アクションカメラで知られるInsta360が、ワイヤレスマイク「Mic Pro」を発売しました。円形の本体いっぱいに配置したカラーE-Inkディスプレイが最大の特徴で、缶バッジやエナメルピンのような見た目に仕上がっています。マイクとは思えない外観でありながら、3つのマイクと32bitフロート録音を備えた本格仕様で、Insta360のカメラとは受信機なしで直接つながります。単体価格は約1万6000円です。
マイクに見えないカラーE-Inkディスプレイ
Mic Proでまず目を引くのが、本体の正面をほぼ覆うカラーE-Inkディスプレイです。専用アプリを通じて、好きな画像や文字、自分のYouTubeチャンネルのロゴなどを表示として設定できます。発色は鮮やかで、あらかじめ用意されたデザインにはレトロなコミック調のものもあり、衣服に着けたときのアクセサリーとしても成立する仕上がりです。
表示方式に有機ELではなくE-Inkを選んだのは、消費電力を抑えつつ屋外でも視認しやすくするためです。充電中は表示が自動で切り替わり、同じ画像を出し続けることで起きる焼き付きも防ぎます。装着していてもマイクと気づかれにくい、いわば「見えるのに隠れている」デザインと言えます。
3マイクアレイと32bitフロート録音
外観のユニークさに対して、音声まわりは前世代の「Mic Air」から大きく進化しています。本体が一回り大きくなったのも、この中身の充実が理由です。
各ユニットには3基のマイクからなるアレイと、ノイズ低減用のAIプロセッサーを内蔵します。指向性は無指向性、単一指向性、双指向性の3パターンから選べ、1対1のインタビューから複数人の打ち合わせまで、収録環境に合わせて切り替えられます。さらに32bitフロートでの内部録音に対応し、想定より大きな音が入っても音割れ(クリッピング)が起きにくいのも強みです。
カメラと直結、単体での同時録音にも対応
Mic Proは、Insta360の最新アクションカメラやデバイスと直接つながります。スマートフォンや他社カメラ向けに受信機も同梱されますが、たとえば「X5」や「Go Ultra」と組み合わせる場合は受信機を介さずに48kHzの高音質で録音できます。
各ユニットには32GBのストレージを内蔵し、本体単独での録音にも対応します。電波の状態が不安定になっても手元に音声が残るため、バックアップとして心強い仕組みです。他社製カメラと使いたい人への配慮もあり、タイムコードの同期がしやすくなったほか、3.5mmオーディオケーブルやUSB-Cでの接続、カメラへのマウント取り付けにも対応します。
初心者向けの自動調整と長時間バッテリー
設定項目は上級者向けに細かく用意されていますが、ワイヤレスマイクを初めて使う人に役立つ機能も加わりました。入力レベルを自動で調整する「オートゲインコントロール」、音が荒れやすい環境向けの「クリッピング防止モード」、室内での安定した収録を狙う「ダイナミックモード」が選べます。
バッテリーは送信で約10時間、充電ケースと合わせて最大約30時間の駆動をうたいます。各ユニットにUSB-Cポートを備えるため、前モデルのように専用の充電ドックを持ち歩く必要がない点も使い勝手の向上につながっています。
価格と提供状況
Mic Proは単体が100ドル(約1万6000円)、マイク2台と受信機、充電ケースをまとめた「2 TX + 1 RX」キットが330ドル(約5万3000円)です。すでにInsta360のオンラインストアとAmazonで注文できます。※1ドル160円換算
なお、Insta360はNAB 2026でデュアルカメラを備えるDJI Osmo対抗機「Luna」も予告していましたが、カメラ本体の登場はもう少し先になる見込みです。
まとめ
Mic Proは、缶バッジのような遊び心のある外観と、3マイクアレイ・32bitフロート録音・カメラ直結といった実用機能を両立させた一台です。E-Inkディスプレイで「あえて見せる」発想は、目立たないことを良しとしてきた従来の小型マイクとは逆の方向性で、動画クリエイターにとって新しい選択肢になりそうです。