Huaweiが次期OS「HarmonyOS 7」を開発者向けカンファレンスでお披露目しました。画面の奥行きを強調したガラス調の新デザイン、より自律的に動く「エージェントAI」、そして詐欺被害を未然に防ぐ専用機能が目玉です。スマートフォンだけでなくタブレットやPC、ウェアラブル、IoT機器まで横断する構想で、開発者向けベータは即日、正式版は今秋に提供されます。
まずは見た目から変わる「空間デザイン」
HarmonyOS 7で最初に気づくのは、システム全体をまとう新しい「空間デザイン」です。壁紙やボタン、スライダーといった要素にソフトウェア処理で立体感と光の表現が加わり、半透明のガラスを重ねたような質感に刷新されました。とくにロック画面では、写真や風景をそのまま立体的に見せる演出が用意され、指の動きや端末の傾きに合わせて表示が反応します。
この方向性は、Appleが先に打ち出した半透明の質感を重視するUIとよく似ており、各メディアからも「強くAppleを意識した刷新」と指摘されています。見た目を一新しつつ、システムの操作感そのものは従来の延長に保たれているため、既存ユーザーが戸惑いにくい点も特徴です。
OSに溶け込む「エージェントAI」
HarmonyOS 7は、AIをアプリの飾りではなくOSの中核機能として組み込んだ点を前面に押し出しています。標準のAIアシスタントは、これまでより多くのアプリ内操作に対応し、ユーザーの指示を会話だけで最後までこなせるよう強化されました。単に質問へ答えるだけでなく、複数の手順を含む作業を代行する「エージェント」としての性格が濃くなっています。
その土台となるのが、新たに用意された「HarmonyOS Intelligent Agent Framework 2.0」です。Huaweiはこの仕組みを、利用者の意図をくみ取ってサービスとして提供する「インテント・アズ・ア・サービス」と説明し、タスクの実行成功率は90パーセントを超えると主張しています。あわせて、写真を自然な言葉で加工できるAI編集機能なども追加されました。
6つの機能で固める詐欺対策
実利の面で見逃せないのが、専用の詐欺対策プラットフォームです。HarmonyOS 7は、不審なQRコードの検出、正規アプリになりすました偽アプリの警告、詐欺サイトのブロック、なりすましの国際電話番号の判別といった機能を備えます。さらに、通話中に詐欺的なやり取りをその場で見抜くAIベースの音声詐欺検知も搭載しました。
特殊詐欺やフィッシングの手口が巧妙化するなか、OSそのものが入り口で危険を遮断する設計は、日々の安心感に直結します。端末を使うすべての人が恩恵を受けられる、地味ながら価値の大きい強化点と言えるでしょう。
性能は15パーセント向上、提供は今秋
体感性能も底上げされました。HuaweiはHarmonyOS 7が前世代のHarmonyOS 6.1と比べて最大15パーセント高速になり、長く使っても動作の重さが膨らみにくいよう調整したとしています。アプリの起動やゲームの動作で、より滑らかな手応えが期待できそうです。
提供スケジュールは段階的です。対象となるスマートフォン向けの開発者ベータがカンファレンス当日から始まり、一般ユーザー向けの正式版は今秋に配信される見込みです。発表から正式提供までしばらく間が空く流れも、奇しくも大手メーカーの更新サイクルを思わせます。
まとめ
HarmonyOS 7は、奥行きを強調したガラス調デザイン、OSに溶け込むエージェントAI、そして6つの機能で固めた詐欺対策を3本柱に据えた大型アップデートです。性能も15パーセント向上し、スマートフォンから家電まで一貫した体験を狙います。開発者ベータは即日、正式版は今秋。実機での使い心地と、AIや詐欺対策がうたい文句どおりに機能するかが、これからの注目点になります。
