の疎外感を減らすことを目指すものです[1]。高価な専用機材を前提とする段階ではありますが、Google は Workspace や Zoom との連携を続けると表明しており、対応端末や利用シーンが今後どこまで広がるかが注目されます[1]。
