LINEヤフーは2026年7月2日、コミュニケーションアプリ「LINE」のサービス開始15周年に合わせた発表会を開き、今後実装する新機能をまとめて公開しました。送信後のメッセージ編集や通話の録音、月290円の手軽な新プランなど、利用者の細かな要望に応える機能が並びます。あわせてAIエージェントを軸にした新ビジョンも打ち出しました。

トーク機能に4つの新機能、まずは無料で先行テスト

今回の発表でとくに注目を集めたのが、毎日使うトーク画面に加わる4つの新機能です。いずれも8月以降に「LINEラボ」で無料の先行テストとして提供され、2026年秋以降に有料サービス「LYPプレミアム」の特典として正式に提供される予定です。

1つ目はメッセージ編集機能です。送信してから15分以内であれば、自分が送ったメッセージを後から手直しできます。誤字脱字の修正といった場面で役立ちますが、トラブルを避けるため、直したメッセージには「編集済み」の表示が残る仕様です。

2つ目はプレミアムブロックです。従来のブロックに加えて、相手の友だちリストからも自分のアカウントを消せる、いわば「そっと消える」機能です。もうやり取りをしたくない相手と距離を置きたい、という切実な声から生まれたもので、従来のブロックと選んで使えます。

3つ目はメッセージ予約機能です。送りたい日時を指定しておけば、その時間に自動で送信されます。誕生日の午前0時ちょうどに送りたいときや、深夜・早朝を避けて連絡したいときに便利です。

4つ目は通話レコーディング機能で、LINEの通話を録音・録画できます。店舗の予約や仕事の重要なやり取りを後から見返したいときに使えるほか、録音した内容をAIが解析して文字起こしし、テキストとして保存する機能も備えます。

AIエージェント「Agent i」がアプリ全体に広がる

LINEヤフーは、今回の発表の背景に「Life on LINE with AI Agent」という新ビジョンを掲げました。同社のAIエージェント「Agent i」を組み合わせ、利用者の日常に寄り添う新しい価値を提供する狙いです。上級執行役員の舛田淳氏は、2011年6月23日のサービス開始から15年を振り返り、昨年末に国内ユーザー数が1億人を突破したことや、台湾・タイでもトップシェアを維持していることを報告したうえで、AIとともに次の段階へ進むと語りました。

象徴的なのが、年内のリリースを予定する「Agent i in Chat」です。友だちを招くのと同じ感覚でグループチャットにAIエージェントを招待し、メンションで直接指示を出せます。AIは会話の流れを読み取り、「誰が何をするか」をノートにまとめるタスク整理や、決まった日時と店の情報を自動でカレンダーに登録するスケジュール管理を代行します。イベント後に大量に共有された写真を、内容を判別して複数のアルバムに仕分けする機能も加わります。

ホーム画面まわりも刷新されます。従来の「ホームタブ」は、利用者の関心に基づいて情報が集まるパーソナライズされた「マイホーム」へと進化し、夏頃に全ユーザーへ提供される予定です。対話から好みを把握する「My Home Agent」と、そのデータを分析して最適な情報を提案する「Proposer Agent」が組み合わさります。

買い物や生活のミニアプリも強化

ショッピング領域では、アプリ内に「ショッピングタブ」を新設します。これまで「LINEギフト」などで培ってきた購買体験を広げ、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」と連携。気になる商品を見つけてから購入までをAIエージェントが支援し、外部のサイトへ移らずにLINE内で買い物が完結する体験を目指します。

生活に密着した「LINEミニアプリ」も進化します。モバイルオーダーなどを含め、すでに3万3000を超えるミニアプリが提供され、LINE利用者の3人に1人が使うプラットフォームに育っています。8月頃からはお気に入りや利用履歴へのアクセスが大きく改善され、AIエージェントが複数のミニアプリを横断して店を探し、順番待ちや予約まで一気に代行する仕組みも計画されています。トーク領域では、「LINEカレンダー」がスマートフォン標準のカレンダーなど外部と連携し、別のアプリを開かずに予定を集約できるようになりました。

月290円で始められる「ライトプラン」

有料サービス「LYPプレミアム」にも新しい選択肢が加わります。総会員数は2549万人、うち直接会員は666万人に達しており、同社はこの直接会員を早期に1000万人以上へ広げ、日本最大のサブスクリプションサービスに育てる目標を掲げます。

その入り口となるのが、より手軽に始められる新プラン「LYPプレミアム ライトプラン」です。第一弾の「エンジョイパック」は月額290円で、人気の高い「LINEスタンプ使い放題」「LINE通話の着信・呼出音設定」「アルバムへの動画保存」「アプリアイコン設定」の4つの特典が使えます。秋には、LINE MUSICと同額でこのエンジョイパックが付くセットプランも予定されています。

まとめ

LINEは15周年の節目に、AIエージェント「Agent i」を軸とした新ビジョンを掲げ、トークの新機能から買い物・生活の強化、そして月290円の手軽な新プランまで幅広い施策を打ち出しました。メッセージ編集や通話録音は8月以降に無料で先行テストされ、秋からLYPプレミアムの特典として正式に提供される見込みです。日常のインフラとなったアプリが、AIとともにどこまで便利になるのか、実際の使い勝手に注目したいところです。