Huaweiのnovaシリーズに、しばらく途絶えていたSEの名前が戻ってくるかもしれません。中国の情報筋から出てきたのは、nova 16 SEと呼ばれる端末の仕様一式です。8,500mAhという大容量の電池、1.5K解像度のフラットな有機ELパネル、そして自社製のKirin 8020。価格帯も2,000元台から3,000元前後と伝えられており、実現すれば中位機としてはかなり攻めた構成になります。

途絶えていたSEの系譜が動き出す

novaシリーズのSEモデルは、2024年に登場したnova 12 SEを最後に新型が出ていません。数字だけを見れば4世代分の空白があり、Huaweiがこの枝を畳んだと受け取っていた人も少なくないはずです。今回の流出情報は、その空白をnova 16 SEが埋めるという内容になっています。

SEという呼び名は、上位モデルの設計を流用しつつ価格を抑えた派生機に付けられるのが一般的です。今回伝えられている仕様を見る限り、nova 16 SEもその文法から大きく外れてはいません。ただし電池容量だけは、価格帯の常識を超えた数字が並んでいます。

なお、8月上旬に中国で披露されるという観測も複数の情報筋から出ています。Huaweiは製品の発表時期を直前まで伏せることが多いため、この日程を含め正式な告知を待つ段階です。

8,500mAhの電池とKirin 8020

最も目を引くのが電池です。流出情報が示す容量は8,500mAhで、一般的な6インチ台のスマートフォンが4,500mAhから5,500mAh程度に収まることを考えると、頭ひとつ抜けた水準になります。中国メーカー各社はここ1年ほど、負極材にケイ素を混ぜて体積あたりの容量を稼ぐ手法を広く採り入れており、nova 16 SEの数字もその延長線上にあると考えると理解しやすいはずです。

処理を担うのはKirin 8020です。Huaweiが自社で設計するKirinの8番台は、フラッグシップ向けの9番台の下に位置づけられる中位クラスにあたります。日常的な操作や写真撮影、軽めのゲームを一通りこなす性格のチップで、大容量の電池と組み合わせれば、電池持ちを前面に出した売り方になりそうです。

画面とカメラ、そして外観

表示面はフラット形状のLTPS方式有機ELで、解像度は1.5K相当と伝えられています。画面の縁を曲げないフラット設計は、保護フィルムやケースを選びやすく、誤タッチが起きにくいという実利があります。曲面画面が高級機の記号として扱われた時期を過ぎて、フラットに戻す流れは中国市場でも定着してきました。

カメラは5,000万画素の背面センサーが主役で、これにRed Maple(紅楓)と呼ばれるマルチスペクトル方式のセンサーが組み合わされるとされています。マルチスペクトルセンサーは、人間の目に見える範囲を超えた波長まで光を測ることで、被写体の本来の色を推定しやすくする部品です。Huaweiは上位機でこの構成を先に導入しており、それが中位機まで下りてきた形になります。

外観については、背面パネルにグラデーション仕上げが採用されるという話が出ています。加えて、全体のまとまりがHonorのPower 2に近いという指摘もありました。色はブラック、ホワイト、ブルー、オレンジの4色が挙がっています。

価格帯と、同時に浮上したEnjoy系の新型

価格は2,000元から3,000元、日本円にしておよそ4万8,000円から7万2,000円の範囲に収まると見られています。この価格帯は中国国内では激戦区で、Xiaomiのサブブランドをはじめとする各社が性能と価格のバランスを競っている領域です。8,500mAhという電池容量は、その中で分かりやすい差別化の材料になります。

※1元=24円換算

もう1点、同じ流出情報の中で言及されているのが、Enjoyシリーズの新型です。Enjoy 90 Pro Maxの上に位置づけられる端末とされ、6.84インチのフラットなLTPS有機EL、1.5K解像度、5,000万画素の主カメラ、そしてKirinの8番台チップを積むと伝えられています。電池容量は1万mAhという数字が挙がっており、こちらはnova 16 SEをさらに上回ります。ただし製品名は固まっておらず、現時点では続報を待つほかありません。

まとめ

nova 16 SEは、2年以上動きのなかったnova SEの系譜を復活させる端末として伝えられています。8,500mAhの電池、1.5KのフラットOLED、Kirin 8020、Red Mapleセンサー付きの5,000万画素カメラという構成で、価格は2,000元から3,000元の範囲が想定されています。あくまで流出段階の情報であり、Huaweiからの正式な発表はまだありません。電池持ちを最優先にスマートフォンを選びたい人にとっては、続報を追う価値のある1台になりそうです。