Microsoftが6月16日(現地時間)、一般消費者向けの新型「Surface Pro 13インチ」と「Surface Laptop 13.8インチ/15インチ」を発表しました。中身の主役はQualcommの新SoC「Snapdragon X2シリーズ」で、前世代に比べGPU性能がSurface Proで最大53%、Surface Laptopで最大58%伸び、バッテリー駆動時間も延びています。ハイエンド向けSurfaceの刷新は約2年ぶりで、米国では同日から販売が始まりました。

主役はSnapdragon X2、GPUとAI処理を底上げ

今回のモデルで最も大きく変わったのは、頭脳となるSoCです。従来のSnapdragon Xシリーズから、Qualcommが2025年9月のSnapdragon Summitで披露した第2世代「Snapdragon X2シリーズ」へと置き換わりました。

Snapdragon X2シリーズは、CPUコア「Oryon」を強化して最大18コア(12のプライムコアと6のパフォーマンスコア)まで拡張できる設計です。描画を担うGPU「Adreno X2」は内部構造が刷新され、性能は最大で2.3倍に高まりました。AI処理専用のNPU(ニューラル演算ユニット)も、従来の45TOPSから80TOPS(一部のSKUでは85TOPS)へと引き上げられています。TOPSは1秒あたりの演算回数を兆単位で示す指標で、数値が大きいほど画像生成や文字起こしといったAI処理を速くこなせます。

新Surfaceに載るのは、12コアの「Snapdragon X2 Elite」と10コアの「Snapdragon X2 Plus」で、いずれもNPU性能は80TOPSとされています。この世代交代によって、Surface Proでは前モデル比で最大53%、Surface Laptopでは最大58%のGPU性能向上を実現しました。ゲームや、GPUを使うAIアプリケーションで効いてくる強化点です。

バッテリー駆動時間も延びました。Surface Proのビデオ再生時間は従来の14時間から15.5時間へ、Surface Laptop 13.8インチは最大20時間に達します。Microsoftはバッテリー容量を公表していませんが、筐体の大きさや重量が前モデルから変わっていないことを踏まえると、容量自体は据え置きで、消費電力の改善によって駆動時間が伸びたと見るのが自然です。

外観は据え置き、メモリとストレージの選択肢が拡充

性能が大きく進化した一方で、見た目や使い勝手はあえて前モデルを踏襲しています。Surface Proは13型ディスプレイ(OLEDまたはLCD、2,880×1,920ドット、120Hz)、Surface Laptopは13.8型と15型のいずれもLCD(2,304×1,536ドット、120Hz)で、解像度やリフレッシュレートは従来通りです。ポートの数や位置、本体サイズも変わっていないため、Surface Proでは従来のキーボードをそのまま使い回せます。

実用面で効いてくる変更が、メモリとストレージの構成です。従来は16GB/32GB/64GBの3段階だったメモリに24GBモデルが加わり、Surface Pro・Surface Laptopの両方で選べるようになりました。さらにSurface Laptopには2TBのSSDを搭載する上位構成も追加されています。容量の刻みが増えたことで、予算や用途に合わせて選びやすくなった格好です。

なお接続まわりは、USB4を2基備えるほか、Surface LaptopではUSB 3.2やヘッドホン端子、15型モデルではmicroSDカードスロットも用意されます。無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応します。

ラインナップと価格、発売時期

今回発表されたのは、世代名まで含めると「Surface Pro 13インチ(12th Edition)」「Surface Laptop 13.8インチ(8th Edition)」「Surface Laptop 15インチ(8th Edition)」の3機種です。Microsoftは2024年5月にハイエンド向けのSurface Pro/Laptopを刷新したあと、2025年は普及価格帯の12型・13型モデルのみを投入していました。ハイエンド向けの本格的な更新は約2年ぶりとなります。

日本での価格は、Surface Pro 13インチ(12th Edition)が29万1,280円から、Surface Laptop(8th Edition)が29万1,890円からです。米国では6月16日(現地時間)に販売が始まり、価格はそれぞれ1,499ドル(約24万円)、1,599ドル(約26万円)からとなっています。

※1ドル=160円換算(2026年6月17日時点)

このほか、Core Ultraシリーズ3を搭載する法人向けモデルについては、7月14日からの販売開始が予定されていることも明らかにされています。

まとめ

新しいSurface Pro/Laptopは、外観や画面はそのままに、Snapdragon X2シリーズへの世代交代でGPUとAI性能、バッテリー駆動時間を引き上げた堅実な刷新です。GPU性能はSurface Proで最大53%、Surface Laptopで最大58%向上し、NPUは80TOPSへ強化されました。メモリに24GB、Surface Laptopに2TB SSDという選択肢が増えた点も実用的です。価格は日本で29万円台からと手軽ではありませんが、Copilot+ PCとしての処理性能と長時間駆動を重視する人にとって、有力な選択肢になりそうです。